県内の医師不足解消のため、県が医学部医学科生を対象に募集した県医師修学資金貸与制度で、返還免除要件などを緩和したところ、募集枠を大幅に拡大したにもかかわらず、募集枠を上回る応募者があったことが8日分かった。野呂昭彦知事が定例会見で明らかにした。
修学資金貸与制度は04年度に設けた。貸与額は大学1年生は151万7800円、2~6年生は年123万5800円。07年度までの4年間の新規募集枠は毎年8人だったが、制度利用者は2~5人の計16人(うち1人は卒業後に返還)だけだった。
今年度は医学部卒業後に義務付けていたへき地勤務のない「県内勤務医コース」を新設し、へき地を含む県内勤務期間を大幅に短縮するなど、修学資金の返還免除条件を緩和した。新規募集枠も8人から55人に大幅に拡大したところ、65人の応募があった。県外出身者は9人で、うち4人は大学も県外だった。県は7月下旬から8月上旬に面接を実施し、貸与者を決定する。
65人のうち6年生が4人おり、継続で貸与を受けている1人と合わせて、来年度には臨床研修医として5人が県内勤務に就く見込み。県医療政策室は「即戦力として期待している。大幅な制度改正を決定した直後から、全国の進学校や予備校などへのPRを徹底してきたことが功を奏した」と話している。【田中功一】
〔三重版〕
毎日新聞 2008年7月9日 地方版