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【NPO通信】

えいぶる(3) パン事業化の道探る

2008年6月17日

障がい者と健常者がともに働く「パン工房トースト」=高岡市大手町で

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 障害者と健常者がともに働き、応分の給料を得る。そんな事業を立ち上げたいと決まったものの、素人には何をどうしたら良いのかはなかなか分からない。NPO法人えいぶるでパン事業を立ち上げたのは、一通の手紙がきっかけだったという。

 「NPOを設立して障がい者雇用のための事業を展開する」と意気込んでみたものの、検討しなければいけないことは山積みだった。知的障がい者が働く場をつくり出す。それにはどんな業種、どんな事業形態がいいのだろうか?

 働く場は、自分たちの住んでいる町の真ん中がいい。そこは障がい者自らが通勤できる場所だ。地域の人たちに障がい者の働く姿も見てもらえる。特別な目で見られるのはいやだけど、温かい目で見守ってほしい。

 経営が安定している企業が障がい者を雇用するのとは訳が違う。起業の第一目的はあくまでも障がい者雇用。そのためにはどんな業種、商売でもこだわりはない。ただ障がい者雇用で成功している先行事例の中から、漠然とパン屋がいいなという思いはあった。

 障がい者はパン生地をこねることは難しくても、そこにかかわるさまざまな手作業がある。障がいの種類やレベルに応じた仕事がきっとあるに違いない。そこに地域の人たちが気軽に立ち寄り、買い物をする。パンは日常の食べものだ。おいしいものを、適正な価格で提供すれば商売としても成り立つのではないか?

 しかし、実際に誰が障がい者の指導をし、パンを焼き、店を切り盛りするのか? どこに店舗を出し、どんな設備が必要なのか。採算はとれるのか? それより立ち上げ資金はどうするのか。

 「やっぱり素人にパン屋は無理か…」とあきらめかけたころ、敷島製パンから冷凍生地を使ったベーカリー事業の開業を誘うダイレクトメールが届いた。

 冷凍生地を使うのであれば、初心者でも障がい者でも比較的簡単にパンが焼ける。ベーカリーアカデミーもあり、設備の提案、店舗経営や技術サポートなども引き受けてくれる。自分たちの求めているものすべてがそこにあった。

 これで最初の事業はパン屋に決まった。あとは資金の問題だけだ。 (えいぶる事務局長 松尾世志子)

 

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