自民、公明両党は8日、日雇い派遣の原則禁止など派遣制度の規制強化策を盛り込んだ提言をまとめ、舛添厚生労働相に今秋の臨時国会で労働者派遣法を改正するよう求めた。派遣先企業にも法律上の労災防止責任を反映させる措置や、特定企業だけに労働者を派遣する「専ら派遣」への規制強化、手数料(マージン)率の公開義務づけも盛り込んだ。
舛添氏は「(国会の)会派を超えて賛成してくれると期待している。しっかりと取り組んでいく」と述べ、この提言をもとに法改正をめざす考えを示した。
提言では、労働者派遣について「労働者保護の観点から様々な問題が生じてきている」と指摘。とりわけ問題の大きな日雇い派遣について、通訳など専門性の高い業種をのぞいて原則的に禁止するよう求めた。例外として認める業種は「ポジティブリスト」に明記するが、その選定については、労使の代表が参加する厚労省の審議会の議論に委ねる考えを示した。
また1日単位の雇用を求める学生などの需要に配慮し、日雇い派遣から日雇い職業紹介事業への切り替えの促進やハローワークの機能強化も盛り込んだ。
一方、派遣会社に登録して仕事があるときだけ雇用契約を結ぶ「登録型派遣」の規制については、「希望者には、常用雇用へ切り替えることを促す仕組みを設ける」と記すにとどめた。社民、共産、国民新の各党が原則禁止を唱え、民主党が「2カ月以内の派遣契約の禁止」を主張する一方、自民党内には規制の強化に慎重な声もあることに配慮した。(小室浩幸)