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「総合医」を「認定医」に―舛添厚労相

 舛添要一厚生労働相は7月10日、卒業後にへき地や離島で診療ができるよう、いわゆる「総合医」を養成している自治医科大(栃木県下野市、高久史麿学長)を視察した。視察後の記者会見で、厚労相は、総合医を学会などが認定する「認定医」として位置付けられるよう、厚労省として検討していく意向を表明した。

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 患者の主訴や臓器別でなく、心と体のバランスを考えながらトータルに診療する「総合科」や「総合医」をめぐっては、定義や呼称、育成方法などにさまざまな議論がある。厚労省はこれらの創設を目指して、昨年度から医道審議会医道分科会診療科名標榜部会で議論を始めたが、麻酔科と同様に国が審査して標榜医資格を与えると提案したことに対し、委員らが反対し、棚上げされている。また、日本医師会も検討を進めており、2006年度から日本プライマリケア学会などと共同で、臨床経験年数によって一定のカリキュラムを修了することで認定が得られる「日医認定かかりつけ医(仮称)」について、今年3月に報告書をまとめている。
 6月18日にまとまった「安心と希望の医療確保ビジョン」の中でも、「総合的な診療能力を持つ医師の育成」について言及しており、「医師の専門分化が進む中、内科、小児科、救急から末期がん、認知症、看取りまで、患者の全身の状態を踏まえた診療を行う観点から、総合的に患者を診る能力を有する医師の育成を支援する」との文言が盛り込まれている。

 厚労相は視察で、総合医について、「中身や内容について、それぞれの学会で自由にやるのがよく、国が『これとこれのカリキュラムやらなきゃ駄目だ』という方向じゃない方がいいと思っている。厚生労働大臣は何をすべきか」と述べ、高久学長らに意見を求めた。

 高久学長は「米国の場合、インターンが終わって3年ぐらいの後期研修を終えて、初めて『家庭医』や『地域医』になれる。日本でも初期研修が終わって2年ぐらいは総合医としてのトレーニングを受けないと、住民が信用しない」と、総合医としての研修の必要性を訴えた。また、「医師会と学会で認定制をつくる必要があると個人的に考えている」と述べた上で、「日医認定かかりつけ医(仮称)」を紹介。日医が現在実施している生涯教育事業のカリキュラムを、総合医養成の方向に重点を移して「総合医教育」に改めていくことや、開業医への資格取得支援としての、インターネットを通じた履修方法なども紹介した。
 さらに、地域住民に総合医を広く知ってもらうよう広告を可能にしてほしいとも求めたが、現在は厚労省が認めた学会認定の専門医でなければ広告できないため、「お願いしようと思っている」と、厚労相の協力を要請。「総合医は専門医ではなく、ある意味、専門領域の幅が広い、総合的な専門医。総合医の認定制をつくったときに、総合医の看板を出せるようにしてほしい」と訴えた。加えて、千葉県鴨川市の亀田総合病院が後期研修に設けている「家庭医診療科」などを例示して、総合医に関するコースを修了した場合も広告させてほしいと求めた。

 厚労相は視察後の記者会見で、「地域格差の最大の問題は医療格差で、特にへき地の問題」と指摘。その上で、「地域のネットワークをどうするかが重要。今、高久先生の方から『認定医』という位置付けがあったので、前向きに検討したい」との姿勢を示した。また、総合医について、「『かかりつけ医』や『ホームドクター』などと呼んでもいいが、これも積極的に進められればと思う。既に医療ビジョンの中にも書かれていることなので、これを具体化したい」と述べた。


更新:2008/07/10 21:34   キャリアブレイン


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