正妻より浮気相手女性のほうが「格下」

【オトナの性・恋愛講座】
　夫の浮気といえば、仕事柄、正妻と浮気相手の女性、両方にお目にかかることも度々あるが、皆さん共通点がある。正妻より浮気相手女性のほうが間違いなく「格下の女」であること。まったく判で押したようにどなたも同じだ。（2005.02.03掲載）

　バラエティー番組の「ロンドンハーツ」（テレビ朝日系）でやっている『格付けしあう女たち』ではないが、女同士であれば格上か格下かを見分けることができる。何をもって格を上下するかといえば、顔の美醜やスタイル、ファッションセンスはもちろんのこと、言葉遣いや金遣いにみられる人としての品性である。
　いや、たしかに浮気相手のほうが若いよ。年齢はね。しかし今までの夫婦相談における統計によれば、浮気相手が正妻に勝るのは「年齢の若さ」だけ。これは断言してもいいと常々思っていたのだが、先日それを証明できるかの場面に遭遇した。
　場所は東京・神楽坂。寿司屋で編集者たちと気分よく飲んでいた時のことである。
　ひとつ置いたテーブル席に、「どすん！」と音を立てて座った若い女性がいた。横目に見るとキャバクラ勤めのお嬢さんかと思ったが、そうともいえない微妙な服装。さして可愛くもなく美しくもなくオシャレでもない小柄で太った豆タンクが立てた音である。他の客のことなどどうでもいいのだが、あまりに大きな音と、その寿司屋は魚の美味しい良い店なのに、何て入り方をするんだろうと、思わずお連れの男性をちらと見た。
　あ！　誰もが知る有名歌手ではないか。なんでこんな女と？女性の言葉はもごもごと聞き取りにくいが、男性は歌手であるだけに声の通りがいい。聞くともなく会話が聞こえてくる。
　「フグのことをさ、フクって呼ぶ地域もあるんだよね～」なんて、つまらないウンチクなんか傾けながら、なかなか雄弁だ。
　あらあら、情けないことに歌手は豆タンクの機嫌を取り続けているではないか。２人は食事も早々に席を立った。この後もどこかへ行くんだろうな。じつは私は若い頃その歌手のファンだった時期もあるだけにショックのあまり鼻白んでしまう。
　まさか豆タンクが好みだったとはね。あれほど美人で知的な奥様がいるにも関わらず、本当にオヤジってしようがないと実感してしまった。ねえ、オヤジ。誰がどこで見てるか分かんないんだから、気をつけなきゃね。
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●池内ひろみ
　１９６１年生まれ。離婚、再婚を経験後、旧来のフェニズムとは異なる視点で、夫婦・家族問題コンサルタントとして活動。東京家族ラボ主宰。

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