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サルコジ仏大統領 ダライ・ラマめぐり中国と摩擦 (1/2ページ)
【パリ=山口昌子】フランスと中国の関係が緊張している。サルコジ仏大統領は北京五輪開会式への出席を正式に表明、パリでの聖火リレーの混乱から悪化した中国との関係修復に努めたが、中国は、8月中旬に訪仏するチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世とサルコジ大統領が会談するなら、「重大な結果」を引き起こすと警告したことから、大統領は窮地に立たされている。
仏外務省は9日夜の声明で、クシュネル外相が中国の孔泉駐仏大使を外務省に呼んで、中国の圧力を「拒絶する」と通告し、大使も「無条件で」大統領の開会式出席を了承したと発表した。ところが大使はその後、記者団に対し、中国は大統領とダライ・ラマの会談には「強硬に反対する」と言明。中国がフランスと結んでいる約100機のエアバスや高速列車TGVの車両約50両の購入契約を破棄することを示唆した。
エリゼ宮(仏大統領府)筋によると、大統領は主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の合間の胡錦濤中国国家主席との会談で、開会式出席は表明したが、ダライ・ラマとの会談の可能性などには言及していないという。
ただ、4月にパリでの聖火リレーが混乱し、仏国内で中国への反感とチベットへの同情が吹き出した際、シャテル政府報道官は「会談」の可能性を排除しなかった。5日発行のルモンド紙も、「エリゼ宮以外での会談」を示唆するなど会談の可能性が高まっていた。