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銚子市立総合病院:9月末で全面休止 再開のめどなく不安の声 /千葉

 医師不足などで経営難に追い込まれていた銚子市立総合病院(同市前宿町)が9月末で診療を全面的に休止することになった。岡野俊昭市長が7日、記者会見で明らかにした。岡野市長は「民間への譲渡などで来年春にも再開を目指す」としたが、譲渡先や医師の確保などのめどはついていない。市民からは「実質的な閉院」と不安の声が出ている。【新沼章】

 岡野市長は診療休止の理由として、「医師を派遣してくれている日大、千葉大などから『これ以上の派遣は困難』との説明があった」「入院受け入れ、救急対応ができないことから、収入が大幅に減少している」などと説明。「県とも相談したが、現状の経営状態では致し方なく決断した。市民に申し訳ない」と述べた。

 同病院は1951年に市立診療所として設立。15診療科で、ベッド数393床。医師13人を含む職員数は205人。

 04年度から若手医師を対象にした臨床研修制度が始まったことから、派遣元の大学側の要員不足が深刻化。同病院の常勤医数は06年度35人だったが、07年度には22人に激減した。これに伴い、結核病棟を閉鎖したうえ、産科を休止。新たな外科入院患者の受け入れを取りやめるなど、診療体制を順次縮小してきた。

 休止に伴い、現在の入院患者約160人と外来患者約300人は旭中央病院(旭市)など近郊の病院で受け入れてもらう。また、医師、看護師らに対しては再就職をあっせん。事務職員は市の他の部署へ配置転換する。

 市は同病院運営事業のため、一般会計から毎年、十数億円を補てんしているが、07年度末の累積赤字は約18億円に上る。これ以外に償還が必要な企業債や長期借入金は約51億円になるという。

 ◇「診療休止の流れ止められず残念」--堂本知事

 銚子市立総合病院の診療休止について、堂本暁子知事は「県としても病院を継続できるよう医師の確保などに取り組んできたが、医師不足や経営悪化の流れを止めることができず残念。市民や患者の医療を守るためにできるだけのことをしていく。当面の医療の確保について、近隣の医師会や医療機関と協議したい」とするコメントを出した。

毎日新聞 2008年7月8日 地方版

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