教員採用試験をめぐる汚職事件で大分県が揺れています。
県教育委員会ナンバー2の男とその部下の男は、試験合格に便宜を図った見返りに、商品券などを賄賂として受け取った疑いで逮捕されました。その後、部下の男は、この2年間だけで30件以上の口利きを行っていた疑いがあることが関係者の証言でわかりました。
収賄の疑いで逮捕されたのは、大分県教育委員会のナンバー2の立場にあった元教育審議監、二宮政人容疑者(61)と義務教育課参事の江藤勝由容疑者(52)です。
警察の調べによりますと、二宮容疑者は、おととしの教員採用試験をめぐり、小学校の教頭夫妻から長女の合格に便宜を図るよう依頼され、当時の部下だった江藤容疑者と同様に100万円分の商品券を受け取った疑いです。
逮捕の8時間前、二宮容疑者はJNNの取材に応じ、事件への関与を否定していました。
「ないね、そのようなことは。あってはならないわな」(逮捕前の二宮政人 容疑者)
さらに、採用試験の問題点にも触れ、透明性を確保することが大事とも述べていました。
「外部機関を入れなさいという意見もありましたね。やっぱり公平、透明性かな。そういうものをどうすれば保てるかが大事じゃないですかね」(逮捕前の二宮政人 容疑者)
二宮容疑者は、採用試験の一次試験終了後、江藤容疑者から採点結果の成績表を提出された際、10人以上の名前に印をつけ、得点を加えて合格させるよう指示していたことが関係者の話で明らかになりました。
江藤容疑者による採用試験の口利きは、2007年度と2008年度の2年間で30人以上に上るとみられています。(07日16:40)