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1万円の硫化水素除去装置に照会殺到 大阪市消防隊員を表彰
硫化水素ガス発生による被害が続くなか、安価で効果の高い簡易型ガス除去装置を開発した大阪市消防隊員に対し、平松邦夫市長は10日、消防功績章を贈った。
除去装置は衣装ケース(1300円)やバーベキュー用網(100円)などと特殊な活性炭を組み合わせた消防隊員の手作りで総額1万円程度。
先月9日の実戦投入以降、5回現場に“出動”し、いずれも効果を上げている。
全国の消防から、問い合わせが相次いでいるという。
装置の構造は、市販のプラスチック製衣装ケースの底をくりぬき、バーベキュー用網を底に敷く。
その上に東京・三宅島の環境改善に使われた、硫化水素ガスのうち硫黄分を吸着する特殊な活性炭を入れ敷き詰め、ケースの上に風を循環させる送排風機を取り付ける。
送排風機で室内の空気を循環させ、空気に比べて重い硫化水素ガスを衣装ケースの下の穴から吸い込み、活性炭で無毒化する仕組みになっている。
機動指揮支援隊員が約1カ月かけて開発した。
表彰を受けたのは消防局機動指揮支援隊の北口正消防司令(45)ら12人。
この日は代表の5人が市役所で賞状を受け取った。
平松市長が「発明に対する消防功績章は初めて」と喜ぶと、北口消防司令は「大変感激しています。市民の期待に応えられる消防を目指していきたい」と表情を引き締めていた。