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サミット メディアセンター公開 留寿都

2008年06月30日

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冷房用に貯蔵されている雪(手前)=後志支庁留寿都村、川津陽一撮影

■「環境に配慮」特徴

 北海道洞爺湖サミットまで約1週間に迫った29日、国内外の報道陣の拠点となる後志支庁留寿都村の国際メディアセンター(IMC)の設営が間もなく終わるのを前に、報道陣に公開された。2月に雪の重みで仮設屋根が崩落したり、参加国拡大に伴って設計変更されたりもしたが、雪冷房システムのような「環境にやさしい機能」を備えたのが特徴だ。収容人員は4千人で、7月5日にオープンする。
(杉崎慎弥)

■再利用可の資材/雪冷房

 IMCは延べ床面積約1万1千平方メートル、総工費は約30億円。建物は5月31日に完成し、内部の設営が進められてきた。報道陣の作業場や環境技術の展示スペースがある2階建てのプレス棟と、G8首脳が記者会見する平屋建ての「会見場棟」がつながった形になっている。外務省によると、サミット期間中は三十数カ国の計2〜3千人が利用する見通し。10日に閉鎖され、7月中に解体作業が始まる。

 IMCの「売り」は、環境に配慮した建物であること。建築資材の95%以上を再利用・再資源化することが可能で、空調ダクトやゴミ箱も材料に段ボールを採用するといった工夫をこらしている。

 「雪冷房システム」もその一つだ。今年4月、IMC周辺の雪約7千トンを集めて床下に貯蔵。雪に縦穴をあけて、外気を通すことで建物内に冷気を送り出す仕組みになっている。このほか、霧状の水を散布して建物の温度を下げる冷房設備や太陽光発電装置がある。こうした機能を備えた結果、二酸化炭素(CO2)の排出量は一般の建物に比べて40%低減されるという。

 また、日本の環境技術を国内外に発信する場として、IMCの入り口付近に「環境ショーケース」(約1千平方メートル)を設置。太陽・風力発電、水浄化技術、電気自動車といった分野で、80を超える企業・団体の最先端技術や温暖化防止活動が展示される。茶の湯の思想を採り入れたというスペースには、実際に触って動かせる直径1・28メートルのデジタル地球儀が5個並ぶ。地球上の天候などを表示する「生きている地球」、温暖化予測シミュレーションを紹介する「地球温暖化と気候変動」といったテーマに合わせたもので、現在の地球が抱える問題を感じてもらう仕組みだ。

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