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50億ドルの市場介入、為替防衛効果に疑問(上)

1000ウォン割れが目標か

 外国為替市場はきなくさい戦場と化した。ウォン高誘導を狙った通貨当局の大規模なドル売り介入で、韓国政府と市場との為替戦争の幕が切って落とされた。

 昼どきの9日午後0時45分、通貨当局が出したとみられる計約20億ドル(約2136億円)のドル売り注文が三つ以上のルートで無差別的に相次いだ。これまでの市場介入が一つか二つのルートを経由して行われたのに比べ状況は異なった。

 その結果、午後0時45分に1ドル=1027ウォンだったウォン相場は同53分に1017ウォンに、同1時には1000ウォン台を割り込み、998.90ウォンを付けた。10分余りで30ウォンという猛烈なウォン高を記録したことになる。政府がなりふり構わず市場介入に動いたさまがうかがえる。結局、ウォン相場は前日比27.80ウォンのウォン高ドル安となる1004.90ウォンで取引を終えた。ウォン相場の1日の上昇幅としては、1998年10月9日(28ウォン)以来最大だった。市場では当局による介入規模が30億-50億ドル(約3200億‐5300億円)に上ったと推定されている。

 為替ディーラーは「(介入の瞬間)目を疑った。当局が突然爆弾を落としたようなものだ」と話した。通貨当局の介入は市場をパニックに陥れるほど電撃的なものだった。

 しかし、政府が期待する水準にウォン相場を安定させられるかは未知数だ。政府がいくら介入しても市場に打ち勝ったことはないためだ。農協先物のイ・ジンウ・チーム長は「(当局の介入で)為替市場がまともに機能しないため、今後為替動向は予想が難しい」と話した。

趙義俊(チョ・ウィジュン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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