【ジュネーブ澤田克己】不発弾が市民に被害を与えているクラスター爆弾への対処について議論する「特定通常兵器使用禁止制限条約(CCW)」政府専門家会合が7日、ジュネーブの国連欧州本部で始まった。米露中を除く有志国や非政府組織(NGO)による軍縮交渉「オスロ・プロセス」が5月、事実上の全面禁止条約案を採択したが、米露は7日、「クラスター爆弾は合法的な兵器だ」と、規制に反対する従来の主張を繰り返した。
国連に事務局を置くCCWには、同爆弾を大量に保有する米露中が参加している。
一方、オスロ・プロセスにも参加するカナダなどは「(CCWで)前回の会合が開かれた時(4月)とは国際的状況が変わった」と述べ、同爆弾禁止が国際的な流れとなったことを強調、米露と対照的な姿勢を見せた。
CCWでは、大量保有国の強い抵抗でクラスター爆弾に関する論議が停滞してきたが、オスロ・プロセスに背中を押される形で昨年から議論を開始。今年11月の締約国会議へ向けて、人道被害に対処するための「提言」をまとめることを目標としている。
ただ、これまでの議論では、特に、CCWのみに参加する米国や韓国、ロシアなどがクラスター爆弾の規制に消極的な姿勢を崩していない。4月の前回会合では、規制対象に関する議論を始めようという意見が出たものの、米韓などの強い反対で先送りされていた。
毎日新聞 2008年7月7日 19時22分(最終更新 7月7日 20時21分)