首脳宣言に初めて「拉致」明記、北朝鮮は解決に向けた行動とってない=G8会合で政府筋
[北海道洞爺湖 8日 ロイター] 北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)は8日、夕食を交えた主要国(G8)首脳会合で政治問題について討議を行い、北朝鮮問題に関連して「拉致問題」との文言を首脳宣言に初めて明記した。日本の政府筋によると、議長を務めた福田康夫首相は、拉致問題に関して「北朝鮮は解決に向けての具体的な行動を全くとっていない」と非難した。
政府筋によると、サミット文書における拉致問題への言及は議長総括で行われたことがあるが、首脳宣言では初めて。議長国としての日本の意向が色濃く反映された宣言になった。
福田首相は会合の冒頭、「議長としてではなく、日本の首相としての立場」(政府筋)から北朝鮮問題について発言。拉致問題のほか、北朝鮮の核計画申告書の提出について「前向きな動き」としながらも、北朝鮮の全ての核兵器と核計画の廃棄は「遠い道のり」とし、実現にねばり強く取り組んでいく方針を強調した。
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