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類い稀なる才能を有したその声とキャラクター。そして持ち前のバイタリティや行動力で、声優を中心に歌手としても活動。パーソナリティやナレーション、はたまた写真集やDVDのリリースと幅広い活動を行っている平野綾さん。高校生の頃より、興味を持ったものに対して真剣に向き合い、とことん突き詰めていった結果が今の仕事のバリエーションに結びついていると語る彼女に、夢を次々と実現してきた、その秘訣を聞いてみました。(取材・文 池田スカオ和宏) |
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――現在声優を中心に多彩なお仕事をされていますが、声優はいつ頃から目指し始めたんですか?
平野 私の場合、実は最初から声優を目指していたわけではないんですよ。演劇やミュージカルなどお芝居の仕事をしたくて、まずは児童劇団に入ったんです。そこで役者や歌手、バラエティ番組に出させていただいているうちに声優のお仕事に出会って。そこから"声優が最も自分に向いている!!"と気づき、それを軸にしたんです。
――声優さんのどの辺りが平野さんに向いていると?
平野 童顔だったこともあり、昔から顔と声のギャップにかなりのコンプレックスを持っていたんです。でもこの仕事はそんなことを気にせず、逆に活かせることを発見して。それこそ〈自分にとって天職だ〉と確信しましたね。
――役者は声や動きなど、体全体で表現出来るのに対し、声優は声だけで全てを表現しなくてはならないので、かなり大変なんじゃないですか?
平野 声だけで環境や状況、キャラクターの性格などの全て表わさなくちゃならないので、より難しいところはありますね。あと、体調やコンディションがすぐに声に表れちゃうし。声優の場合、常に同じ声でそのキャラクターを演じなくちゃならないので、その辺りの体調管理や自己管理は大変です。テンションによっても微妙に声が変わってきちゃうんで、かなり油断出来ない仕事だと思います(笑)。
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――平野さんは歌手としても活動していますが、こちらも声優さんとは違った大変さがありそうですね。
平野 声優は役によって色々な声を出せる変幻自在さが魅力ですが、歌の場合は特に最初のキャラクターの設定がありませんからね。元々歌は好きだったんですけど、最初に〈自分なりの歌い方〉を掴むのが大変で。"どうやったら曲を聞いただけで「平野綾だ!!」と分かってもらえるか?"は色々と考えました。最近ようやく、その〈私っぽさ〉が明確になってきたかな。
――その平野さんっぽさとは?
平野 まずは〈勢い〉。そして〈みんなに元気やパワーを与えられるキャラクター〉ですね。その辺りを歌から感じ取ってもらえると嬉しいな。
――この7月16日には、1stアルバム『RIOT GIRL』が発売されますが、こちらは今までの平野綾的なイメージの曲もあれば、それ以外にも様々な世界観を持った楽曲が揃いましたね。
平野 そうなんです。この作品は、〈ソロデビューしてから2年半の平野綾+これからの平野 綾が詰まった作品になった〉と自分では思っていて。私自身、この2年半で色々な方向性やキャラクタ−を曲ごとに表現してきたんで、果たしてこれが一枚のアルバムにまとまるのか?が不安だったんですが、なんとか自然に上手くまとまりました。私は声優が本業なので、あえて曲の世界観によって歌い方も全く変えてみたりして。曲の主人公の気持ちに入り込む辺りは、声優の役作りにも似ていますからね。どの曲も今の私を表現するには欠かせない曲たちばかりなんです。
――このアルバムの聴きどころを教えて下さい。
平野 色々なタイプの平野綾が入っていますが、逆に〈平野綾らしくない曲〉は一切入ってないと思うんですよ。どれも平野綾だし、全部が平野綾なんです。その辺りを是非楽しんでもらいたいですね。
――この秋には待望の1stコンサートツアーが始まりますが、その意気込みを聞かせて下さい。
平野 念願だったコンサートが出来るので、今からとても楽しみにしています。カッコイイアルバムが出来たので、是非みなさんと盛り上がりたいですね。 |
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――ここからは平野さんの高校時代のお話に移りたいのですが。平野さんはどのような高校生でした?
平野 中学の頃は、それこそガリ勉タイプだったんですけど、高校に入ってからは自由な校風だったこともあり、一気にハジけましたね(笑)。好きなものに対する興味が一気に増して、どれもこれも手を出して一生懸命取り組んでました。授業では倫理が大好きで、かなり哲学系の本も読んでたし(笑)。そこから自分で深く色々なことを考える機会も多くなって。あと、それまでは撮られる側だったので、撮る側の気持ちが知りたくて写真部に入ってました(笑)。とは言え、結局人物はほとんど撮らず、風景や静物を写してばかりでしたけど(笑)。でもそこから視点や客観性を養ったり、学ぶことも出来ましたからね。それらは今でもかなり役立っています。
――最後に高校生にメッセージをお願いします。
平野 私は、〈普段の生活が後々の仕事に役立たないことはない〉と思っていて。実は経験って後々凄く色々なものに活かされていて、私もそれを実感することが非常に多いんです。なので、今みなさんが頑張っていることも、絶対に近い将来みなさんの役に立つことに繋がっているので、それを信じて一日一日を大事に充実感を持って過ごして下さい。
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