2008年7月10日 19時24分更新
夏の交通安全県民運動初日の10日、新宮町では、9年前に飲酒運転の事故で大学生だった娘を亡くした前原市の男性が講演し、飲酒運転の撲滅を強く訴えました。
講演をしたのは前原市の農業、大庭茂彌さん(61)です。
大庭さんは9年前に鳥取県で起きた飲酒運転の事故で当時、大学3年生だった娘を亡くしました。
新宮町の施設で行われた講演で、大庭さんは「事故があったのは年末で、娘は正月には家に帰ってきてみかんの収穫作業を手伝うと言っていた。事故の1時間ほど前には妻と、『娘はいつごろ帰ってくるんだろうか』と話したところだった」と当時の様子などを話しました。
そのうえで、「飲酒運転をなくすためには、遺族の私たちが訴えていくことが必要だと思っています」と、飲酒運転の撲滅への思いを強く訴えました。
講演を聞いた人は「娘さんを亡くしたつらさが伝わってきた」とか、「どうして飲酒運転がなくならないのか憤りを感じる」などと話していました。
講演を終えた大庭さんは「おととしの事故を受けて飲酒運転撲滅に向けた機運が高まったが、時間がたつと風化するおそれがある。そうさせないためにも飲酒運転撲滅の取り組みを続けるとともに、飲酒運転できない車を作る必要があると思う」と話していました。