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【社説】第3次石油危機目前、韓日に大きな差(下)

 一方の韓国における今年5月までの国内でのエネルギー消費量を見ると、昨年同期に比べて4.3%増加している。ソウル都心を走る乗用車数は減少しているが、平日でも大型スーパーの駐車場は顧客らの車で以前よりもさらに混雑している。夏にも室内で長袖を着なければならないほど強く冷房を稼動させる「省エネ不感症」も以前のままだ。韓国では排気量1000cc未満の軽自動車の普及率はわずか6.8%だが、日本は30.8%に達する。電力消費量も9.4%増えており、そのために必要な天然ガス使用量も25%増えた。1キロワットを生産するのに必要な天然ガスの費用は103.2ウォン(約10.7円)で、原子力の38.2ウォン(約3.9円)のほぼ3倍だ。つまり、天然ガスによる発電が増えるほど国家的浪費の規模も大きくなるということだ。1滴の油も出ない国がこれではいただけない。

 韓国も以前はこうではなかった。73年の最初の石油ショックの際、政府は「高価な輸入資源を最大限節約しよう」と大統領が直接国民に呼び掛け、「エネルギー10%節約運動」を宣言した。「乗用車、暖房用のエネルギー5%節約」「2キロ以内は歩こう」「昼間は電気を消そう」「ネオン規制」など、さまざまなキャンペーンや措置が一斉に行われた。また節約運動には大統領府(青瓦台)が先頭に立った。夏にも大統領は自らの執務室のエアコンを切り、窓を開け放っていたことからハエや蚊に悩まされた。そのためハエたたきをいつも手にしながら過ごしていたという。執務室と寝室横のトイレの便器の水タンクにはいつもレンガが1個ずつ入っていた。水を節約するためだ。

 われわれが過去2回の石油ショックを克服できたのは、国の指導者たちがこのように国民の先頭に立って節約に取り組んできたからにほかならない。世界的な夜景を誇る香港も、最近は夜9時になると真っ暗になる。指導者たちの危機意識が国民に伝わった結果だ。今回の石油ショックを克服するために、国民全体が、そして何よりも国の指導者たちが大きく変わらなければならない理由はここにあるのだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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