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韓国、B型肝炎対策の「先進国」に

4‐6歳児の感染率がWHOの基準を下回る

 韓国は西太平洋の37カ国では初めて、B型肝炎対策事業の成果が世界保健機関(WHO)から認められた。

 疾病管理本部は7日、「2007年現在、韓国の4‐6歳児のB型肝炎ウイルスへの感染率は0.2%で、WHOの基準(1%)を下回った。これにより、B型肝炎対策事業の成果がWHOから認められた。これは韓国が、B型肝炎予防の先進国として認められたことを意味する」と発表した。

 なお、すべての国民を対象に算出した韓国のB型肝炎の感染率は4.6%台で、日本(1%台)よりは高いものの、10%近い台湾、中国に比べるとはるかに低い。

 WHOの西太平洋地域事務局(WPRO)は2002年以来、同地域の加盟国すべてに対し、定期的なB型肝炎の予防接種を導入するよう勧告してきたが、その効果を見るため、5歳前後の児童のB型肝炎ウイルスへの感染率を調査している。

 B型肝炎ウイルスは、韓国人が肝炎を引き起こす主な原因となっており、主な感染経路としては「垂直感染(分娩時に母親から新生児への感染)」が挙げられている。

 また、体液を通じて感染するため、幼児が傷口を通じて感染したり、大人の場合は性行為を通じて感染することもある。一方、かつては酒の回し飲みで感染するといううわさも流れたが、そのような事実はない。

 垂直感染でB型肝炎に感染した新生児は24時間以内に予防接種を受ければ、10人中9人は発症しないものの、残る10%は「慢性B型肝炎予備軍」となり、その大部分が後に慢性B型肝炎を発症する。慢性B型肝炎を発症すれば、20年以内に肝硬変や肝がんになる確率が50%以上となる。

 韓国においては、1980年代まではB型肝炎ウイルスへの感染率が全国民の6‐8%に達していた。だが、85年にB型肝炎ワクチンが導入され、また95年からは政府が新生児に対するB型肝炎の予防接種を義務付けたことで、接種率は95%以上にまで向上した。

 また、B型肝炎ウイルスを持つ母親から生まれ、垂直感染でB型肝炎に感染するのを防ぐため、2002年7月からは該当する新生児を対象に予防接種を無料で行っている。その結果、B型肝炎の予防接種が義務付けられた後に生まれた10‐14歳の児童の場合、感染率は0.2%にまで低下した。

 一方、疾病管理本部の李鍾求(イ・ジョング)本部長は、7日にフィリピンのマニラで開幕したWHOの西太平洋地域会議に、「技術諮問委員」として出席し、韓国のB型肝炎対策事業について伝授していくとしている。

李智恵(イ・ジヘ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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