物価高:「通貨危機のころより経営が苦しい」(上)
限界に直面する小規模自営業者
石油価格の高騰がとどまるところを知らず、穀物の価格も急上昇が続く中、小規模な自営業者の経営基盤が根底から揺らいでいる。小麦粉の価格、ガス代、配達にかかる費用、そして人件費など、ありとあらゆる費用がかさむ一方で、国内需要の深刻な落ち込みによって、売り上げはむしろ減っているためだ。
今年に入り、飲食店は1カ月平均で900店、スーパーマーケットは同じく400店が閉店を余儀なくされるなど、多くの自営業者が限界に直面している。
ソウル・江南の高速バスターミナルの地下商店街で、5坪半(約18平方メートル)ほどの小さな大衆食堂を9年にわたって経営しているイ・ジヨンさん(64)は、「今はアジア通貨危機のころよりも経営が苦しい」と訴えた。
3日午後1時15分ごろ。昨年の今頃は、お客さんたちが並んで席が開くのを待つほどだったが、現在、イさんの店は12台あるテーブルのうち8台がガランと空いていた。この日の昼食時間帯に売れた辛口カルグクス(韓国風うどん)=4000ウォン(約407円)=は25杯、ラーメン(2500ウォン=約255円)は15杯、キムパプ(韓国風のり巻き)=2000ウォン(約204円)=は10本にとどまった。昨年の今頃は、カルグクスは50杯、ラーメンは30杯、キムパプは20本以上も売れていた。
イさんは「バカ高い材料費の元を取るためには、1日に160杯は売らないといけないが、先月は1カ月に140杯しか売れなかった」と嘆く。20年近くも失業状態にある夫に代わり、二人の子供の大学の学費や結婚費用を稼ぎ、生計を立てるためにほかの誰よりも一生懸命働いてきたイさんだったが、「最近は恐怖が先に立つ」という。
◆値段はそのまま、材料費は40%↑
「商売はうまく行かないのに、何で値段はこうも上がるのか」
先月末、配達業者からスジェビ(韓国風すいとん)用の小麦粉の生地(10キログラム)の領収書を受け取ったイさんは、こう言って顔をしかめた。昨年6月に2万ウォン(約2040円)だった生地の価格は、今年に入って2万5000ウォン(約2540円)にまで上がり、近いうちにまた3万ウォン(約3050円)に上がるという話を聞いたからだ。
4000ウォンのカルグクス1杯に使う小麦粉の価格は、昨年6月には約600ウォン(約61円)だったが、今は1000ウォン(約102円)で、67%も上がった。また、タンムジ(韓国風たくあん)は50ウォン(約5.1円)から60ウォン(約6.1円)に、都市ガスの料金は80ウォン(約8.1円)から120ウォン(約12.2円)に上がった。さらに日当5万ウォン(約5090円)の人件費も5万5000ウォン(約5600円)に上がった。このため、4000ウォンのカルグクス1杯を売るためにかかる原価は、昨年6月の2900ウォン(約295円)から3800ウォン(約387円)と、30%ほど上がった。イさんは「それでも、カルグクスはまだ売れている方だ。オジンオポックンパプ(イカ炒め丼)などのご飯物まで含めると赤字だ」と話す。
鄭恵全(チョン・へジョン)記者
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