皆さんから頂いたメールの紹介や質問内容に関してのお返事をご紹介します。ご紹介に際しては、本人からの要望がない限り、必ず氏名、E-mailAdress等は非公開と致します。また、 メールを送っていただいても、必ず掲載するわけではありません。またEメールで添付された資料は、発信人が特定できたもの以外は開きません。ウイルス対策のためです。御了承ください。 |
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タイトル 掲載日 | 届 い た メ ー ル と お 返 事 ( コ メ ン ト) |
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自衛隊のルワンダPKO派遣で持っていった機関銃は1丁です。(7月8日) |
届いたメール 神浦さんのご活躍に頭が下がるばかりです。 ところで、 7 月 7 日の「メールにお返事」で紹介されているルワンダ難民支援のとき陸上自衛隊が持っていった機関銃( 62 式 7.62 ミリ機関銃)は 1 丁です。当時は村山政権(自民党・社会党・さきがけの連立政権)の時代で、政府筋には「持っていくこと自体に反対する」意見があり、「 2 丁持っていきたい」とする防衛庁(当時)と、 国会での論争をふまえて1丁となったのです。 カンボジア PKOの際には同種の装甲車が送られましたが、ご案内のとおり、機関銃は外されていました。機関銃を持っていくとなると、当然、装甲車に備え付けることになりますので、ルワンダへの自衛隊の派遣について「日本が戦後初、武装した装甲車を海外へ派遣」「持っていくのは小型武器との印象を与えようと、 12.7 ミリでなく、 6.72 ミリにした」などと、マスコミでも取り上げられた経緯もあります。 「ルワンダ難民支援」( 1994 年 9 月〜 12 月)は、 PKO 協力法に基づく派遣ではありましたが、PKO (国連平和維持活動)とは異なり、 UNHCR (国連難民高等弁務官事務所)などからの要請によるものであり、その範囲内での自主的活動でした。したがって、 PKO とは関係のない国際救援活動でしたので、民間要員を中心とした援助隊でよかったはずなのに、自衛隊の「自己完結性」が強調されて、国際緊急医療チーム( JMTDR ) からの「協力しましょう」という申し出を断って、自衛隊のみの派遣となりました。 さらに、この派遣のための調査団が「調査団一行の近くで銃撃があるなど、 ザイール東部地区の治安は悪化しつつある」と報告していたし、米国防総省が「自衛隊の拠点となるザイールのゴマ周辺の旧政府軍の武装解除が進まず、いつ暴発して不測の事態が起きるかもしれない」として日本政府に対し、「自衛隊の現地入りはやめたがいい」との警告をはね返しての派遣でした。(この辺の経緯は、 拙著『 21 世紀へ自衛隊分割論』― 1997 年 8 月発行―の中でふれています)。 当時は、国際救援活動のために自衛隊の能力をまっとうに活用するというより、現地の危険を度外視しての政治的派遣であったと断ぜざるをえません。 今回の自衛隊のスーダン派遣は、ご指摘のように施設部隊の派遣につながる可能性があり、だとすれば、 PKO法の改正( 2001 年 12 月)による PKO 本体業務(武装解除の監視、緩衝地帯での駐留・巡回、検問、放棄武器の処分などの業務)の凍結解除を受けて、自衛隊がより危険な業務に携わるきっかけになりかねません。 自衛隊のスーダン PKO への参加については、政府の慎重にも慎重な対応が求められますが、国際救援活動への自衛隊の参加のありようについての本格的論議も含めて、国会内外でもう少し議論があってしかるべきだと思います。 |
コメント 段々と当時のことを思い出してきました。自衛隊のルワンダ派遣は軍事オンチの外務省が強要したもので、軍事常識とはほど遠いものがありました。機関銃1丁ですべての脅威に対応できると信じていたのでしょう。 昨日、ネットでルワンダ派遣を調べていましたら、当時の派遣隊長が何かに手記を書いているようです。ちょっと関心が高まってきました。もう14年も昔になるのですね。 |
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日本の迷走PKO戦略について。(7月7日) |
届いたメール 拝啓 神浦元彰さん いつも楽しくHPを拝見しております。私はOBの元陸自隊員です。 7月1日のWhat New「迷走PKO戦略について」で思うことがありメールさせていただきました。 まず、モザンビークPKOの活動で45人と書かれていますが、それはゴラン高原派遣輸送隊です。モザンビーク派遣輸送調整中隊は48人編成でした。と、いうことで私の友人も参加した経験者の一人です。 ところで、次にルワンダは大変だったがモザンビークは云々という文章ですが、銃声や略奪の恐怖が・・・ですか。 詳しい話は守秘義務があるので省きますが(笑)当時の友人の感想では「機関銃2丁と指揮通信車に警備部隊までいるなんて羨ましい」だったそうです。モザンビークPKOは自衛隊内でも秘扱いなので、友人達が体験した事はひっそりと消えゆくのでしょうね。 最後に、スーダンへの司令部要員派遣が将来の部隊派遣への布石になるという考えについてです。 経済力は無いが国力を誇示する、もしくは国際社会の一員であることを示す為に、軍人をPKO要員として派遣する国をたくさん見たそうです。友人の話では、数で勝負の部隊は、装備や処遇面で実に悲惨な状態だった。日本で良かったなぁと話していました。でも、最近の政府や外務省を見ていると、近い将来、自衛隊がその様に使われるのではないかと恐ろしくなります。 私個人はいつでも何処にでも行く気はありました。ですが、出来れば国民の賛意と、日本の国益に適った、そして派遣先国の助けになる様な仕事がしたいと思っていました。 ※このメールには個人を特定できる部分がありましたので、一部の表現を変えました。しかし頂いたメールの趣旨は変わっていないと思います。 |
コメント すいません。※でも書きましたが、あなたの友人を特定できる部分がありましたので、ちょっと書き直しました。私の友人の自衛官(情報関係)から「メールや情報を掲載する時は、個人として特定できないようにして欲しい」と言われています。仕事柄、いろいろあるのでしょう。 手元の「防衛ハンドブック」(平成20年版)で確認しましたら、確かにモザンビーク派遣隊は48名でした。さっそく訂正しておきます。そして主要装備を見ると、モザンビークでは、拳銃41丁、64式小銃7丁、4輪駆動車等になっていました。恐ろしいほど貧弱な武装ですね。翌年のルワンダ派遣部隊は拳銃76丁、64式小銃163丁、62式機関銃1丁(※)と、82式指揮通信車1両が出ています。相当にモザンビークのことが影響したのではありませんか。 私はモザンビーク派遣は人数が少なかったので、直接、帰国した隊員から現地の話し(状況)を聞いていません。でもルワンダの隊員からは話しを聞きました。だからルワンダの印象が強く残っているのだと思います。 それから私もアフリカなどの国から、国連から支給される「PKO経費(要員の人件費を含む)」目当てに、危険地帯に派遣されたPKO隊員を見たことがあります。むろん国連から支給される経費は派遣国の政治家が受け取り、現地に派遣されるPKO隊員にはわずかな額しか支払われていませんでした。彼らは可哀相なぐらい怯えて勤務していました。(例えば、南部レバノン地区)。 自衛隊の海外派遣については、そろそろ今までの体験や歴史をまとめる時期にきていますね。あなたが思っている様に、自衛隊の海外派遣が国民の理解と支持が得られ、派遣先の国の役に立つためにです。 ※ルワンダ派遣の時に、62式機関銃を1丁にするか、故障に備えて2丁にするか、当時の国会でいろいろ議論された記憶があるのですが、「防衛ハンドブック」には1丁と記述されています。この部分について、これから調べますので、よろしく。 |
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移動式のX線検査装置が必要と思います。(7月4日) |
届いたメール 神浦さん はじめまして 00といいます。 仕事の傍ら防衛問題を研究しております。 いつも神浦さんの意見の鋭さには感心させられます。
7/3のTBSラジオでの意見は本当にそうだと思います。
今回のサミットでの警戒はかなりのものだと思いますが、もうひとつ的を得てないような気がしており、移動式のX線装置を使用して抜き打ち的に検査するほうがいいとおもいました。
J-ウイングでも拝読させていただいております。
サミットが無事に開催されることを祈って筆をおきます。
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コメント そうですか。昨日のTBSラジオを聴きましたか。午後3時30分からの荒川さんの番組「Dキャッチ」ですね。私へのテーマは「これでいいのかサミット警備」でした。 ラジオを聴いていなかった人のために説明すると、 会場になる洞爺湖周辺の警備は、厳重に幾重にも周囲や上空を固めるのでテロは起きにくいと思う。しかし3年前に行われたイギリスでのサミットでは、7月7日に首都ロンドンの地下鉄(3か所)で同時・爆破テロが起きた。だから今回も東京や札幌などの都市圏でも厳戒態勢がとられている。(4か所目の2階建てバスの爆破は、乗客の犯人が不審そうに荷物を点検しているときに起きたという目撃情報がある) 東京の駅のホームや地下街に警官が配置され、道路では各所で検問が行われている。しかし万全かというとそうでもない。ロンドンの地下鉄爆破テロでは52人が死亡したが、犯人4人が自爆したか疑わしい。私は、あれは「自爆テロ」ではなく、「自爆させられテロ」だと思っている。 なぜそのように思うかと言えば、駅の防犯カメラが撮った自爆犯人の表情が明るく笑っていたからだ。まるで登山でもいくような姿で、ニコニコ笑いながら話している2人の姿が映っていた。 ロンドン警視庁が地下鉄爆破テロ事件後に自爆テロ犯の特徴を市民に知らせました。それによれば自爆テロ犯は、@コーランなどを小声でつぶやいている。A体に着けた爆弾を隠すために厚めのコートを着たり、雰囲気の似合わない荷物を持っている。B青ざめた顔をしている。の3点です。すなわちニコニコ笑っている表情は自爆犯の特徴ではないのです。ロンドンの地下鉄爆破テロは、爆弾が仕掛けられたバッグを背負い、何も知らない犯人のそばでタイマー仕掛の爆弾が爆発した。と、私は推測しています。だから「自爆させられテロ」というわけです。 これを日本の新幹線にあてはめると、まず東京でアルバイトを雇います。このアルバイトに新幹線で京都まで行って”壊れやすい荷物”を手渡しで運ぶように頼みます。そして新幹線の切符と”壊れやすい荷物”(爆発物)を渡します。切符は先頭車両が狙われると思います。アルバイト数人を各新幹線に乗せればタイマー起爆の同時爆破テロができます。 さらにイラクなどで使われている仕掛爆弾(IED)のように携帯電話を起爆に使うと、新幹線が見渡せる山頂などから、上りと下りの車両がすれ違う瞬間(直前)に携帯電話で爆破すれば、被害を2倍にすることができるというわけです。 しかし今の首都圏の警備を見ていると、この「自爆させられテロ」に対する対処が取られていないように感じました。そこで空港の様に常時すべてとはいいませんが、移動式のX線検査装置を使い、プロ野球の試合が行われる最寄り駅や、大きなお祭りがある日の路上などで、不釣り合いな荷物の検査を行うべきと話しました。 このメールの方が、「移動式のX線装置で、抜き打ち的に検査」という部分がこれです。今の警備は「何かあった時に、警察は何もしていなかった」という批判を招かないための、厳重らしい警備のような気がします。 そうそう今日(4日)の13時15分頃から、ラジオの文化放送で「日本の軍事費」の話しをします。大竹まことさんの「ゴールデンラジオ」のコーナーで、「大人の言いたい放題」です。放送は関東エリアだと思いますが、インターネットラジオで聴くことができるかもしれません。もし、興味があればダイヤルを合わせてください。内緒で教えますが、今月の「所長 ご挨拶」のコーナーを読んでおくと、ちょっと面白いかもしれません。 |
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日米共同演習の想定を記憶したUSBメモリーが紛失し陸幕がそのことを隠蔽した事件がわからない。(7月3日) |
届いたメール 神浦さん、仙台の00です。以前、アフガンの自衛隊派遣の可能性で、メールを差し上げました。どうもご無沙汰しています。でもほぼ毎日、神浦さんのHPを読んで勉強しています。 今日は質問です。お願いします。 数日前から、毎日新聞が盛んに報じていましたが、昨年2月に日米共同演習の図上演習で想定データを記憶したUSBメモリーが紛失(盗難)したそうです。陸自の中方総監部の調査隊の隊員(一曹)が机の上に置いていたUSBが、金銭とともに盗難にあい、紛失したと記事に書いてありました。 犯人は同隊の1尉で、すぐに警務隊の捜査で判明したそうですが、すでにUSBはゴミとして捨てられ、回収できなかったそうです。そのことを陸自は防衛省内局や久間防衛大臣(当時)に報告せず、紛失した事実を隠していたということです。 そのときの中方総監は今の陸幕長の折木陸将で、折木方面総監(当時)の判断でUSB紛失を報告しなかったということです。7月1日のテレビ各局のニュースで取り上げていましたが、どうもこの事件のことがよくわかりません。 この事件では何が問題になっているのですか。USBは秘密指定がされていません。また日米合同演習の内容は秘密のかたまりで、国民には何も知らされていないものなのですか。神浦さんのわかる範囲で、言える範囲のことを教えてください。マスコミが何で騒いでいるかよくわかりません。 |
コメント その関連記事は私も読んでいます。この記事の日米共同演習とは、陸上自衛隊の方面隊規模と米陸軍第一軍団が、共同で定期的に行う図上演習「ヤマサクラ」です。図上演習ですから体育館のような場所で、あくまで図面上で敵味方の部隊を戦わせ、個々の戦闘部隊や時間を入力し、コンピューターで勝ち負けを判定して作戦を進めていきます。 2000年にこの想定内容が流出したことがあります。それはアメリカの第一軍団が「ヤマサクラ演習」に参加する予備役(士官)のために、事前に勉強さすために「想定」をネットに載せたのです。予備役とはすでに現役(軍)去り、民間で教師や不動産や弁護士などの職業につき、何かあれば軍に招集されるという人たちです。この演習の想定を神戸の人だったと思いますが、平和運動の関係者が見つけ、その内容が「赤旗」新聞に載ったことがあります。 その時の想定とは、北朝鮮軍が韓国を南進し、やがて朝鮮半島南端から北九州と山口県に上陸したというものでした。二波に分かれた北朝鮮軍は、一波が広島、島根、鳥取、岡山の線まで東上する部隊と、もう一波が阿蘇山方面に南下するという想定でした。それを日米の部隊が迎撃して壊滅させる図上演習です。 それが赤旗紙に掲載されたのですから、陸自はかなり焦ったと思います。自衛隊はそんな戦争の準備をしているのかと批判(追求)されますから。そこで陸幕は急いで米軍に抗議して、ヤマサクラの想定をネットから消去して掲載するのをやめるように求めました。直後に、この想定はネットから消えました。 その時、すでにこのHPは開設されていましたから、このHPのサイト内検索で当時に私が書いたコメントが出てくると思います。当時の私の印象としては、「ヤマサクラ」ではずいぶんとバカバカしい想定をしているということですね。北朝鮮軍が万一でも、韓国軍と在韓米軍を撃破し、さらに対馬海峡を渡って日本に上陸してくるという想定が、実にバカげていると批判した記憶があります。しかし残念ながら当時も今も、その程度の想定で、それほど進歩はしていないと思います。 今回の記事は、00年には陸自が米軍に抗議してネットでの公開を禁じておきながら、昨年の演習想定を記録したUSBメモリー紛失を、陸自はそれを隠していたと指摘しているのです。 ところで、陸自の方面隊と第一軍団が共同作戦で対処する軍事演習など、瀕死状態の北朝鮮を相手にするには大きすぎます。といって、中国軍を想定すれば、中国でビジネスを行っているアメリカの予備役に抗議されます。アメリカが北朝鮮のテロ支援国指定を解除すれば、北朝鮮軍を敵勢力に想定することもなくなるかも。 むしろ私は、なぜ昨年2月のことが、今のこの時期に騒動になったか、その点に関心を持っています。今は、次の統合幕僚長をめぐって、陸の折木幕僚長か、空の田母神幕僚長かでもめているそうです。そのことと今回の報道は関連があるような気がします。 防衛省や自衛隊に、「そんなことをやっているヒマはないだろう」と言いたい気持ちです。また、防衛省や自衛隊の悪いクセが出てきたと感じ、ちょっと呆れています。まあ、子どもの喧嘩だと無視しても結構です。 さらにここで言いたいのは、防衛機密が漏洩するたびに言うことですが、防衛秘密を「ミソもクソも一緒」にするから、情報漏洩する体質ができるという点ですね。都合の悪いことは「秘密です」という姿勢ではなく、正規に秘密指定されたものが「秘密」にしなければダメなのです。こんなことを指摘する私の意見も、一部の人には「秘密」にしたい情報になります。 |
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先輩、毎日の更新ありがとうございます。(6月29日) |
届いたメール 久々にメールします。北海道00駐屯地で勤務する生徒00期の者です。 毎日の情報の解説欠かさず読んでます。一時期は文面に疲れている様子が伺えて心配してましたが、最近の筆には以前の切れやユーモアが復活したみたいで何よりです。 日本には数少ない軍事情報を解説している貴重なサイトですし、何より先輩がこのような形で活躍されていることは、同窓の後輩としては大変勇気つけられています。 最近は国内外ともにやりきれない事件や災害が頻発して、何か貘とした不安にかられてしまいます。そんなときだからこそ、軸足を置ける足場が必要と思います。 私には先輩のサイトが軸足をおける場所になっています。これからも先輩の知識や世間あまたの評論家とは違う切り口の解説が必要だと思います。 これからもお体に留意されて頑張ってください。ただしくれぐれもご無理なされ ぬよう、疲れた時は思いっきり休んで充電して下さい。老婆心ながら余分なこと申し添えて失礼します。 |
コメント お久しぶりです。最近は、少工校の後輩という人からよくメールが来ます。よく勉強しているので、驚くことがあります。でもあえて、少工校OBということは伏せてこの欄に掲載しています。でもあなたの文面なら大丈夫でしょう。 ところで7月2日に、少工校で12期・殉職生徒の顕彰行事(学校行事)があります。それで同期数名と参加してきます。それから5日(土曜日)には、関東周辺の同期が三々五々集まって、池を埋めて出来た公園で酒を酌み交わします。雨天決行ですが、毎年、20人〜30人が集まります。むろん私は、5日にも少工校に行きます。 ところで私の体調がやはり文面に出ていますか。時々、自分でも軽いウツではないかと思うほど気分が落ち込むことがあります。たぶん、そんなときの文章だと思います。原因は生活や仕事のストレスでしょうね。ですから、時々は更新を休んで、好きな自然の中で過ごすといいのでしょうが、ついつい気になる記事を読むと、ついHPを書き出してしまいます。 7月は24日から28日まで更新を休んで、山村のカヌー教室(初心者クラス)に行ってきます。家族と一緒にコテージに泊まって過ごします。お米を買っての自炊ですが、目の前の川の清流でいっぱい遊んできます。 北海道なら夏の遊びはいっぱいですね。私の150CCのスクターを北海道にフェリーで運んで、のんびりと2〜3週間ほど旅行してみたいですね。そんなことをすればストレスがとれて、楽しく長生きできる気がします。 これから自衛隊はここ15年以上よりも大きく変わると思います。頑張って、いい方向に変化するといいですね。後輩諸君も頑張ってください。 |
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クラスター爆弾は費用対効果が悪いという意味がわかりません。(6月28日) |
届いたメール 神浦さん、いつも読んでいます。こんな迫力のあるHPはありません。何事にも堂々とした解説が気に入っています。 ところで質問ですが、24日のクラスター弾禁止のWhat Newで、「クラスター弾は費用対効果が悪い」という記述がありました。米国防総省もクラスター弾が古い兵器と自覚しているとも書かれていました。手足を奪う残忍な兵器とか、子どもなど民間人の犠牲が多いは理解できますが、費用対効果という点でクラスター爆弾はマイナスではないと考えます。 広い面を数発で制圧できるクラスター爆弾が、なぜ費用対効果が悪いのか。そのあたりのことを説明して頂けませんか。 お忙しいのに、面倒な手間をかけてすいません。クラスター弾の記事を読んでから、通勤の電車の中でも、いつもこのことが気になって考えています。 これからも神浦さんのご活躍に期待しています。北朝鮮問題を含めて神浦さんがますます活躍されることを楽しみにしています。ただ無理をしないでお体に気をつけ、十分に休養をとることも忘れないでください。 |
コメント 戦争はただ多くの敵兵や市民を殺傷し、多くの戦闘車両や建物(軍事施設)を破壊すれば、それで勝つわけではありません。むしろ最小限度で敵の攻撃力や防御力などの抗戦能力を奪い、抵抗する戦闘能力や意志を奪えばいいのです。戦争は殺傷や破壊が目的ではありません。要は敵に勝って要求に従わすことです。ジンギスカンの時代とは違います。 そこで最近の戦闘を考えると、戦闘力(兵力)はスピード(機動力)、火力、装甲力、後方支援能力などの総合戦力です。戦車や装甲車や自走砲を持たない歩兵だけの部隊など、弱すぎて機械化部隊や機甲部隊や航空部隊の相手にはなりません。 逆の見方をすれば、いくら歩兵ばかり多く殺傷しても、戦車や装甲車が生き残っていれば敵の戦力を大きく衰退させたことにななりません。もし戦車や装甲車を先に破壊できれば、多くの歩兵が残っても簡単に掃討できることになります。 無人偵察機や戦場センサーを稼働させ、敵状を詳細に偵察し、戦闘システムの中枢部分から破壊していけばいいのです。それが戦闘効率を高めることになります。そのような新しい戦闘システムに貢献できる兵器が注目されています。クラスター弾は広範囲の対人兵器だけという役割です。 それに今では単に戦場だけのコストだけ考えることができなくなりました。兵器を製造する、貯蔵する、運搬する、使用するといったコストも重要です。例えば、佐世保の米海軍の弾薬庫では、朝鮮半島用に貯蔵している弾薬量が激減しています。それは巡航ミサイルや精密誘導爆弾(空母艦載機)の多用で、一般的な爆弾や砲弾が必要でなくなったからです。この生産や移送、それに貯蔵コストの削減も大きな意味があります。 そこでいつまでもクラスター爆弾に頼っているような戦術や戦略では、兵器全体の進化(ハイテク化)が遅れて、いつまでもコストの削減にならないのです。軍事費に国家予算の大部分を費やす様な国は強くはないのです。 幸い、日本は外国に攻めて行く国ではありません。日本に攻めてくる軍(あるいは国)に戦闘不能な打撃を与えるか、日本を攻めるという意志(抑止力)を持たないようにすればいいのです。自衛隊に高い抑止力を与えるために、兵器の近代化は欠かせません。兵器の近代化によって余った隊員で、大災害などの国際貢献を活発に行えば、ますます日本の抑止効果を高めることなります。困った時に助けてくれた国と戦争をする気にはなりませんから。 外国から侵略を受けない効果的な戦力。それと国際貢献が日本の防衛戦略で、自衛隊が役割を担う2本の柱になると思います。 |
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北朝鮮を取り巻く米中の思惑について。(6月27日) |
届いたメール 神浦さん いつもHP読んで勉強させていただいております。 拉致問題を解決しないまま進められる北朝鮮へのテロ国家解除は日本人として非常に残念でなりません。 勝手な憶測ですが、米国政府の基本的なスタンスは北朝鮮体制が崩壊して、半島に統一国家を誕生させたく ないという確固たる意志があるように感じます。軍事的な裏付けがどこまであるかは分かりませんが・・・ ニュースではブッシュ大統領が外交的な成果を作り出そうとしているとの分析ですが、実は米国は金政権が限界のギリギリまで達しており、これ以上制裁を続ければ本当に国家転覆が起きる予兆を掴んでいるのだと考えます。 米国が望むのは現状維持もしくは、北朝鮮の政権交代で独立した国家が中国と韓国に間に存在して軍事的な緩衝地帯が出来上がることを東アジアの外交戦略の選択肢として考えているふしがあるのではないでしょうか? 陰謀説は好みませんが、中国もそれを望んで実質的には米中の2カ国間で裏カルテルが出来上がっており 2カ国の国益を最適化できる条件が今回のテロ国家指定解除の結果を生んだという考え方のほうが理解できます。 その間で翻弄される日本、韓国の国益がなんなのか? 大きいテーマですが、日本には在日米軍のおもいやり予算、米軍トラスフォーメー ションのグアム移転費負担、 次期FX戦闘機に関するユーロファイターとF22の競合等々、米国の対北朝鮮テロ国家 解除への多くの抗議カードが存在すると思います。 いたずらに日本の独立性を煽る必要はないと思いますが、日本国民の人心を刷新するようなカードを米国に出せる政治家がいつ現れるのか? 私は日頃企業や商品ブランドの研究を生業にしておりますが、最近“日本”という国が国民へ約束できることはなんなんだ? と考えると国はしっかりとやっている部分が大半だと思いますが、きちんと国民に 理解されていない部分も多く、また政府の対応に関してネガティブなニュースだけが流れると、ますます世の中がすさんでいくのではないかと思ったりします。 だからといって独裁国家のような情報統制ではなく、世の中の空気を読んで良質な 政策判断を行い、その情報を上手に発信して 国民に希望を持たせるような政治家がいないのが非常に残念ですね。 国民の安全を守るという、国家の国民への約束がこのままおざなりになるとますます、国民の政府への不信感 や不安感が増殖して、大きくは日本人というプライド、小さくは年金の不払いや税金未納など既に進行している傷が大きくなり、すぐにではなくとも、徐々に国家運営において影響がでるのではないか と考えたりもします。 今後とも神浦さんの益々のご活躍を期待しております。 頑張ってください。 |
コメント 北朝鮮が崩壊直前にあることをアメリカが気がつき、核計画の申告(曖昧でも)を口実にテロ支援国指定解除を行い、世界銀国などから北朝鮮に経済支援を行って体制崩壊を防ぐ。それは中国との軍事的な緩衝地帯を存続させるためである。と、いうのは一理あると思います。正確には、一理あったと思います。 朝鮮戦争はそのような理由から、中国軍(表向きは義勇軍)の参戦を招きました。冷戦時代は北朝鮮が中国の防波堤の役割をしたという意味です。アメリカ、日本、韓国が、中国に軍事進入するのを防ぐためです。 しかし私は現在の中国では、北朝鮮の役割は逆の環境だと思っています。というのは、中国にとって中国・東北部(旧満州)の地域経済開発では、韓国、日本、アメリカから、投資、技術、人材の活用が不可欠です。そのためには北朝鮮という閉鎖国家が存在することが障害要因になります。 ならば北朝鮮は軍事的な防波堤にならないかといえば、中国がすでにアメリカに届く戦略核ミサイル(ICBMやSLBM)を配備していますから、中国とアメリカが直接軍事対決することができないのです。ですから北朝鮮という軍事的な防波堤はいりません。 そのことは北朝鮮軍の旧式で陳腐化した兵器類に見ることが出来ます。もし中国が北朝鮮に軍事的な防波堤の役割を求めるなら、北朝鮮軍の兵器の更新を行っているはずです。それを行っていないことが、すでに中国は北朝鮮に軍事的な防波堤の役割を期待していないのです。(韓国軍の近代化は対北朝鮮というレベルではなく、陸続きになる中国を意識しています)。 中国は北京オリンピックが終わるのを待っているのか、上海万博が終わるのを待っているのか。いすれにせよ、アメリカと中国はそれぞれの勝手な理由で、北朝鮮崩壊と朝鮮半島統一の時期(タイミング)を考えていると思います。しかしドイツのベルリンの壁のように、突然、何の前触れなしに崩壊が始まることもあります。 |
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韓国の若者は日本を脅威だと考えているそうです。(6月26日) |
届いたメール こんにちは、こんな記事を見かけました。 これからは担う韓国人の若者が北朝鮮、中国よりも日本の方が脅威だと考えているという事は、核を保有する統一朝鮮が、日本にとって脅威であると考えてよいのではないでしょうか? アメリカがこの地域から引き上げるとすればなおさらです。 http://www.chosunonline.com/article/20080624000029 韓国の中高生を対象に世論調査を実施したところ、「韓国の安全保障に最も脅威となる国」「韓国の安全保障で協力すべき国家」の双方で米国を挙げ、混乱気味の安全保障意識が浮き彫り となった。回答者の半分が韓国戦争(朝鮮戦争)が始まった年と北朝鮮による南侵の事実を知らない、という驚くべき結果も出た。 調査は行政安全部が世論調査機関のリサーチ・アンド・リサ ーチに委託し、今月13日から16日にかけ全国の中学1年生から高校3年生までの青少年1016人を対象に行われた。 今回の調査で韓国戦争が起きた年を1950年と正しく答えたのは、10人中4人の43.2%にすぎなかった。北朝鮮の南侵によって韓国戦争が始まったという事実を知っているとの回答も48.7 %にとどまった。北朝鮮の軍事力増強に対しては55.8%が脅威を感じているが、北朝鮮が再び戦争を起こす可能性については64.2 %が「低い」と答えた。 韓国の安全保障に最も脅威となる国としては、米国(28.4% )、日本(27.7%)、北朝鮮(24.5%)が上位に挙がった。これに対し、安全保障を強固にするため最も協力すべき国として も米国(34.6%)との回答が最多だった。日本と最も協力すべきとの意見は、北朝鮮(22.3%)、中国(17.7%)を下回る14.8 %にすぎなかった。 安全保障意識に混乱が見られる中、「韓国を誇らしいと思うか」との質問には80.7%が「誇らしい」と答え、「誇らしくない」と答えた19.1%を圧倒的に上回った。また、戦争やテロ、 自然災害など国家が危機に直面した際にそれを克服しようと努力することに「賛同する」との回答は85.4%に上った。さらに 具体的に「戦争が起きれば率先して戦う」との回答は60.7%だった。男子を対象に兵役義務を履行するかと尋ねたところ、「する」との回答は85.0%だった。 今後10年以内に南北統一が実現する可能性を聞いたところ、63.1 %が「低い」と答え、統一に反対する理由としては、社会混乱を招くから(30.3%)、現在より生活が苦しくなるから(29.2 %)、このままでも不便はないから(18.1%)、北朝鮮の人が嫌いだから(8.7%)という順だった。 |
コメント これは韓国の若者の本音が出ている調査結果だと思います。韓国の若い世代の先生は、朝鮮戦争のことを詳しく教えないのですね。どうせ徴兵で軍隊に行けば、朝から晩まで、北朝鮮について思想教育(自衛隊では精神教育と呼びます)を受けるので、それまでは出来るだけ自由な感覚で韓国社会や世界を見て欲しいと思っているのではないですか。単純に若者が親北傾向が強いという話しではないと思います。 また北の核武装ですが、あれはアメリカや日本から援助を勝ち取るためのもので、核戦争に使うためのものではありません。案山子(かかし)です。また南北が統一されたときは、南アフリカ共和国に黒人のマンデラ政権が誕生した時の様に、IAEAを入れて徹底的に核査察を実施し、朝鮮半島に核兵器がないことを証明させることになります。日本、中国、アメリカにとって、朝鮮半島が核武装することは絶対に許せないことです。 また、いつも言うように、もし南北が統一されれば、統一国家は中国と陸続きで接することになります。そうなると中国に対する恐怖心は倍増します。新統一国家は積極的に米韓軍事同盟の強化を求め、日本とも軍事的な関係を含めて期待度が高まると思います。 中国も朝鮮半島を軍事力で支配する気などありませんから、統一国家とは経済面を中心に交流を拡大していくでしょう。東アジアから北朝鮮が消え、新しい統一国家が誕生すれば、初期の混乱期を含めて巨大なビジネスチャンスが生まれると思います。 |
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一連の北朝鮮問題を見て考えました。(6月25日) |
届いたメール こんにちは。 もしこれがイスラエルやイギリスドイツなどのEU主要国がらみなら、最大限イスラエル側やEU側にアメリカ政府も議会も味方したでしょう。
北朝鮮を核保有国としてみなす、拉致問題や北朝鮮の人権問題を見て、みぬふりをするという事は日本の安全保障にとって致命的です。
今回の事をみるとアメリカが日本の安全保障に興味があるとは思えません、それともオバマのブレーンであるブレジンスキーが発言したように、
北朝鮮が核保有国になり、日本を脅せば日本はアメリカを頼りよりアメリカに服従的になると考えているのでしょうか。
アメリカは拉致問題は二国間問題、核問題を優先と言っていましたが、結局核保有を認めてしまった、核保有を認める事が核問題解決という事なんでしょうか?
イラン問題とあまりにも違う対応に違和感を感じずにはいられません。 |
コメント アメリカの大統領は日本にとって「絶対の神」ではありませんから、すべてに追随するのは危険すぎます。日本の外務省にはそのあたりの自覚が不足していると思います。とにかく対米重視が外務省の外交政策すべてでしたから。 |
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沖縄の海兵隊が移転するグアムの最新事情を集めて送ります。(6月24日) |
届いたメール お久しぶりです。000000000の00です。 日本のリゾート施設、○○パレスが米軍から購入のオファーを受けたことは地元では皆知っていますし、隣接する30万坪ほどの原野も売れてしまいました。これが即、ミリタリーと関連するとは確認できませんが、他の広大な原野を見れば、訓練場の面積で不足することは無いでしょう。
環境問題ですが、米国は自国の環境になると敏感なようです。島内で空軍と、海軍は完全に分離され、ハンビーが走るのは見たこともなく、軍人の姿
も週末に見るくらいで、礼儀正しいように見受けられます。タモン湾は観光客と地元住民のために、安全に確保され、湾内で魚釣りをする日本人観光客などは、
厳しく警察官に注意されています。 グアムの将来は、ミリタリーだけで生きていくのは難しく、観光客なくして発展は望めません。その共存は沖縄より障害が少なく、海兵隊の移転は遅れても中止になることはないでしょう。
坂道を歩いていた私達夫婦を拾ってくれた車のドライバーも、移転話を信じ、ナイトクラブを開くため、サンフランシスコから移住してきたと言っていました。情報は案外下のほうから湧いてくるのに正しいものがあります。グアムを愛する私にも、海兵隊の移転問題は、興味の尽きない問題でありますが、いつ
までもタモン湾が美しい海であることを願っています。 台風ですが、ここにも地球温暖化が少なからず現れて来ているようです。30年以上住む住人は、昔の台風は東から発生していたのに、今は西のフィ
リピン海上で発生するのが多くなったと言っています。そんなわけで、グァムを直撃する台風が少なくなったそうです。しかし体に感じる地震は時々あります。
来月もグアムへ行きます。これからもこの島の最新情報を努めて集めるようにしましょう。 |
コメント そうでしたね。以前、よくグアムに行っているというお話しを聞いたことがあります。とうとうコンドミニアムを購入しましたか。(笑) 私もグアムはハワイより好きですね。ハワイは立派すぎて、都会すぎてリラックスできません。それがグアムなら適当に狭くて、自分で遊びを作れるような気がします。(でもハワイはオアフ島しか知りませんが)。 これからもグアム事情をいろいろ教えてください。あと10年間ぐらいでグアムは大変化を遂げると思います。私も年に数回はグアムに行くように心がけるつもりです。でも私がグアムに行くのは、観光シーズンがオフの安いチケットの時です。グアムなら東京から郷里の広島に帰るより安く行けます。 |
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米海兵隊の元太平洋司令官が「グアム移転合意は失敗」と指摘。(6月23日) |
届いたメール 神浦さん こんにちは 沖縄の00です。 ご無沙汰しています。ホームページは毎日読んでいます。いつも感じるのですが、まったく昔の勢いが衰えていませんね。いつも元気なご様子に感心しています。 ところで今回は情報提供と、神浦さんのご意見をうかがいたいのですが。というのは、今月(6月)の17日付けの沖縄タイムス紙に、元太平洋海兵隊司令官のヘンリー・スッタクポール中将(退役)のインタビュー記事が掲載されました。 その記事によれば、沖縄海兵隊のグアム移転合意は失敗だったと語っています。その理由を、グアムには環境問題があり、訓練場も狭く、台風が多いことや、グアムと沖縄を結ぶ海兵隊独自の高速輸送船の調達予算が獲得できる見通しが立たないことを上げています。これは多くの海兵隊内の不満を代弁しているそうです。 スッタクポール元司令官は、日米再編協議の時期にホノルルの国防省系シンクタンク、アジア太平洋地域戦略研究所所長で、太平洋司令部に沖縄問題で助言したり、対日交渉の担当者会議に出席する立場にあったそうです。また、沖縄に勤務中は、在沖米軍4軍調整官であり、沖縄の基地問題にも精通している元将官です。 同氏が、湾岸戦争の後に、沖縄の海兵隊を2万1千人から、1万人規模の旅団に縮小できるプランを提案し、1993年に太平洋司令部で正式案として検討されたと述べています。しかし当時は政治リーダーが関心を示さず、準備不足もあって実現しなかったそうです。 神浦さんにうかがいたいのは、元司令官とはいえ米海兵隊の元将官からこのような指摘が出てきたことで、今後の在沖海兵隊のグアム移転に、計画変更やスケジュールの遅れなどに影響が出てくると思いますか。お考えをお聞かせください。 これからも神浦さんのことを応援しています。お体に気をつけて頑張ってください。また沖縄の来る機会があれば、ぜひ連絡してください。 追伸 最近は定年後の団塊の世代が夫婦で沖縄に移住する人が多くなっています。そのため沖縄の地価や家賃が高騰しています。沖縄の新しい社会問題になっています。 |
コメント この沖縄タイムスの記事は沖縄在住の方から同日(17日)にFAXで届きました。ですから記事全体を読んでいます。その上でお話しをしますが、私は米海兵隊がグアム移転に不満があっても、もう後戻りはできないと思います。 実は沖縄海兵隊の駐留規模を削減できるというのは湾岸戦争直後というより、冷戦集結前後の米軍再編ですでに出ていました。それが湾岸戦争で沖縄海兵隊が中東に行っても、朝鮮半島で軍事緊張が高まらなかったので、在沖海兵隊の削減案が具体化してきたのです。それからSACO(1996年)から始まる日米交渉(米軍再編)は、皆さんのご存じの通りの経緯です。もう誰も歴史の大河に逆らうことはできません。 私自身もグアムを訪れ、車で島内を一周した時は狭い島と感じました。ちょうどその時、台風が近くで発生してセスナ機による空撮ができませんでした。グアムが台風の被害を受けるということに驚きました。ガイドさんから聞いた話しでは、数年前にはグアムで記録的な台風被害があったそうです。私はそれまで、グアム付近では台風の赤ちゃんが生まれ、それが発達するのは西太平洋を北上する時だと理解していました。 海兵隊専用の高速輸送船も今の沖縄の様にチャーターする方向で調整するでしょう。沖縄には普天間代替え基地(例えば、交渉中のキャンプシュワブ沿岸の新基地)のように、専用の滑走路と軍港を持ち、それに弾薬庫と物資集積施設を沖縄に要求すると思います。沖縄の民間人の人口密集地を除くと、海兵隊にとってグアムよりも沖縄が狭いことも確かです。 しかしこのインタビュー記事はいろいろ考えることが多くあります。現状の不甲斐なさを嘆く”老兵の苛立ち”のような気持ちを感じます。 |
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東シナ海のガス田を日中が共同開発に合意。(6月18日) |
届いたメール 神浦さんのホームページを読み始めて約5年になります。 今では、会社内で軍事通の00(私)といわれています。もちろん、神浦さんがお書きになるコメントを自説として話しているだけです。しかしそのことは、まだ社内にバレていないようです。これからも内緒にしておくつもりです。 実は昨日も、以前に神浦さんが「東シナ海のガス田開発問題は、共同開発するしか解決策がなく、日中は対立よりも共存共栄の共同開発で合意する」と書いてあるのを読んで、社内でそのまま話したことがあります。そのことを覚えていた上司が、昨日の新聞を読んで驚いていました。まさにその通りになったからです。 今日は普段のお礼を言いたくてメールしました。これからもよろしくお願いします。 これからもお体に気をつけて、暑い夏をお過ごしくださるように。毎日、更新を楽しみにしている読者がいることをお忘れなく。 敬具 |
コメント 中国の指導者が江沢民から胡錦涛主席に代わったことと、小泉首相の親米一辺倒の外交路線から変化したことが、日中間でいろいろな政治問題を棚上げして、実績を積み上げる政策に転換できたのだと思います。中台の新しい関係、中韓の新たな関係も同じだと思います。 もう東アジアのすべての国(北朝鮮を除く)が、対立や争いを前提にした外交関係では繁栄から取り残されるだけに気がついたのでしょう。いうまでもなく北朝鮮だけは例外ですが、まさに北朝鮮の窮乏ぶりがそのことの証明です。 先日、NHKで中国の医療制度の特集をやっていました。政府が国民医療を負担(世話)しなくなったので、中国では中間層の人々までも高額の医療費に苦しんでいるという内容でした。その番組を見て思ったのは、そのうち台湾で、中国の高所得者を相手にする病院が大繁盛する可能性があると思いました。すでに日本でも中国の富裕層を相手にした高級”人間ドッグ”(検査費用が400万円〜600万円)が始まるそうです。でも中国の富裕層が深刻な病気に罹れば、中国語の通じる台湾で最先端医療の病院に入院する気がします。 中台対決と叫び、明日には中国軍と台湾軍が戦争を始めると煽っていた連中は、これから淋しい時代になると思います。次は台湾にかわって日本が中国と戦えと叫ぶのでしょうか。 |
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尖閣問題で台湾が強く反発している。(6月14日) |
届いたメール 憲法九条やまとの会のスタッフをしています0000と申します。 先日5月24日、神奈川県大和市で、神浦さんのお話、たいへん興味深く聞かせていただきました。どうもありがとうございました。
ところで、今日、下記のニュースを人づてに聞きました。
私は全然知りませんでしたが、どうして沈没してしまったのでしょうか? よかったら、コメントをお願いいたします。 |
届いたメール http://mainichi.jp/select/world/europe/news/20080614k0000m030055000c.html
【台北・庄司哲也】沖縄県石垣市の尖閣諸島・魚釣島(台湾名・釣魚台)付近の日本領海で10日、台湾の遊漁船が日本の巡視船と接触し沈没した事故をめぐ
り、台湾の劉兆玄・行政院長(首相)は13日、日台間の領有権争いに関する議会答弁で「最後の手段として開戦も排除しない」と発言した。 きな臭くなって来ましたが、中台が協力して日本と対峙してくる可能性はあるのでしょうか? |
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コメント この件では、今日のWhat New! にコメントを書きました。そちらを読んでください。とにかく戦争など始まりませんから、安心してください。今のところ、海保・巡視船の行動も国際法に違反するものはありません。その点は、台湾の沿岸警備隊(台湾の海上保安庁)も十分に理解しています。 |
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韓国の牛肉輸入問題を北朝鮮が操ってる訳がない。(6月8日) |
届いたメール 神浦さん いつも楽しみに拝読しております。 今日はしかし、恐れながら、疑問を呈させて頂きます。 6月6日の記事で、「北朝鮮ができるのは韓国に心理戦を仕掛けて、牛肉輸入問題などで李明博政権を揺さぶるだけである。」と書いていらっしゃいます。 これは、韓国で最近盛り上がっているアメリカ産牛肉輸入反対運動を、北朝鮮が背後から操っていると見ていらっしゃるという意味でしょうか。だとしたら、それはありえないと思います。 非常に関心をもって報道を追っているのですが、今回の運動は、中高生から始まり、既成の左派とは距離のある人々が中心となっており、労働組合や野党はそれに必死になって追いついている感があります。ましてや主体思想派のような人々は追従して反対声明を発している程度だと思います。 確かに、韓国の「ニューライト」といわれる右派は、「この運動を背後で操っているのは親北勢力だ」と主張していますが、何の証拠も出せていません。本人たちも本気でそう思っているわけでなく、保守政権を守りたい思いから言っているだけではないかと思います(日本のイラク人質自作自演説と同じ)。韓国では長い間、なんでも北朝鮮に結びつけてやっつけていた時代がありましたから。 一定程度まで成熟した先進国で、外国の情報機関があれだけの大衆運動をでっちあげるのは不可能です。そう簡単に操れるほど、市民社会の厚みが薄くないからです。たとえば、「全共闘運動はソ連が背後から操っていた」などと言えるでしょうか。 もちろん、騒ぎに乗じて北朝鮮もいろいろ考えるでしょう。しかし大した影響力は持ち得ないと思います。まして今回の騒ぎについては、「北朝鮮の影響」などおよそ考えられない展開といえます。 資金力もなく、民主主義社会の世論の機微も理解できない北朝鮮が、韓国や日本の社会に行使できる心理戦のレベルというのはたかがしれている。過大評価になっ てはいけないと思います。資金力もあり、世論の機微もよくわかる「あの国」の心理戦のほうが、はるかに強力でしょう。でもそれも過大評価すべきではないと 思いますが。 長文失礼いたしました。 今後ともよろしくお願い致します。 |
コメント 北朝鮮が操っているとは思いませんが、最大限に利用したいと切望していると思います。「敵の敵は味方」という意味からです。 高校生という純粋なゲリラ(仮にベトコンとします)と、老獪な北ベトナム軍という正規軍がいました。ベトナム戦争が終結して、南北ベトナムが統一されると、ベトコンは南ベトナムから追いやられ、北から北ベトナムの官僚と軍人が進駐して支配体制を確立しました。 軍事の情報戦は、相手の動きを捉えていても、戦争が始まるまで泳がせます。出来る限り情報を集めて、攻撃する時には大打撃を与えるためです。 一例を挙げます。北朝鮮の不審船ですが、自衛隊の情報部隊は早い時期から動きをほぼ完全に捉えていました。しかし知らない振りをしていました。なぜ不審船の動きを捉えることができたかと言いますと、@ 不審船に搭載されていた短波(HF)無線機の電波を傍受し、その発信位置を割り出すことが可能でした。これは全国に配置している自衛隊の無線傍受施設(部隊)が担当します。A その電波発信海域にP3C哨戒機などを緊急派遣します。高度5000メートルぐらいからでも、P3Cの赤外線探知機を使えば、不審船の熱源(エンジンや排気)が中央にあることが判明します。不審船の後部に小型の高速艇を内蔵しているので、機関(エンジン)を中央に置いているという独特の特徴で、すぐに不審船であることが判明します。しかしP3Cはあえて高度を落とさず、高空で監視活動を続けるのです。その間に、洋上で暴力団との麻薬取引の現場を撮影して関係を探ります。 それら情報は自衛隊の情報部隊にKファイルとして積み上がられ、不審船に関する詳細なことが手に取るようにわかってきます。不審船を潰す時期は高度な政治判断か、安全保障上のタイミングで決められます。 そんなことを軍事情報では平然とやります。韓国で盛り上がった牛肉問題が「ある種のスキャンダル」で一気に消沈する可能性があります。そのようなスキャンダルを”探る””ばらまく””作る”ことを専門に行う心理戦部隊がいます。 日本だって、そんなことを平気で行っています。どうやら私は心理戦の研究が大好きのようです。若い頃(20代)に、数ヶ月間、国会図書館の新聞スクラップ室に通い、「詐欺事件」のスクラップを全国の新聞から読んだことがあります。 そうそう、今、思いだしましたが、60年代に警察庁の中に「楠木正成・研究会」なるものができて、幹部・有志が対ゲリラ戦の研究を行っていました。70年安保闘争に向け、学園から市街地に学生闘争が拡大していった時代です。「都心の交番は燃えやすいように木で作る」などの教訓を得たそうです。簡単に燃える交番はデモのガス抜きになるからです。 |
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警察官が捜査中に拳銃を携帯していない。(6月6日) |
届いたメール 神浦さん、いつも読んでいます。 ほぼ毎日更新される面白い記事や、ためになる内容を存分に楽しんでいます。本当に、ご苦労様です。 ところで、昨日、私が住んでいる福岡県で、2人の私服の警察官が拳銃らしきものを突きつけられ、警察手帳を奪われる事件が起きました。ご存じですか。 警察官はシンナー密売事件を捜査中で、捜査対象の車に近づくと、近くの車から暴力団風の4人が出てきて、「どこの組みの者か」と言い、「警察だ」というと、警察手帳を奪って逃走したそうです。 警察官が暴力団関係事件を捜査中に、拳銃を持っていないというのは、基本的な対応に怠慢と思うのですが、神浦さんはどのように考えますか。今では、暴力団員が拳銃で武装していると考えるのが常識ではありませんか。 |
コメント そのニュースは東京でもかなり大きく扱っています。今朝のTVニュースでは暴力団の事務所を警察が家宅捜索する光景を報じていました。しかし警察手帳は発見されていないようです。 でも私が警察官ならこのような捜査では拳銃を持ちませんね。もし警官が拳銃を持っていれば、その拳銃を奪われた可能性がありますから。 それにこの事件は、警察官が別の犯人に利用された可能性があります。というのは、シンナーを密売している暴力団と対立している組織(あるいは一般人でも可能)の者が、まず、シンナー密売の暴力団事務所に電話をかけて「シンナーを売っている場所を襲う」と脅します。次ぎに警察に電話をかけて、「シンナーを密売している車がある」とたれ込みます。密売の暴力団は対立する暴力団の襲撃に備えて、近くの車に隠れて襲撃者が来るのを待ちます。そこに「たれ込みの電話」を受けて、二人の私服の警察官が現場に現れます。この二人を襲撃者と思った4人の暴力団員が、拳銃を抜いて襲うという作戦です。まんまと作戦は成功したと思います。 直ちに、福岡県警は警察のメンツをかけて、警官に拳銃を突きつけ、警察手帳を奪った4人を徹底的に追跡します。これでシンナーを密売していた暴力団に大打撃を与えることになります。 これも心理戦の一例になると思います。本当の仕掛人は一切姿を現すことなく、警察を使ってシンナー密売を潰すことができます。その費用(経費)も、暴力団にかけた公衆電話の電話代(10円)と、警察に密告した電話代の合計20円だけです。費用対効果も抜群です。 そんな謀略も成り立ちますから、警官の拳銃強奪を防ぐ意味からも、この様な捜査に拳銃を持つことは危険と思います。バカなのは電話の挑発に乗った暴力団です。二人の警官が拳銃を所持していなかったのは賢明な判断だったと思います。 |
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日本の宇宙開発中止について、こんな事情もあるようです。(6月2日) |
届いたメール 神浦元彰さん いつも興味深く記事を読ましていただいております。 日本の宇宙開発については下記ページのような事情もあるようです。 (神浦・・・What New 6月1日の掲載記事についてです) http://tbs954.cocolog-nifty.com/st/2008/04/411_687a.html TBSラジオのページです。 音声ファイルを聞くことが出来ます。 以上です。 |
コメント そうですか。1980年代の日米経済摩擦の時に、木材、パソコン、宇宙の産業分野については、国際入札することを日米で合意した経緯があり、そのことで日本はアメリカの宇宙産業に太刀打ちできない状態になったのですか。そのことを日本の政治家が知らなくて、実験機さえ研究しておけば、それが実用機に発展できるという誤った認識が原因ですね。 日本の政治家の無知も重大な責任ですが、そのことを官僚や企業が何も知らせなかった理由が気になります。今回の日本の宇宙開発中止の経緯について、もっと詳細に取材してみたい気持ちが高まっています。それと宇宙基本法成立との関連です。 |
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武器を定義する「輸出貿易管理令」には時代にそぐわないものがある。(6月1日) |
届いたメール 神浦さん、こんにちは。(神浦・・・・下段の「鉄帽と防護マスク」でメールを頂いた方です) 鉄帽が「武器」である件でメールした者です。 まさか、生文で掲載されるとは思いませんでした。(苦笑) 特科に怨まれますよ。 詳細は「輸出貿易管理令別表第一」にありますので、「輸出貿易管理令別表第一」 http://www.meti.go.jp/policy/anpo/kanri/sinsa-unyo/gaihihanntei-tejyun/yusyutsu-betsu1/y1-3.htm をご覧になってください。 核兵器、生物・化学兵器の製造等に必要な資機材も網羅され、重要な法令であることは理解できますが、時代にそぐわないものや過剰・不要なものもあるように思います。 また、ご指摘の通り解釈が統一されているとは言い難く、恣意的な運用がまかり通る余地があるのは問題です。仕事なのだから面倒くさがらず、こまめに改正すべきです。 |
コメント 度々、メールを頂き、ありがとうございます。 例のヤマハが農業用ラジコンヘリを中国に輸出した事件が摘発されたとき、問題になったヘリの自律飛行性能(GPS活用)は老人(農民)が常時コントロールしなくてもいい操縦装置で、ペイロード(搭載荷重)が10キロとか20キロ程度のものは、兵器として規制する必要がないと主張したことがあります。 するとワッセナー・アレンジメント( ワッセナー協約 )を担当する省の幹部から、そのアレンジメント・リストが送られてきたことがあります。そのリストには確かにラジコンへリの記載があり、だからヤマハの行ったことは違法という説明でした。 私がいいたかったのはココムからワッセナー・アレンジメントに継続されても、あまり規制をかけると国際競争力にマイナスと指摘したかったのです。日本政府がリストを厳正に運用して、ヤマハの輸出を規制(摘発)すると、その間にアメリカの企業が新しいラジコンヘリを開発して、中国に売り込んで市場を独占するという意味です。そんなことを平気でアメリカはやってきました。それでは、せっかくヤマハが自律飛行ヘリという世界トップの最新技術を開発したことが無駄になります。 それではラジコンヘリは軍事用に使えないかのという疑問が起こります。しかし軍事用の偵察ヘリや攻撃ヘリなら、ペイロードが数十キロ程度の無人ヘリでは活用範囲が狭すぎます。それに実際に陸自の野戦特科部隊が試験運用(テスト)をしましたが、風に弱いラジコンヘリは使い物(実用)にならなかっと聞きました。 ご指摘のように、貿易管理令は今の時代に適応できないものが少なくありません。今回は中国の地震被災者に自衛隊のテントや毛布を送るということから、兵器の概念や輸出管理令やワッセナー・アレンジメントまで考えることができました。極めて有意義だっと思います。ありがというございました。 ※軍事は初心者という方にお知らせします。・・・・・・・・・特科というのは陸自の専門職種のひとつで旧軍の砲兵になり、特科には野戦特科と高射特科があります。野戦特科は自走砲やりゅう弾砲が配備され、高射特科には航空機を撃墜する対空火砲(対空ミサイルなど)が配備されています。ここに登場する自走・多連装ロケット(MLRS)は野戦特科に配備されています。 |