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エネルギー帝国狙うロシア 取り込まれる日本 (1/2ページ)

2008.6.22 20:59
このニュースのトピックスロシア・CIS

 【モスクワ=遠藤良介】日本とロシアが締結する原子力協定により、日本は電力の3〜4割を担う原子力発電の分野で、平和条約なき隣国と深くかかわる道を踏み出しそうだ。ロシアは世界屈指の埋蔵量を誇る石油・天然ガスに加えて原子力でも支配的地位を確保して「エネルギー帝国」の構築を目指す。資源小国の日本は北方領土返還の展望も見ないまま、ロシアの戦略に取り込まれつつある。

 地球温暖化や石油価格高騰を背景に、世界では「原子力ルネサンス」と呼ばれるほどに原子力の見直し機運が高まっている。プーチン前大統領はそれをとらえ、原子力をエネルギー外交の次なる柱に据える戦略を鮮明にした。

 昨年12月には、国内の原子力関連企業約85社を統合し、旧原子力庁を母体に国策企業「ロスアトム」を設立した。ロシアは同社に資金を集中投下して発展途上国などに原発の積極的な売り込みを図り、原発分野で先行する日欧米3極の切り崩しを狙う。

 この際、日本への核燃料供給と引き換えに、自国に欠ける原発プラント技術を日本から取り込むのがロシアの思惑だ。露科学アカデミー原子力安全発展研究所のボリショフ所長は「核燃料サイクル(の構築)や原子炉技術など日露の協力余地は大きい。(日本にとってロシアとの協力は)利益と感情のどちらを優先させるかの問題だ」と語る。

 実際、世界の原発市場では各先進企業グループがウランの確保から燃料供給、原発建設までを一貫して担える体制づくりを進めており、日本の重電メーカーにはロシアで核燃料を確保できる利点に加え、同国に原発技術を売り込む商機まで生まれる。

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