|
ここから本文エリア 「世界遺産の証明可能」イコモスが示唆2008年07月10日 世界文化遺産への登録延期が決まった「平泉」について、国際記念物遺跡会議(イコモス)が、日本が推薦書で示した世界遺産の登録基準とは別の基準で、「世界遺産の証明が可能」と示唆していたことがわかった。各国のイコモス勧告を集めた「文化財調書」に記述があった。 世界文化遺産には六つの登録基準(1〜6)があり、推薦物件はこのうち最低一つを満たさないと登録を認められない。平泉は3、4、5、6の四つの基準に合致するとして推薦されていた。 一方、イコモスが示した基準は「(2)人類の価値の重要な交流を示すもの」。アジア大陸から仏教思想とともにもたらされた庭園の思想が、日本に古くからある自然崇拝や神道を基礎に進化し、日本固有の庭園づくりに発展した――という根拠が示せれば、世界遺産としての価値の証明が可能と指摘された。 だが、この基準には、骨寺村荘園遺跡(一関市)や白鳥舘遺跡、長者ケ原廃寺跡(奥州市)はあてはまらないとされ、構成資産から外れる可能性もある。日本政府代表団は、今回推薦した九つの構成資産で考えなければ「平泉文化は語れない」(文化庁)と、イコモスの指摘を退けている。 しかし、3年後の「登録」という実利を考えれば、今後取り組む推薦書の改訂作業で論議を呼ぶのは必至だ。 マイタウン岩手
|