2007年09月24日
こんばんは
執行猶予2年と4ヶ月が過ぎようとしている飛鳥エイジです。あと2年8ヶ月、収監の危機におびえながら生きなくてはなりません。(本当か?)
まあ飛鳥が「おびえる」といっても、知り合いには「ふっ……」と鼻で笑われますが。
でもまあ、収監の危険があるのは本当です。なればこそ、語りでもはっきり言ってますよね、突然飛鳥が消えてしまったら、それは死んだ(殺された)か、刑務所に入ったかです、と。
いやいや、こういう話が冗談ではないところが飛鳥の人生なんですね。
で、昨晩はいろいろ熱く語りましたが、おかげで今日は職場で死ぬかと思いましたよ。今夜は無理しません。なんせ、明日は三連休より恐怖な「火曜日」ですので……。いまから鬱ですよ、もう。
とおりすがりさま、昨夜の話は、ひとまずあれで終息ということで。いや、ホントの話、語りたいならメールしてくれると一番いいのかも。なお、いきなり信じろと言っても無理でしょうが、飛鳥は常に正々堂々。あなたの素性を知ったとしても、それでなにやら謀ろうとか、そういう事は一切ありません。ま、こんなだから、薄汚く狡賢い奴らに巧くやられてしまったわけですがね。
なお、本編は、これもお話ししているように、現在自転車操業状態です。というか、自転車走ってませんよ、既に。飛鳥も頑張りたいのですが、ちょいとここで丁寧に事実を上げていきたいので、気長にお待ち下さい。
ゆっこさま、確かに痛かったですよ~。かつては毎日拳がこんなだったんですが、やはり年取ったら無理は禁物ですねえ。
痛みは、生きてる証拠、ですね。人の痛みも、まだなんとなくわかるので、かろうじて人間ではあるのかなと思うことも。
また、連絡します。では。
まあ飛鳥が「おびえる」といっても、知り合いには「ふっ……」と鼻で笑われますが。
でもまあ、収監の危険があるのは本当です。なればこそ、語りでもはっきり言ってますよね、突然飛鳥が消えてしまったら、それは死んだ(殺された)か、刑務所に入ったかです、と。
いやいや、こういう話が冗談ではないところが飛鳥の人生なんですね。
で、昨晩はいろいろ熱く語りましたが、おかげで今日は職場で死ぬかと思いましたよ。今夜は無理しません。なんせ、明日は三連休より恐怖な「火曜日」ですので……。いまから鬱ですよ、もう。
とおりすがりさま、昨夜の話は、ひとまずあれで終息ということで。いや、ホントの話、語りたいならメールしてくれると一番いいのかも。なお、いきなり信じろと言っても無理でしょうが、飛鳥は常に正々堂々。あなたの素性を知ったとしても、それでなにやら謀ろうとか、そういう事は一切ありません。ま、こんなだから、薄汚く狡賢い奴らに巧くやられてしまったわけですがね。
なお、本編は、これもお話ししているように、現在自転車操業状態です。というか、自転車走ってませんよ、既に。飛鳥も頑張りたいのですが、ちょいとここで丁寧に事実を上げていきたいので、気長にお待ち下さい。
ゆっこさま、確かに痛かったですよ~。かつては毎日拳がこんなだったんですが、やはり年取ったら無理は禁物ですねえ。
痛みは、生きてる証拠、ですね。人の痛みも、まだなんとなくわかるので、かろうじて人間ではあるのかなと思うことも。
また、連絡します。では。
Posted by 飛鳥エイジ at
20:03
│Comments(0)
2007年09月24日
やべえやべえ……
いやマジ寝坊してしもた。今朝は飯ぬき出勤だわ。もう待ったなしな連中が待ってるモンで……。

腹減ってるのに食い物画像。これも、いずれちょいと大きな意味をもつ画像でして。ちなみに、これを受け取ったのはココ。
地図はこちら
んでは行ってきます。
腹減ってるのに食い物画像。これも、いずれちょいと大きな意味をもつ画像でして。ちなみに、これを受け取ったのはココ。
んでは行ってきます。
Posted by 飛鳥エイジ at
05:38
│Comments(0)
2007年09月23日
さて、またいろいろ返事を
コメント返しなんだけど、正直疲れてますね。ま、仕事で疲れてるってのもあるんですが。
まずは、愛さま。誠にもうしわけございません。美味しゅうございました☆あまり詳細に語るとまたダイエッターを苦しめてしまうのでこのへんで。でも、あまり無理しないように☆またおじゃましますね。
すずらんさま。アドバイスありがとうございます。怒りを持続させるのは疲れますね……。本当に、気をつけます。それと、「まず聞いてほしい」というのは、確かに飛鳥の願いでもあります。最後まで事実を追ってほしいのですね。その過程でも結果でも、できれば飛鳥の「先」が見えてくればと思うわけです。
通りすがり様。とりあえず話はわかりました。と、お願いなのですが、すずらん様やゆっこ様のコメントは、飛鳥よりむしろあなた向けのご意見かと思いますので、よく読んでみて下さい。
「趣旨」といいますが、それは本編最初の記事をご覧下さい。そして、最後まで読んで下さい。
ただ、一つ聞きたいのですが、飛鳥の行為の落ち度をあげつらっていますが、T田という男の行動については、いかが思いますかね?これから、M県教育委員会、N津川、その他大勢の「悪党」が登場してきます。その時、あなたは何を思います?
なにより、あなたが同じ目に遭ったとして、おとなしくしていられると?飛鳥のような目に遭った人間は、おそらくこの国にレアです。というか、レアでなかったら、警察と検察は存在してはならない悪の組織になってしまいますよ。
そういうわけで、一度「T田」についても詳しくコメントして下さい。己の都合、欲望、好き嫌いで学校を運営し、子供の思いを踏みにじる極悪人、T田校長について、どう思います?
飛鳥の記事には「証拠」も沢山あります。なればこそ、こうして自信をもって語るのです。ヤツには、反論など出来ません。出来するとすれば、こそこそと己を隠して、飛鳥の語りを邪魔することくらいでしょう。そんな矮小な男についてどう感じるか、ぜひお聞かせ下さい。
ゆっこさま、ありがとうございます。
そうですね……M県の人々は大勢飛鳥の事件報道をみているでしょうね。そして、当時それを見た方は、みなゆっこさまと同じ感想だったと思います。それだけに、報道とは恐ろしいものなのです。
そして、一個人が「それは違うのだ!」と訴えることの難しさ……。マスゴミどもは、実名も顔写真も実家も何もかも出し放題で、飛鳥がわずかでも個人が特定できそうな記事を書くと、削除の危機です。
全く、世の中はどこに「真実」を訴えればよいのでしょう……。だから……怒りもわいてくるわけです。
道は、自分でひらくしかないのでしょうね。
> 飛鳥さんの人生を自分が飛鳥さんの傍にいて変えてみせる、復讐の事は忘れて新しい人生を共に歩いていこう、命なら、私がまた作ってみせる!というほどの決意がある人以外は「復讐を忘れて違う生き方をしてほしい」という言葉は言うべきじゃないです。自分ができもしないことを言わないでいただきたいと思います。
すいません、とても、嬉しいですね。飛鳥にとって、新しい人生を前向きに生きていくということは、恐ろしく困難で厳しいものです。それを、軽々しく口にしてほしくないというのは、正直ありますね。だから、なにか大切な部分を代弁していただいたようで、本当に感謝します。
今夜も、独りの食事を終えました。拘置所を出てから、北の地に修行に向かってより2年半。その殆どを、孤独に過ごしました。生きている息子に会えない寂しさ。年老いていく両親を世話できない辛さ。友も知り合いさえも皆無な土地で、未来もなくたった一人生きる虚しさ。想像力のない人間には、そんな飛鳥の怒りを、理解できないのでしょう。
独り
全てを、独りで。きっと、ずっと、このまま死ぬまで?
ふう……それでも、いいですけどね。
だての皆さん、きっと、あなた方も飛鳥事件の報道、みてますよ。全国版でワイドショーにさえなりましたから。そして、警察の追加発表があったとたん、何事も無かったかのように終息。しかし、一時奴らが言いたい放題したことだけが、皆さんの中に残ったのではないですか?
だから、「その後何があったのか」を、飛鳥はいずれ語ります。そして、そこに至るまでなにがあったのかを、今語っています。
恐ろしいことです……。
さて、明日も独り、朝4時に目覚めて仕事へ行きます。もちろん、自分で朝食作って。
あ、これは結婚してたときもそうだったか。
まずは、愛さま。誠にもうしわけございません。美味しゅうございました☆あまり詳細に語るとまたダイエッターを苦しめてしまうのでこのへんで。でも、あまり無理しないように☆またおじゃましますね。
すずらんさま。アドバイスありがとうございます。怒りを持続させるのは疲れますね……。本当に、気をつけます。それと、「まず聞いてほしい」というのは、確かに飛鳥の願いでもあります。最後まで事実を追ってほしいのですね。その過程でも結果でも、できれば飛鳥の「先」が見えてくればと思うわけです。
通りすがり様。とりあえず話はわかりました。と、お願いなのですが、すずらん様やゆっこ様のコメントは、飛鳥よりむしろあなた向けのご意見かと思いますので、よく読んでみて下さい。
「趣旨」といいますが、それは本編最初の記事をご覧下さい。そして、最後まで読んで下さい。
ただ、一つ聞きたいのですが、飛鳥の行為の落ち度をあげつらっていますが、T田という男の行動については、いかが思いますかね?これから、M県教育委員会、N津川、その他大勢の「悪党」が登場してきます。その時、あなたは何を思います?
なにより、あなたが同じ目に遭ったとして、おとなしくしていられると?飛鳥のような目に遭った人間は、おそらくこの国にレアです。というか、レアでなかったら、警察と検察は存在してはならない悪の組織になってしまいますよ。
そういうわけで、一度「T田」についても詳しくコメントして下さい。己の都合、欲望、好き嫌いで学校を運営し、子供の思いを踏みにじる極悪人、T田校長について、どう思います?
飛鳥の記事には「証拠」も沢山あります。なればこそ、こうして自信をもって語るのです。ヤツには、反論など出来ません。出来するとすれば、こそこそと己を隠して、飛鳥の語りを邪魔することくらいでしょう。そんな矮小な男についてどう感じるか、ぜひお聞かせ下さい。
ゆっこさま、ありがとうございます。
そうですね……M県の人々は大勢飛鳥の事件報道をみているでしょうね。そして、当時それを見た方は、みなゆっこさまと同じ感想だったと思います。それだけに、報道とは恐ろしいものなのです。
そして、一個人が「それは違うのだ!」と訴えることの難しさ……。マスゴミどもは、実名も顔写真も実家も何もかも出し放題で、飛鳥がわずかでも個人が特定できそうな記事を書くと、削除の危機です。
全く、世の中はどこに「真実」を訴えればよいのでしょう……。だから……怒りもわいてくるわけです。
道は、自分でひらくしかないのでしょうね。
> 飛鳥さんの人生を自分が飛鳥さんの傍にいて変えてみせる、復讐の事は忘れて新しい人生を共に歩いていこう、命なら、私がまた作ってみせる!というほどの決意がある人以外は「復讐を忘れて違う生き方をしてほしい」という言葉は言うべきじゃないです。自分ができもしないことを言わないでいただきたいと思います。
すいません、とても、嬉しいですね。飛鳥にとって、新しい人生を前向きに生きていくということは、恐ろしく困難で厳しいものです。それを、軽々しく口にしてほしくないというのは、正直ありますね。だから、なにか大切な部分を代弁していただいたようで、本当に感謝します。
今夜も、独りの食事を終えました。拘置所を出てから、北の地に修行に向かってより2年半。その殆どを、孤独に過ごしました。生きている息子に会えない寂しさ。年老いていく両親を世話できない辛さ。友も知り合いさえも皆無な土地で、未来もなくたった一人生きる虚しさ。想像力のない人間には、そんな飛鳥の怒りを、理解できないのでしょう。
独り
全てを、独りで。きっと、ずっと、このまま死ぬまで?
ふう……それでも、いいですけどね。
だての皆さん、きっと、あなた方も飛鳥事件の報道、みてますよ。全国版でワイドショーにさえなりましたから。そして、警察の追加発表があったとたん、何事も無かったかのように終息。しかし、一時奴らが言いたい放題したことだけが、皆さんの中に残ったのではないですか?
だから、「その後何があったのか」を、飛鳥はいずれ語ります。そして、そこに至るまでなにがあったのかを、今語っています。
恐ろしいことです……。
さて、明日も独り、朝4時に目覚めて仕事へ行きます。もちろん、自分で朝食作って。
あ、これは結婚してたときもそうだったか。
Posted by 飛鳥エイジ at
20:41
│Comments(8)
2007年09月23日
いてえよー!
と叫んで有名なのはハート様。
いや、さっきの記事の写真ね、
飛鳥の右手が写ってますが、擦過傷……すり傷がありますね。
これが、先日岩を相手に遊んだときの傷です。インパクトポイントは正確で、まださほど腕自体は鈍っていないのですが、いかんせん皮の厚さと回復力は、年相応に弱ってまして。
まだ治らんのですよ。で、なんでタイトルが「いてえよー!」なのかというと。
こういう擦過傷に、直接アルコールふったら、どうなりますか?
うん、そうなんですよ。で、飛鳥は、それをやらなくちゃならんもので。
食べ物を扱うので、手洗い後、アルコールスプレーを手全体にガンガン吹くわけです。それが、「いてえよー!」なわけです。いやホントに痛いんだって。まあ、ある程度の痛みは神経遮断すればどうってことないんだけど、あのビリビリ感はたまらんね。
で、いろいろいただいたコメントやらなにやらに返事したいんですけど、次の記事ででも、うん。
Posted by 飛鳥エイジ at
20:37
│Comments(1)
2007年09月23日
2-17 しらっ子祭り 前編
「あんたは、このS台小学校のためになることは何一つやってないね。」
慣れたとはいえ、T田の悪口雑言はとどまるところを知らない。まるでブレーキのぶっ壊れた暴走列車のように、俺に対する個人攻撃&人格攻撃ロードを突っ走るT田号。原子力で動いてんじゃねーか、こいつは?
「あー、えーとですね、あなたが喜んであちこちに宣伝して歩いてる『しらっ子祭り』は、私が作った行事なんですが、ご存じでしたか?」
しらっ子祭りとは、秋に行われる全校あげての子供祭りのことだ。4年生以上の子供たちが、各クラスごとに様々な企画で出し物を催し、全校児童で楽しむ一大行事である。これは、俺がS台小学校に赴任して2年目に、当時の児童会メンバーたちとゼロから創り上げたものだ。その当時の苦労など、T田が知るはずもない。
「いや、それは知りませんでした。」
おいおい、きっぱり言うところか、そこ。じゃあ聞くが、『しらっ子祭り』は学校のためになっていないお荷物行事なのか?お荷物行事をお前(T田)はせっせと宣伝しているわけか?
その後ちくちくと突っ込む俺に、T田は何一つ反論できなかった。
悪口は、よくよく考えてからでないと自分のクビを締めることになる。一つお利口になってよかったな、T田。
で、その『しらっ子祭り』が、今年も近づいてきた。各クラスが企画を出し合い、次々と準備に入っている。
当然だが、その段取りも全て俺がマニュアル化したものだ。T田はそんなことも知らずキャッキャと喜んでいるのだろう。馬鹿は気楽でいい。
6年生は「お化け屋敷」を出し物にすることが多い。まあこれも、第一回の祭りで俺のクラスが催した化け屋敷大好評だったため、なんとなく伝統になってしまったのだ。なんとこの伝統は、平成18年の祭りでも受け継がれていた。前科者教師がつくった伝統が未だ喜ばれているとは……。
今年も6年1組と3組がお化け屋敷を出すことになった。
俺は、不安だった。
これまで3回行ってきた祭りでは、第1,2回は俺が、第2,3回はK桐さんが6年生担任として当たっていた。しかし今年は、そのどちらも6年生から外れている。T麻さんは有能な方だが、他のクラスにまでガンガン口を出すタイプの人ではなかった。そうなると、1,3組は独力でお化け屋敷を作らなければならない。
ズバリ言ってしまえば、「お化け屋敷」はハンパな覚悟で出来るものではない!「テキトーでいいよ。」のY田さんや、空回りのT子さんでは、まず後輩たちに楽しんでもらえるお化け屋敷を作り上げることは極めて困難と言わざるを得ない……。
本番まで一週間。
俺は6年生教室を、放課後にそっと覗いてみた。そこで不安は的中した。
一緒についてきていたマリカたちに聞いてみた。
「なあマリカ、お化け屋敷作る段ボールって、これで全部か?」
「はい!一生懸命集めました!」
教室外のオープンスペース一角に、山と積まれた段ボール。確かにこれだけ見たら「なんていっぱい!」と思うのが普通だろうが……。
「ごめんなマリカ、この3倍は必要。」
「えっ!!」
マリカが、その大きな目をますます大きく見開いて俺を見つめる。やっぱり、そうだった。Y田さんはおそらくお化け屋敷など作った経験などないのだろう。どんぶり勘定で「これだけあれば十分」と思ったに違いない。事前に子供たちに実行委員会を作らせ、そのメンバーで徹底的に設計図を検討しあえば、こんな悲惨なことになるはずはないのだが。
「3倍……ですか?」
アイナ、ユナ、マリカの3人は、みな俺の言葉が信じられないと言う様子で立ちつくす。
「なあお前たち、これ集めたのって、1組の一部のメンバーだな?」
「はい、そうです。」
「マリさんとか、男子のがんばるメンバー5,6人くらいで集めたんだよ。」
「やっぱりな……。全員が必死にならなきゃ話にならんな。去年のお前たちを思い出せ。」
「あ……!」
3人は顔を見合わせて、何か気づいた様子だ。
そう、ちょうど1年前、5年1組として祭りに向かっていたあの頃。あの時は一人一人がどれだけ全力で準備に取りかかっていたか。そして、祭りの後どれだけの充実感を味わえたか。
今年の6年1組は、「一丸」ではない。「一部」が必死になっているだけで、クラス全体からは熱気など微塵も感じられないのだ。
「わかったな?お前たちだけがいくら頑張っても祭りは成功しない。仲間を増やせ。一緒に燃えてくれる仲間を一人でも多くするんだ。明日中にそれをやり、明日中に動き出せ。お前たちならできるだろ?」
3人は、じっと黙ったまま俺の話を聞いていた。
その後、俺は3組のオープンスペースに足を踏み入れた。
3組の段ボールは、1組のさらに半分にも満たなかった。
次の日、3人は早速クラスで声を上げた。
「もっと段ボール集めないとお化け屋敷できないよ!」
「今日の放課後、みんなで集めて学校に持ってきて!」
アイナ、ユナ、マリカはみなに呼びかけた。6年1組は、「サッカー軍団」と呼ばれる、少年サッカークラブに入っていた男子たちと、将来イケイケ決定の女子数人がちゃらんぽらんな以外は、きっかけさえあればいくらでも力を発揮できるメンバーがそろっていた。
放課後、1組のオープンスペースに、続々と段ボールが集まり始めた。さすがである。
だが、まだまだ足りない。
そんなとき、俺がTTで所属していた4年生のK子先生から、畳ほどの大きさの一枚段ボールが大量に手に入るつてを教えてもらった。段ボール箱を作る小さな工場だが、毎日必ず何枚かの廃棄品が出るというのだ。早速問い合わせてみると、運良くかなりの数の段ボールが、廃棄品として余っているという。その日の家に俺はその工場を訪れ、無償で数十枚の巨大段ボールを譲ってもらった。子供たちの活動に使う旨を説明すると、その業者さんは「全部持って行って!」と快く貴重な段ボールを渡してくれたのだ。ありがたい話である。
翌朝、俺は大量の段ボールを車に積んで出勤した。いつもより30分早く。
学校で待っていてくれたのは、アイナとマリカだ。二人は、巨大な段ボールの束を次々と校舎に運び込んでくれた。
「すごいよ飛T!こんなにどうやって手に入れたの!?」
本来なら、俺はこんな手助けをするつもりはなかった。しらっ子祭りはあくまでも子供たちの祭りだ。100%子供たち自身の手で作り上げるのが筋である。しかし、今年は担任教師があまりにも放任で、最後の祭りが思い出にもなんにもならなくなってしまう。それは、あまりにも気の毒過ぎる……。
それに、段ボールを運ぶ二人の笑顔と汗に、俺は自分の行動が間違っていないと確信できた。この子たちは、本当に自分たちの手で祭りを作ろうとしている。教師として、その思いに全力で報いてやらなくてはならない。

100枚近い畳大の段ボール。これを窓に貼り、遮光用に使えば、今集まっている1組の段ボール量でもなんとか間に合うかもしれない。本番まであと5日。ようやく材料面ではめどがつきつつあったが、まだ大きな問題が残されていた。
「で、設計図は誰が作ってるんだ?」
俺の問いに、3人はまた、はっとしている。やはりそうだ。設計図すらまだ仕上がっていない。いや、仕上がっていないどころか、設計図自体ないままお化け屋敷を作ろうとしていたのかもしれない。一体どんな計画で6-1のお化け屋敷はスタートしたのだろうか……。
前にも述べたが、子供の自主性を大切にするとは、ほったらかしにすることではないのだ。
かつての俺の上司に、S原K一郎という方がいる。この校長の言葉を、俺は今でも大切に心に刻み、生きている。
「子供の自主性は、指導によって育つ。」
子供たちがいかに自主性を発揮しながら、大きな目標をクリアしていけるかが学校行事の最大の意義だ。行事はレクリエーションではない。教育活動なのだから。
そのために教師は、子供の何倍も、何十倍も心を砕き、駆けずり這い回らなければならない。それが教師として給料を得る者の責任ではないか。タバコふかして、コーヒー飲んでる間に子供が成長するのなら、教師という職業はこの世に必要ない。
一応、設計担当メンバーはいるということだった。
「で、どうする?」
この問いが、自主性を育てる一言だ。3人は、各々考えを出し合う。
「本番まであと5日しかないでしょ。だったらウチらで今、作った方がよくない?」
「それがいいかも!明日始めないともう間に合わないし。」
「まって、それじゃ設計メンバーはどうなるの?それに、私たちが勝手に作った設計図なんて、サッカー軍団やYTが認めるわけないじゃん。」
「それじゃ、どうするの?」
「んっと、ウチらで設計係に今夜電話しない?明日までに必ず作ってきてくれって。」
「あ!それもいいかも。あとさ、明日早く来てもらうように頼もうよ。」
「え、なんで。」
「だって、実際にお化け屋敷にする教室見ながらじゃないと、完全な設計図なんて無理でしょ?」
「あ、そうか。じゃあさ、ウチらも早くこようよ!飛Tも来てくれるよね?」
「俺は毎日早い。」
こんな感じで、俺が口を出さずとも、6年生の女の子たちは自分たちの力でいろいろ思いつき、行動していく。教師の仕事は、子どもをここまで導くことなのだ。子ども自身に火がつけば、教師の出番はみるみる少なくなっていく。
こうなれば1組にもう心配はない。不安があるとすれば、Y田さんが十分な活動時間をとってくれないかもしれないことくらいだ。
あとは、3組。
予想通り、このままではお化け屋敷なのか出来損ない仮装博物館なのかわからないアトラクションになってしまう。T子さんには、「発想」と「経験」が決定的に欠けていた。それでも子どもたちとともに必死で動こうという気迫があればなんとかなるものなのだが、彼女にはそんな気合いも足りなかった。
できるなら俺も、同僚の批判などしたくない。だが、やる気のあるメンバーがきちんとありながら、てんでバラバラにブラウン運動するだけの3組を見ていると、担任であるT子さんの力量不足を指摘せざるを得ない。俺はこっそり、確保した段ボールを3組にも供給することにした。また、あくまでもアドバイスを求められたとき限定で、直接的な技術指導も行うことになった。
一部の有能な者が組織全体を支えるという現実は、社会においてはごく当たり前のことであるが、小学校までそんなことでは、教育機関としての存在意義も失われる。だが、この時S台小学校6年生は、まさにその状態に陥ろうとしていた。
祭りは、どうなってしまうのだろうか……。
2-18 しらっ子祭り 怠け教師&ダメ校長に何が出来るか 後編 に続く
慣れたとはいえ、T田の悪口雑言はとどまるところを知らない。まるでブレーキのぶっ壊れた暴走列車のように、俺に対する個人攻撃&人格攻撃ロードを突っ走るT田号。原子力で動いてんじゃねーか、こいつは?
「あー、えーとですね、あなたが喜んであちこちに宣伝して歩いてる『しらっ子祭り』は、私が作った行事なんですが、ご存じでしたか?」
しらっ子祭りとは、秋に行われる全校あげての子供祭りのことだ。4年生以上の子供たちが、各クラスごとに様々な企画で出し物を催し、全校児童で楽しむ一大行事である。これは、俺がS台小学校に赴任して2年目に、当時の児童会メンバーたちとゼロから創り上げたものだ。その当時の苦労など、T田が知るはずもない。
「いや、それは知りませんでした。」
おいおい、きっぱり言うところか、そこ。じゃあ聞くが、『しらっ子祭り』は学校のためになっていないお荷物行事なのか?お荷物行事をお前(T田)はせっせと宣伝しているわけか?
その後ちくちくと突っ込む俺に、T田は何一つ反論できなかった。
悪口は、よくよく考えてからでないと自分のクビを締めることになる。一つお利口になってよかったな、T田。
で、その『しらっ子祭り』が、今年も近づいてきた。各クラスが企画を出し合い、次々と準備に入っている。
当然だが、その段取りも全て俺がマニュアル化したものだ。T田はそんなことも知らずキャッキャと喜んでいるのだろう。馬鹿は気楽でいい。
6年生は「お化け屋敷」を出し物にすることが多い。まあこれも、第一回の祭りで俺のクラスが催した化け屋敷大好評だったため、なんとなく伝統になってしまったのだ。なんとこの伝統は、平成18年の祭りでも受け継がれていた。前科者教師がつくった伝統が未だ喜ばれているとは……。
今年も6年1組と3組がお化け屋敷を出すことになった。
俺は、不安だった。
これまで3回行ってきた祭りでは、第1,2回は俺が、第2,3回はK桐さんが6年生担任として当たっていた。しかし今年は、そのどちらも6年生から外れている。T麻さんは有能な方だが、他のクラスにまでガンガン口を出すタイプの人ではなかった。そうなると、1,3組は独力でお化け屋敷を作らなければならない。
ズバリ言ってしまえば、「お化け屋敷」はハンパな覚悟で出来るものではない!「テキトーでいいよ。」のY田さんや、空回りのT子さんでは、まず後輩たちに楽しんでもらえるお化け屋敷を作り上げることは極めて困難と言わざるを得ない……。
本番まで一週間。
俺は6年生教室を、放課後にそっと覗いてみた。そこで不安は的中した。
一緒についてきていたマリカたちに聞いてみた。
「なあマリカ、お化け屋敷作る段ボールって、これで全部か?」
「はい!一生懸命集めました!」
教室外のオープンスペース一角に、山と積まれた段ボール。確かにこれだけ見たら「なんていっぱい!」と思うのが普通だろうが……。
「ごめんなマリカ、この3倍は必要。」
「えっ!!」
マリカが、その大きな目をますます大きく見開いて俺を見つめる。やっぱり、そうだった。Y田さんはおそらくお化け屋敷など作った経験などないのだろう。どんぶり勘定で「これだけあれば十分」と思ったに違いない。事前に子供たちに実行委員会を作らせ、そのメンバーで徹底的に設計図を検討しあえば、こんな悲惨なことになるはずはないのだが。
「3倍……ですか?」
アイナ、ユナ、マリカの3人は、みな俺の言葉が信じられないと言う様子で立ちつくす。
「なあお前たち、これ集めたのって、1組の一部のメンバーだな?」
「はい、そうです。」
「マリさんとか、男子のがんばるメンバー5,6人くらいで集めたんだよ。」
「やっぱりな……。全員が必死にならなきゃ話にならんな。去年のお前たちを思い出せ。」
「あ……!」
3人は顔を見合わせて、何か気づいた様子だ。
そう、ちょうど1年前、5年1組として祭りに向かっていたあの頃。あの時は一人一人がどれだけ全力で準備に取りかかっていたか。そして、祭りの後どれだけの充実感を味わえたか。
今年の6年1組は、「一丸」ではない。「一部」が必死になっているだけで、クラス全体からは熱気など微塵も感じられないのだ。
「わかったな?お前たちだけがいくら頑張っても祭りは成功しない。仲間を増やせ。一緒に燃えてくれる仲間を一人でも多くするんだ。明日中にそれをやり、明日中に動き出せ。お前たちならできるだろ?」
3人は、じっと黙ったまま俺の話を聞いていた。
その後、俺は3組のオープンスペースに足を踏み入れた。
3組の段ボールは、1組のさらに半分にも満たなかった。
次の日、3人は早速クラスで声を上げた。
「もっと段ボール集めないとお化け屋敷できないよ!」
「今日の放課後、みんなで集めて学校に持ってきて!」
アイナ、ユナ、マリカはみなに呼びかけた。6年1組は、「サッカー軍団」と呼ばれる、少年サッカークラブに入っていた男子たちと、将来イケイケ決定の女子数人がちゃらんぽらんな以外は、きっかけさえあればいくらでも力を発揮できるメンバーがそろっていた。
放課後、1組のオープンスペースに、続々と段ボールが集まり始めた。さすがである。
だが、まだまだ足りない。
そんなとき、俺がTTで所属していた4年生のK子先生から、畳ほどの大きさの一枚段ボールが大量に手に入るつてを教えてもらった。段ボール箱を作る小さな工場だが、毎日必ず何枚かの廃棄品が出るというのだ。早速問い合わせてみると、運良くかなりの数の段ボールが、廃棄品として余っているという。その日の家に俺はその工場を訪れ、無償で数十枚の巨大段ボールを譲ってもらった。子供たちの活動に使う旨を説明すると、その業者さんは「全部持って行って!」と快く貴重な段ボールを渡してくれたのだ。ありがたい話である。
翌朝、俺は大量の段ボールを車に積んで出勤した。いつもより30分早く。
学校で待っていてくれたのは、アイナとマリカだ。二人は、巨大な段ボールの束を次々と校舎に運び込んでくれた。
「すごいよ飛T!こんなにどうやって手に入れたの!?」
本来なら、俺はこんな手助けをするつもりはなかった。しらっ子祭りはあくまでも子供たちの祭りだ。100%子供たち自身の手で作り上げるのが筋である。しかし、今年は担任教師があまりにも放任で、最後の祭りが思い出にもなんにもならなくなってしまう。それは、あまりにも気の毒過ぎる……。
それに、段ボールを運ぶ二人の笑顔と汗に、俺は自分の行動が間違っていないと確信できた。この子たちは、本当に自分たちの手で祭りを作ろうとしている。教師として、その思いに全力で報いてやらなくてはならない。
100枚近い畳大の段ボール。これを窓に貼り、遮光用に使えば、今集まっている1組の段ボール量でもなんとか間に合うかもしれない。本番まであと5日。ようやく材料面ではめどがつきつつあったが、まだ大きな問題が残されていた。
「で、設計図は誰が作ってるんだ?」
俺の問いに、3人はまた、はっとしている。やはりそうだ。設計図すらまだ仕上がっていない。いや、仕上がっていないどころか、設計図自体ないままお化け屋敷を作ろうとしていたのかもしれない。一体どんな計画で6-1のお化け屋敷はスタートしたのだろうか……。
前にも述べたが、子供の自主性を大切にするとは、ほったらかしにすることではないのだ。
かつての俺の上司に、S原K一郎という方がいる。この校長の言葉を、俺は今でも大切に心に刻み、生きている。
「子供の自主性は、指導によって育つ。」
子供たちがいかに自主性を発揮しながら、大きな目標をクリアしていけるかが学校行事の最大の意義だ。行事はレクリエーションではない。教育活動なのだから。
そのために教師は、子供の何倍も、何十倍も心を砕き、駆けずり這い回らなければならない。それが教師として給料を得る者の責任ではないか。タバコふかして、コーヒー飲んでる間に子供が成長するのなら、教師という職業はこの世に必要ない。
一応、設計担当メンバーはいるということだった。
「で、どうする?」
この問いが、自主性を育てる一言だ。3人は、各々考えを出し合う。
「本番まであと5日しかないでしょ。だったらウチらで今、作った方がよくない?」
「それがいいかも!明日始めないともう間に合わないし。」
「まって、それじゃ設計メンバーはどうなるの?それに、私たちが勝手に作った設計図なんて、サッカー軍団やYTが認めるわけないじゃん。」
「それじゃ、どうするの?」
「んっと、ウチらで設計係に今夜電話しない?明日までに必ず作ってきてくれって。」
「あ!それもいいかも。あとさ、明日早く来てもらうように頼もうよ。」
「え、なんで。」
「だって、実際にお化け屋敷にする教室見ながらじゃないと、完全な設計図なんて無理でしょ?」
「あ、そうか。じゃあさ、ウチらも早くこようよ!飛Tも来てくれるよね?」
「俺は毎日早い。」
こんな感じで、俺が口を出さずとも、6年生の女の子たちは自分たちの力でいろいろ思いつき、行動していく。教師の仕事は、子どもをここまで導くことなのだ。子ども自身に火がつけば、教師の出番はみるみる少なくなっていく。
こうなれば1組にもう心配はない。不安があるとすれば、Y田さんが十分な活動時間をとってくれないかもしれないことくらいだ。
あとは、3組。
予想通り、このままではお化け屋敷なのか出来損ない仮装博物館なのかわからないアトラクションになってしまう。T子さんには、「発想」と「経験」が決定的に欠けていた。それでも子どもたちとともに必死で動こうという気迫があればなんとかなるものなのだが、彼女にはそんな気合いも足りなかった。
できるなら俺も、同僚の批判などしたくない。だが、やる気のあるメンバーがきちんとありながら、てんでバラバラにブラウン運動するだけの3組を見ていると、担任であるT子さんの力量不足を指摘せざるを得ない。俺はこっそり、確保した段ボールを3組にも供給することにした。また、あくまでもアドバイスを求められたとき限定で、直接的な技術指導も行うことになった。
一部の有能な者が組織全体を支えるという現実は、社会においてはごく当たり前のことであるが、小学校までそんなことでは、教育機関としての存在意義も失われる。だが、この時S台小学校6年生は、まさにその状態に陥ろうとしていた。
祭りは、どうなってしまうのだろうか……。
2-18 しらっ子祭り 怠け教師&ダメ校長に何が出来るか 後編 に続く
Posted by 飛鳥エイジ at
04:30
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