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干天の慈雨

2008年7月9日

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 福田内閣総理大臣様 洞爺湖サミット以後はいよいよ内政の修復かと忖度(そんたく)いたします。そこで僭越(せんえつ)ながら、2009年度に発足をめざす消費者庁構想について、提案したいと思います。

 その拙案は外国為替相場を反映した主要物資の輸出入価格変動を、消費者物価指数のように毎月発表するだけのことです。日本は輸出大国であると同時に輸入大国です。円高、円安は国内物価に大きく響くはずです。

 国内ではガソリンが1リットル=180円と急騰していますが、いまはどちらかというと、円ドル相場は以前よりも円高です。その分だけ原油が安く輸入されているはずです。国際原油相場が高騰しているさなかの円高は、日本にとっては干天の慈雨ではないでしょうか。ガソリン価格の値上げ幅を多少抑えるくらいの円高メリットはあると思います。円高になれば輸出が伸びず、不景気になるという発表ばかり出るのは、産業優先の政策姿勢が日本社会を支配しているからです。

 そこで円高で原油、鉄鉱石など工業用、小麦、大豆など食料品の原材料輸入価格がこの分だけ下がっている、という状況を毎月消費者に周知させることで、消費者は円高メリットが還元されているか監視できます。もちろん、円安になれば輸入価格が上がるので、円高時と同じように発表すれば、物価が上がるのだな、と消費者は気づきます。

 御父君の古巣財務省の関税統計などを工夫、活用するだけで役所の縄張り争いもない消費者行政が可能です。すでに基本計画が閣議決定され、物価行政も消費者庁の所管となりましたので、秋の臨時国会に向けて関連法案を作成する過程で、ご検討いただければ幸甚です。(昴)

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