【社説】OECD最下位圏に転落した韓国の外国人直接投資
韓国に対する外国人による直接投資(FDI)が急激に減少している。直接投資として流入した外資から流出額を差し引いた純流入額の推移を見ると、2004年の92億5000万ドル(約9957億円)をピークとして05年には63億1000万ドル(約6792億円)、06年35億9000万ドル(約3864億円)、07年には15億8000万ドル(約1701億円)へと3年連続で減少を続けている。
さらに今年1‐3月期だけに限ると、流入額よりも流出額の方が6億7000万ドル(約721億円)も上回っていた。要するに外資系企業が韓国で新規に投資を行った額よりも、外資系企業が撤収して持ち出した資金の方が多いということだ。言い換えれば、海外の企業が韓国に対して「投資する価値のない国」という烙印(らくいん)を押したことになる。韓国に投資を行った外資系投資機関を対象に調査を行うたびに「労組が強い」「政府の規制が多い」「住宅価格が高い」「生活費がかさむ」「子供の教育ができない」などの不満が常に指摘されている。
経済協力開発機構(OECD)が最近発表した「FDIの傾向に関する報告書」によると、OECD加盟30カ国の中で昨年まで3年連続で外資が減少した国は韓国しかない。韓国へのFDI誘致規模は金額ベースでも04年には30カ国中16位だったが、05年に23位、06年には28位へと後退し、昨年は最下位ノルウェーに次いで少ない29位だった。
ブラジル・ロシア・インド・中国のいわゆるBRICsと呼ばれる新興経済国や、マレーシア・インドネシア・ベトナムなど東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国の中でも、04年から07年の期間にFDIが減少した国はない。ベトナムは21億ドル(約2260億円)から179億ドル(約1兆9268億円)へと8倍以上に増加し、インドは26億ドル(約2799億円)から157億ドル(約1兆6900億円)へと6倍にも増加した。これ以外にも多くの国で2倍から3倍の増加傾向を示している。つまり全世界でのFDI誘致競争で韓国だけが後退し、脱落しているのだ。
最近は外資系企業による新規投資どころか、すでに投資を行っていた外資系企業も撤退する状況が相次いでいる。最近ではノキアが馬山工場のラインの一部を中国とインドへ移し、モトローラも利川工場を中国へと移した。またフィリップスはLGとの合弁から手を引き、ウォルマートとカルフールは売り場をすべて売却して完全に撤退するなど、外資系企業による資金の回収が相次いでいる。このように世界中の企業から見捨てられつつある韓国と韓国の労働者の行く末には、経済の不振と失業率の増加だけが待ち受けているのだ。
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