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【富山】

駅地下コロッケ 高岡を元気に  NPO法人が専門店オープン

2008年7月9日

揚げたてのコロッケを手に来店を呼びかけるえいぶるメイトら=JR高岡駅地下街で

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知的障害者が就労

 知的障害者の働く場をつくろうと活動している高岡市の特定非営利活動法人(NPO法人)えいぶるは八日、JR高岡駅地下街にコロッケ専門店「えきちかコロッケえいぶる」を開店させた。通勤や通学の人たちに障害者が働く姿を見てもらうとともに、高岡名物のコロッケを売ってまちづくりに一役買う考えだ。 (稲田雅文)

 えいぶるの事業所は、二〇〇七年三月に開店した同市大手町の「パン工房トースト」、同年四月開店の同市ふれあい福祉センター内「高福レストランえいぶる」に続き三カ所目。市や高岡商工会議所が市中心部に名物のコロッケ店の出店を望み、えいぶるも街の真ん中に働く場を増やしたいため、とんとん拍子に話が進んだ。

 ゆでたジャガイモをつぶしたり、タイマーの知らせでコロッケを油から取り出したりと、マニュアル化しやすい作業は知的障害のある従業員「えいぶるメイト」でも取り組みやすく、事業にぴったりだった。

 店は健常者二人とえいぶるメイト三人で切り盛りする。自立支援法の「就労継続支援A型事業所」と位置付けられ、えいぶるメイトには利用料が発生するが、それを上回る給料を払うことが目標。

 メニューは六月中に十二種類を試作し、シンプルな「えきちかコロッケ」(五十円)や「エビクリームコロッケ」「角煮コロッケ」「万葉コロッケ」(各百円)など六種類に決めた。パン工房トーストで作った焼きたてパンも販売する。

 知的障害者には、一般企業などで働く「一般就労」は難しい。共同作業所などで働く「福祉就労」も国の予算縮小の流れで新設や増員が厳しくなっており、養護学校などをこれから卒業する人たちの進路の見通しがつかないという。えいぶるは今後、高岡養護学校の卒業生が住む氷見市や射水市でも事業所を設けていく考えだ。

 神島健二理事長は「駅は地域の人たちとコミュニケーションを取るには最適の場。仕事ぶりを見てもらい、一般企業でも働けることを知ってもらいたい」と話している。

 

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