福岡市立病院の整備をめぐり、こども病院・感染症センター(中央区)で5日開かれた患者、家族への説明会で、市は現時点で想定する新こども病院の姿を示し、建物のイメージも公開した。根強い反対の声がある「人工島移転」を前提に、市が着々と新病院建設の作業を進めていることをうかがわせる。
市が示した「新病院の概要」によると、新しいこども病院が担う医療は(1)高度小児(2)地域小児(3)小児救急(4)周産期(新生児中心)。感染症医療は外した。ベッド数は190‐260床。
新病院の敷地面積は従来の方針通り3ヘクタール。うち0.9ヘクタールが病院本体分。300台収容の駐車場(現在105台収容)0.9ヘクタール▽車道0.4ヘクタール▽介添え家族用ファミリーハウスが0.2ヘクタール▽緑地が0.6ヘクタール‐と割り振った。
病院本体の敷地0.9ヘクタールのうち、0.2ヘクタールは将来の機能拡張スペース。同市保健福祉局は「新病院整備後、医療の集約化や拠点化が進み、技術や機器が進歩することは確実」と予測している。
5階建ての1階は、外来や救急のほか、リハビリ、生活利便施設。2階は厚生、管理、薬剤室など。3階は手術室や新生児集中治療室(NICU)、産科病棟など。4、5階は病棟で、屋上にヘリポートを設け、2‐4階には階段状の屋上庭園を備えるとしている。
市は「今回の計画は、宮城県や長野県などの公立の小児医療施設を参考にした。詳細は8月中にまとめる基本構想案で示したい」としている。
=2008/07/08付 西日本新聞朝刊=