2008年7月10日 19時24分更新
80年前、日米親善の願いを託した「青い目の人形交流」の心を受け継ぐ「平和と友情の人形」の贈呈式が福岡市でありました。
青い目の人形交流は昭和のはじめ、日米の親善を願って宣教師のシドニー・ルイス・ギューリック1世がおよそ1万3000体を日本に贈り、そのお礼に日本からは58体がアメリカに渡りました。
10日は、祖父の遺志を受け継ぐギューリック3世の代理として今回の贈呈式の橋渡しをした芳野元さんと、答礼人形を製作した人形師のひとりの孫弟子、第3代末村春陽さんらが出席しました。
そして、「80年前太平洋を渡った人形と同じ気持で平和の人形を贈ります」というギューリックさんのメッセージが伝えられたあと、双方のパスポート付きの人形を交換しました。
アメリカの人形は「メリーアン」という名前で着替えの衣装も用意されています。
一方、日本の人形は永遠の平和と友情を誓う「都和友里子」と名付けられ、ひな祭りの豪華な道具も添えられています。
青い目の人形は先の大戦の時には敵国の人形として壊されるなど過酷な運命をたどりましたが、吉野さんは「これからは生き残った人形だけでなく答礼人形を作った人たちもまじえた交流が始まることを期待しています」と話しています。2つの人形は福岡市天神の丸善福岡ビルギャラリーで、今月15日まで展示されています。