完全消去 - HDDを手放す前に..
カテゴリ: こんぴーた雑多
ハードディスクを売る時、捨てる時、譲る時。OSからフォーマットしたくらいじゃ、まだ中身は残っています。最近は悪用も目立ってきましたし、消去するなら、ある程度はきっちりやるに越したことはないんです。ってことで、具体的にはどうすればいいのかということについて、その類のソフトウェアを紹介しながら進めてみます・・
例によってOSからのフォーマット(いわゆる論理フォーマット)ではデータは復元できる可能性があるわけですが、んではどうするべきかということで。
ちなみに今回はHDDを物理的に破壊せずに、内容を消去するのが目的です。
叩き割る
最強ですが、上記の通り今回の方針とは方向性が違うと思います。
大きなデータを書き込む
これは消去と組み合わせるのが基本ですが。ソフトウェアキャプチャボードをお持ちの方は無圧縮のデータを大量に取り込むのがいいかも。
市販ソフトを利用
- 日立ダイレクト - CLEAR-DA
- アメリカ国家安全保障局、(5)は米国国防総省、(6)はNATO
- オリエント測器コンピュータ - Black hole & Easy Eraser
- データをゴミ箱に捨てる時に2~3回上書きする「Black Hole」と米海軍準拠方式やグートマン方式等の7種類の方式でデータを消去できる「Easy Eraser」のセット。価格は3000円前後(@nifty Store)
他にもやたらとあるワケなんですが、後述フリーソフトが結構あるのでこの辺で。
フリーソフトとの比較は以下の検証が役立ちます。
消去サービスを利用
人件費がかかるためか割高なので、めんどくさい方以外は非推奨かな。一つだけあげときます。
- 日立IT - HDDデータ消去サービス
- ホワイトニング作業は税込みで1,260円(1書き込み)に、追加1書き込みにつき税込み525円。SCSI HDDは別途お見積もり。
フリーソフトウェアを利用
DOS上で実行
- DESTROY
- 米国国防総省方式に準拠した消去ができる。簡単な使い方が某BBSにある。
- 外付けなどDOSで認識できないHDDは消去できない。
- PowerMax
- MaxtorというHDDベンダーのツールだけど、Maxtor以外のHDDにも使用できる(安全性は保証できないけど)。HDD診断ツールという位置づけだけどローレベルフォーマットが可能。
- 消去方法は0文字の上書き。難点は消去にはやや時間がかかる上、外付けなどDOSで認識できないHDDを消去できない点など。
- Drive Fitness Test
- HGSTというHDDベンダーのツール、SCSI・IDE HDDで使用可能でローレベルフォーマットが可能。
- 消去方法は0文字の上書き。
- HDD delete FD
HDDの中身を全部消すFD
- 使い方はコンピュータ系blog: ハードディスクの内容を完全削除にてご参照を・・。0文字で上書きか乱数で上書きが選択できるっぽい。
Windows上で実行
- Cipher.exe
- Windows2000 SP3 及び Windows XPに用意されているデータ管理ツール。コマンドプロンプトから
/w
オプションを付けて利用する(例cipher/w:D:
)。詳しい使用法などは@ITを参照。 - しかし、上記リンク先でも触れられているけどHDDのファイルシステムがNTFSのパーティションのみで、OSが入っているパーティションは当然削除できない。
- Eraser
- 消去方法は米国防総省準拠方式 または グートマン推奨方式と非常に強力、その上オープンソース。
- 簡単な紹介が海外フリーソフト紹介にあります・・オススメ。
- DiscRamble
- Windows上から直接空きスペースをnull文字で上書き、楽チン(ただし、ファイル自体は消さない)
- 完全削除
- 強力版ゴミ箱を作る。ここで捨てられたファイルはすぐさま乱数を上書きして、再度読めなくさせることが出来る。
- Disk Refresher LE
- アイオーデータが販売している2002年6月以降に新発売のハードディスク製品を買うと利用できる。
- Windows上で利用。100回までの0文字上書き・乱数上書きや3回ずつの書き込みを行うNSA方式・米国陸軍方式・米国海軍方式・米国国防総省方式・NCSC方式が選択可能。
- ただし、OSが入っているパーティションは削除できない(*1)。外付けHDDの消去は当然可能。
その他
- PGPの削除ファイル暗号化機能
- あれば心強いなと。
- Wipe
- LinuxのUtilitiesに含まれているそうですが、詳しくは知りません。0文字上書きでの消去。
消去方式 | 処理内容 | 書込回数 | 信頼性評価 (100点満点) |
---|---|---|---|
0文字上書き | HDD領域を0文字で上書きする | 1 | 20 |
乱数書き込み | HDD領域を乱数で上書きする | 1 | 30 |
米国陸軍方式(AR380-19) |
|
3 | 55 |
米国海軍方式(NAVSO P-5239-26) |
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3 | 65 |
米国コンピュータセキュリティセンター(NCSC)方式(NCSC-TG-025) |
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3 | 65 |
米国国家安全保障局(NSA)方式 |
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3か4 | 70 |
米国国防総省(ペンタゴン)方式(DoD5220.22-M) |
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3 | 80 |
米国空軍方式 (AFSSI5020, AFI33-202) |
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7 | 85 |
北大西洋条約機構(NATO)方式 |
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7 | 90 |
グートマン(Peter Gutmann)推奨方式 |
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35 | 100 |
下に行くに従って、確実だが時間がかかるようになる。グートマン方式は諜報機関でも採用されているが、無茶苦茶時間がかかるので、(国家に狙われているのでもない限りは)個人レベルではNSA方式や米国国防総省方式で消去できれば充分だと思う。