「投資していいと思ったのはソニーだけだ」――アラブ首長国連邦(UAE)の政府系投資ファンドでソニー株主として知られるドバイ・インターナショナル・キャピタルのアンサリ最高経営責任者は8日、福岡市の国際会議で日本の企業や市場に苦言を呈した。
アンサリ氏はアジアの産業活性化を話し合うアジア・イノベーション・イニシアチブに出席。ソニーを「人や費用の削減など厳しい構造改革をして日本企業の変化の最先端にいる」と評価した。
日本市場については「ファンドの投資案件が十分なく、国の規模に照らせば本来の1割ほどの小ささ」と指摘、「(投資が来ない)負け組にならないよう、金融システムの問題なのか言葉の壁なのか原因を考えるべきだ。自ら資本を求めない姿勢も変えた方がいい」と注文をつけた。
邦銀に対しても「(サブプライム問題などで)海外の投資銀行が苦しんでいる機会をなぜつかまないのか。健全な財務を生かして、もっと買収や株取得に動いては」とハッパをかけていた。(吉川啓一郎)