ほかにも不正合格者? 矢野容疑者長女以外にも点数改ざんか
大分県の教員採用を巡る汚職事件で、県警は5日、県教委義務教育課参事・矢野哲郎容疑者(52)と妻の同県佐伯市立重岡小教頭・かおる容疑者(50)(いずれも別の贈賄容疑で逮捕)の長女(23)の採用を巡ってわいろの授受があったとして、同課参事・江藤勝由容疑者(52)(別の収賄容疑で逮捕)を収賄容疑で、矢野両容疑者を贈賄容疑で再逮捕した。
県警は4日夜、同じ収賄容疑で元県教委ナンバー2の教育審議監だった同県由布市教育長・二宮政人容疑者(61)を逮捕している。
関係者によると、江藤容疑者が、採用試験の全受験者の得点一覧表を二宮容疑者に提示し、二宮容疑者が長女ら複数の名前を指さして点数を合格ラインまでかさ上げするよう指示したという。県警では、二宮容疑者がほかにも不正に合格させた疑いがあるとみて調べる。
県警の発表によると、当時小学校教頭だった矢野容疑者とかおる容疑者は、2006年9、10月に二宮容疑者へ、また同年10月ごろは二宮容疑者の部下で同課主幹だった江藤容疑者へ、07年度試験で長女の採用に便宜を図り合格させてもらった謝礼としてそれぞれ100万円分の金券を渡した疑い。矢野両容疑者と江藤容疑者は容疑を認めているという。
二宮容疑者は、07年度の採用試験で合格者の最終案を決裁する立場にあった。わいろ授受の直後に県教委を退職し、06年11月に由布市教育長に就任した。
試験は06年7月に筆記などの1次、9月に面接などの2次が行われ、小学校教員の1次に挑んだ489人のうち119人が2次に進み、長女を含む41人が合格した。
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大分地検は5日、浅利容疑者に関する贈収賄事件について、江藤容疑者を収賄罪、矢野哲郎、浅利両容疑者を贈賄罪でそれぞれ大分地裁に起訴し、かおる容疑者は処分保留とした。
(2008年7月5日 読売新聞)