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ネットユーザーは馬鹿だから、ちょっと刺激的なタイトルですぐ騙されるよね

Web担編集部
2008/07/08 13:00
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Web担のなかの人

Web担編集部ブログ「Web担のなかの人」では、未確認のネタ、記事にできなかったネタ、取材裏話、コラムなどを、不定期更新で編集部スタッフが綴ります。

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IT系の出版社の編集者があつまる飲み会というものがあり、ネット系のメディアが中心になってからもたまに参加している。だいぶ前になるが、その集まりで、こんな発言があった。

ネットユーザーは馬鹿ばっかりだから、
ちょっと刺激的なタイトルをつけたら
すぐ騙されてクリックしちゃうんだよね。

大手ニュースサイトであっても、記事タイトルの付け方1つでアクセス数は倍どころでなく変わるというのは、よく言われることだ。ユーザーを惹き付ける“良い”タイトルを付ければ、トップページでもクリックされやすくなるし、はてなブックマークなどのソーシャルサイトで取りあげられた場合にも加速度がつきやすくなる。

しかし、良いタイトルでアクセスが増えるのは、ユーザーが愚かだからではなく、ネットではユーザーが「クリックするコスト」が極端に低いからだということを理解しておくべきだろう。

この「クリックするコスト」の意味をもう少し説明してみよう。

たとえば書店では「お、おもしろそう」と思った本があったら、まず手にとってみるだろう。その後、筆者紹介を見たり、目次を眺めたり、ページをめくったり、値段をチェックしたりして、購入する価値があると思ったらレジにもっていく。しかし、タイトルや表紙に惹かれても、中身をチェックする段階で魅力がないと判断したら、購入してくれない。タイトルだけが良くても、買ってもらえるとは限らないのだ。

ネットで「お、おもしろそう」と思ってリンクをクリックすることは、書店で本を手にとってみるよりも簡単だ。だから刺激的なタイトルでアクセスは集まる。しかし、リンク先の内容がおもしろくないと思って[戻る]ボタンをクリックするのは、手に取った本を棚に戻すよりも簡単であることも忘れてはいけない。

ただ、ネットでは、それでも「1 PV」として計上されてしまうため、見かけ上のPV数の上下で一喜一憂する後押しになってしまう。ちゃんと直帰率などの数字まで見ていれば、いかに「来たものの読まれていない」かがわかるはずなのだが。

「クリックするは易く、[戻る]も易く」であり、タイトルがおもしろくても内容がおもしろくない可能性があることは、ユーザーもよくわかっているものだ。

たとえば、Web担の「はてブ数の多かった歴代記事」を並べてみると次のようになる。

2位のものは翻訳のフローで出てきたものだが、ほかはすべて、企画段階から「これは良い内容になる」と頑張って作ったもの、週末を何回もつぶして自分で翻訳したもの、筆者さんに反対されながらも「絶対に受けるから」と説得して書いてもらったものなどだ。ネットユーザーが「良い記事」を見分けていることがわかるだろう。

繰り返すが、「ネットユーザーは馬鹿だから」の発言は、ネット上での行動のコストの低さを勘違いしているだけである。消費行動の「AIDMA」「AISAS」における最初のアテンション獲得には成功しているかもしれないが、タイトルだけではその先にはつながらない。メディアの目的としての「来てもらって、読んでもらって、その人の役に立つ」を得るためには、コンテンツをしっかりと作る必要があるのは、当然だろう。

もし件の発言主が満足してもらえるコンテンツを準備したうえでのネットユーザーの動きに対する感想を言ったのならば、「良いコンテンツを作ったら、さらに良いタイトルを考えて付けないと、ちゃんと見てもらえないよね」となっていたはずだ。

◇◇◇

さて、ハマる落ちはないが、長くなったので今回はここまでにする。

次回は、この件をふまえて「良いタイトルの付け方」に関する解説をしてみたい。ウェブ向けのコピーライティングに興味がある方はwktkお待ちいただきたい。

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