現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 国際
  4. 国連・その他
  5. 記事

「常任理事国拡大は必要」国連・潘事務総長が初めて表明

2008年7月8日20時53分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 日中韓の歴訪を終え、洞爺湖サミット出席のため札幌に滞在中の潘基文(パン・ギムン)・国連事務総長は8日、朝日新聞の単独会見に応じた。安全保障理事会の改革について「世界情勢の劇的な変化を考えれば常任理事国を含めた安保理拡大は絶対に必要だ」と述べ、日本がめざす常任理事国を含めた拡大を支持する考えを初めて表明した。

 安保理改革をめぐっては、常任理事国入りをめざす日本、ドイツ、インド、ブラジルの4カ国(G4)が常任、非常任とも拡大するよう求めている。これに対し、G4の常任理事国入りを阻みたい韓国、イタリア、パキスタン、アルゼンチンなどコンセンサス連合は「拡大は非常任のみ」として対立。日本などは常任理事国拡大を選択肢に含めた政府間交渉入りを求めているが、同連合の反発で議論は平行線をたどっている。

 潘事務総長は、日本への対抗意識などを背景に常任理事国拡大を認めない母国・韓国と立場が異なることについて「私を韓国人だと思わないでほしい。かつては韓国外相として自国の立場を守ったが、いまは国連事務総長だ」と強調。「日本人はこの問題に関して私(の立場)に疑念を持っているようだが、誤解しないでほしい」と訴えた。

 一方、日本には「資金的、人的貢献の両方の拡大を求める」と要請。国連スーダン派遣団(UNMIS)への自衛官の派遣を改めて歓迎し、「自衛隊員の派遣は日本人にとって敏感な問題だと理解しているが、これがさらなる貢献のきっかけになることを願う」と語った。

 また日中韓の歴史問題についても言及し、「アジアの国々は不幸な経験をしたが、相互理解により未来志向で乗り越えてほしい」と結束と連帯を呼びかけた。(松下佳世)

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内
  • 中国特集
  • 北京五輪への道