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2008/07/09

メタンは怖い

あまから手帖 2008年 07月号 [雑誌] あまから手帖 2008年 07月号 [雑誌]
価格:¥ 780(税込)
発売日:2008-06-23

よくある事故なんだが、メタンガス発生?作業員死亡、牛久の養豚場というので、こういう事故があったわけだ。
7日午前11時35分ごろ、牛久市結束町の養豚場「常陽発酵農法牧場」で、豚の糞尿(ふん・にょう)がたまったマンホールに従業員の佐藤民夫さん(55)が倒れているのを同僚が見つけた。佐藤さんは病院に運ばれたが、死亡が確認された。助けようとマンホールに入った牧場長の男性(28)も一時意識を失った。牛久署によると、マンホール内に発生したメタンガスなどの気体が原因の可能性があるという。

 調べでは、豚舎から出る長さ数十メートルのパイプには、所々に糞尿のたまるマンホールが施されている。佐藤さんはこの日、午前7時50分から豚舎の掃除を指示され、パイプの詰まりを水で流す作業をしていたと見られる。
豚の糞尿を集めて肥料でも作っていたのかね? 発酵農法というから、排泄物を発酵させるわけだが、その際にはメタンガスが発生する。そのメタンガスをエネルギーとして使う方法もあるんだが、メタンガスというのは有害なので、こういう事故に繋がる事もある。

ところで、




こういう現場というのはおいらの会社の専門分野のひとつだ。で、どこがいけなかったのか、原因を追及してみるんだが、まず、基本的な事として
暗渠作業には酸素濃度計と送風機というのがある。酸欠防止だ。それとともにメタンガス濃度、硫化水素濃度も心配なので、そこら辺の数字が確認できないまま暗渠作業をやるのは自殺行為だ。たぶん、コレ、送風機も使ってないと思うよ。

で、作業の前に送風機をセットして空気を入れ替えて、数字が安全圏だったとしても油断できない。溜まった汚泥を掻き回した瞬間にガスが大量に発生したりする。なのでヤバイ現場では連続測定しながら作業というのが基本だな。で、万が一、誰かが倒れたとしてもあわてて駆けつけては二次災害を招く。酸欠の二次災害は意外に多い。メタンや硫化水素が溜まっているような現場は、ホントに危ない。

また、場合によっては送風機も満足に使えない現場というのがある。たとえば、巨大なショッピングモールの地下に汚水槽があって、それを掃除する、というような場合なんだが、もちろん営業中は出来ないので深夜にやるんだが、その現場は間違いなく硫化水素が発生する現場で、硫化水素というのはご存じのように腐った卵の臭いがするわけだ。通常、送風機で硫化水素を飛ばして作業するんだが、ショッピングモールが腐った卵臭で満たされる結果になるので、送風機がまともに使えない。じゃあ、どうするか?

仕方ないので、送風機を逆にセットして、長いダクトで戸外まで導いて、硫化水素を戸外まで送り出すわけだ。通常は新鮮な空気を送り込めばいいんだが、その逆。送風機の効果が少なくなってしまうので、濃度計で常時計測しながら作業をするので、手間がかかってしょうがないです。清掃作業をする人数と同じくらい、余分に工数がかかる。で、今回の豚小屋事故では水道のホースでマンホールに溜まった糞尿を流していたらしいんだが、そんなもんじゃ効率悪くてダメです。プロは数千万円の高圧洗浄車で、ジェット噴流の水で洗い流します。よくTVで宣伝してる「トイレの詰まり」屋さんの持っている機械の数十倍のパワーで、一気に詰まり解消なんだが、下手すると詰まりどころか配管までぶち壊してしまうほどのパワーなので扱いが難しいです。特に古くなった下水管とはヤバイね。パワーを調整しながらソロソロと作業しないと、詰まりが直らないでパイプに穴あけてしまうなんて事故もあったりする。

というわけで、まぁ、たかが汚水槽の掃除するだけでも色んな技術やノウハウがあるわけです。プロは、無駄にはカネを取らないです。

コメント

現場仕事してるひとなら、普通はこんなミスはしない。けど、ときどき起こるのは、まあ、しょうがないんじゃないの。

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