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日露首脳会談 領土問題「解決へ決意」確認
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福田康夫首相は8日、ロシアのメドベージェフ大統領とザ・ウィンザーホテル洞爺で約1時間会談した。両首脳は、平和条約締結を含む北方領土問題について、過去の2国間の合意を踏まえ、解決に向けての交渉を継続していく方針を確認し、大統領と「双頭体制」を敷くプーチン首相(前大統領)の年内訪日を実現させることで合意した。
両首脳は福田首相が4月下旬に訪露した際に会談しているが、5月にメドベージェフ大統領が就任して以降の会談は今回が初めて。
会談で首相は「両国関係を高い次元に引き上げるには領土問題の解決が不可欠だ」と強調したのに対し、大統領も同調した。そのうえで両首脳は、(1)平和条約は領土問題を解決したうえで締結する(2)過去の合意を踏まえ、領土問題の交渉を行う(3)交渉を誠実に行い、最終解決へ前進させる決意が双方に存在する−との認識で一致した。
会談ではまた、一昨年8月に北方四島周辺の日本領海で、日本漁船「第31吉進丸」を銃撃し乗組員1人を死亡させた事件で、重要な証拠物件である拿捕(だほ)船を日本の返還要求を無視し、国営漁業関連会社に譲渡していたことを取り上げられた。首相は「ロシアの一方的な措置に日本国民はロシアを非友好的に受け止めている」と指摘し、拿捕船の早期返還を要求した。
これに対し、大統領は「この事案は領土問題の未解決に起因している。領土問題を解決しないと、こうした問題はなくならない」と述べるにとどめ、返還については言及を避けた。
両首脳は、オホーツク海の環境対策などに関する「日露生態系保全協力」と、犯罪捜査などの情報を外交ルートを通さずに協力する「日露刑事共助条約」を締結することで合意した。