コメント、ありがとうございました
ここ数日、グリーンピースの活動を支持する私のブログに対していろいろなコメントをいただきありがとうございました。誤解を招くといけないので、補足を加えることにします。 私は、近代捕鯨も含めて、ぜい弱な生態系を破壊し持続可能でない事業に反対しています。捕鯨に限らず、現代の経済システムの多くが持続可能でなく見直しが必要なのです。そのオルタナティブを示すために、さまざまな団体が説得力のあるデータや対案を示しています。システムが機能するために必要なのは、透明性と説明責任です。 それから、グリーンピースのスタッフの釈放を求めることは、「窃盗をよしとする」ものではありません。 この署名アクションは、グリーンピースのスタッフの「逮捕・拘留は不当であり釈放すべき」と求めています。窃盗であるかどうかの最終判断やそれに基づく処罰は司法に委ねられるべきことです。 違法行為を行ったと疑われる人を拘留するのは、証拠隠滅や逃亡の恐れがある場合ですが、今回グリーンピースのスタッフは、経過を記した上申書を警察に提出し、いつでも事情聴取に応じると申し出ていたそうです。にもかかわらず二人を逮捕・拘留することは不当であり、二人は釈放されるべきです。今回の不当な対応について、国側の対応には透明性や説明責任が欠けていると思います。 今、企業にはCSR(企業の社会的責任)が求められています。公的機関も同様に社会的責任を果たしてほしいと思います。 ちょうど昨日、東京で捕鯨問題についての公開討論が行われ、同様の声明が発表されました。 声明に賛同する方の署名が呼びかけられています。こちらは日本語なので、ぜひより多くの人に参加していただきたいと思います。 共同声明採択と署名開始
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国家の「いじめ」にあう、グリーンピースの活動家たち
人権、動物の権利、環境問題のために立ち上がる人々を国が痛めつける・・・これほど私を怒らせ、血の煮えたぎる思いをすることは他にありません。グリーンピース・ジャパンの活動家2人が日本の警察に逮捕されました。2人は、日本政府が資金を拠出している、調査捕鯨の鯨肉横領スキャンダルを告発していました。グリーンピース・ジャパンによって確保された鯨肉。日本政府による南極海捕鯨調査で、大規模な横領が行われていたことを、グリーンピースが独自に調査し、明らかにした。グリーンピースの4ヶ月に及ぶ調査で、調査捕鯨団の元船員および現在の船員らにより、毎年数千ドル相当の鯨肉が横領されていること、しかも政府所管の日本鯨類研究所の役人も、共同船舶の乗組員も着服については知っていながら黙認していた。調査捕鯨には、日本の納税者が資金を出しているにもかかわらず。 (写真:トヨダナオミ/グリーンピース) グリーンピース・ジャパンの捕鯨キャンペーン・コーディネイター、佐藤潤一氏が、日本政府後援の南極海捕鯨調査団での、大規模な鯨肉横領を調査中にグリーンピースが入手した鯨肉を手に説明しているところ。 (グリーンピース/トヨダナオミ) 逮捕された2人の活動家、佐藤潤一さん(31)と鈴木徹さん(41)は、刑務所での10日間の勾留を受けました。また東京都内にあるグリーンピース・ジャパンの事務所では、40人もの警察官による家宅捜索でコンピューター、資料書類、携帯電話が押収されました。彼らに科せられた犯罪は何なのでしょう? 2人は、100万円相当以上の高価な鯨肉が捕鯨船団から乗組員によって着服されていることを明らかにする証拠を確保しようとしていたのです。彼らの狙いは捕鯨船の乗組員ではなく、このスキャンダルに関与した官僚たちです。日本の納税者が納めた税金から、なんとこの捕鯨調査になんと年間約5億円も拠出されているのです。 私は、日本の多くの活動家とともに、2人の釈放を求める運動に参加しています。すでに15万人もの人々が支持を表明しています。みなさんもぜひ、他の人たちにも声をかけて、いっしょに行動してください。オンラインで署名ができます。 京都で開催された捕鯨会議のことを思い出しました。一般市民に鯨肉をすすめるスタンドが用意されて、鯨肉があたかも日本の伝統食として欠かせない食材であるかのように見せていました。しかし実際には、いくつかの港町で地元の人々がほんの時おり鯨肉を食べる習慣があったことを除けば、鯨肉が食べられるようになったのは第二次世界大戦後のこと。他の肉や魚が手に入りにくかったときに、食材として利用されるようになったのです。 「調査」「科学」の名のもとに行われている捕鯨は、それだけでも大問題ですが、さらに、納税者のお金を無駄遣いし、一部の関係者が私腹を肥やし、鯨肉を大いに楽しむことまで許しているのです。
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2008年5月10日 世界フェアトレード・デー
in Tokyo とっても嬉しくなる出来事が、1つ、2つ、3つ・・・・たくさんありました! ![]() 今年の世界フェアトレード・デーは、東京で開催したグローバル・ヴィレッジ/ピープル・ツリーのイベントが、過去最高の盛り上がりを見せました! 来場者約800人は、インドとフィリピンから来日したピープル・ツリーのパートナー生産者団体の代表や、メディア関係者、オピニオン・リーダーらによるフェアトレードに関するセミナーなどに参加しました。 私は、フェアトレードと環境をテーマに、フェアトレードを通してオーガニック農業と手仕事を推進することが、CO2、地球温暖化、気象変動などの問題に対していかに抑制効果があるかを話しました。 インドでオーガニック・コットン栽培農家を支援する組織「アグロセル」のサイレシュが、自分たちの活動について報告しているところ フェアトレードとエコロジーの関係について話すサフィア サフィアの自叙伝出版を祝う、マリ・クレール編集長 生駒芳子さんとサフィア。本はこちらからお買い求めいただけます! フェアトレード・ヘンプを使ったアクセサリー作りのワークショップにて。幼い娘に、フェアトレード・ブレスレットの作り方を教えている参加者 マエキタミヤコさん(『エコシフト』の著者)は、ピープル・ツリーのファッションアイテムをまとって登場 デザイナーとのコラボ第1弾、「People Tree for Vogue」を紹介するサフィア 「マリ・クレール」の生駒編集長は、エコなライフスタイルを先駆的に提案。ファッションブランド「MIHARAYASUHIRO」の陵本さんは、エコバッグやオーガニック・コットン、環境団体とのコラボなどの取り組みを紹介 フェアトレード・バナナ!!! アグロセルのサイレシュ・パテル氏とサフィー・ハンディクラフトのフロニー・ラピタン氏による生産現場からの報告を通して、フェアトレードが環境問題の対策としてどれだけ大きな影響をもたらすかが実証されました。例えばアグロセルでは、オーガニック農業によって1エーカーあたり1.5トンのCO2が土壌に吸収されます。また機械でなく手で布を織ることによって、織り機1台あたり年間1トンのCO2の削減が可能となります。つまり、フェアトレードは、社会正義だけでなく、環境正義をももたらすことができるのです。すごい! 2つめの理由。 ピープル・ツリーはじまって以来、最高のフェアトレード・ファッションショーが実現したことです。 ファッションショーの成功は、かかわったみなさんの努力の賜物です。生産者のみなさん、ピープル・ツリーのデザインと商品開発チーム、ショーに力を貸してくださったプロフェッショナルのみなさん、そして国際的に有名なデザイナーのみなさん。ボラ・アクス、サクーン、リチャード・ニコルとのコラボレーションアイテム、ピープル・ツリーの2008春夏&秋冬コレクションも紹介しました。ここでは、春夏コレクションだけを写真でご紹介します。秋冬コレクションの写真は、もうしばらくお待ちください! ファッションショーの様子は、来週末ごろビデオでご覧いただくことができるようになります。 ピープル・ツリーのファッションショーより ![]() ボラ・アクスは、ピープル・ツリーのために、手織りのシルクとコットンに、草木染めと手刺繍をほどこした3商品をデザインしてくれました。すてき! ![]() アクセサリーは、ケニアのフェアトレード団体「ボンボルル」で手作りされたネックレスとイヤリング ![]() ![]() サクーンとピープル・ツリーのコラボ。2008年春夏コレクションより。フェアトレードのオーガニック・コットンを素材に、なめらかな曲線を活かしたデザイン ![]() ![]() ![]() ![]() ピープル・ツリー・ロンドンの商品。クロシェ・カーディガンと、オーガニック素材を活かしたアイテム ![]() ![]() 手織りの生地にスクリーンプリントをほどこしたドレス ![]() イラストレーター、マシュー・ランガイルがピープル・ツリーのためにデザインしたTシャツ ![]() ![]() ジンバブエの生産者によるスクリーン・プリントのTシャツ そして3つめの理由。 私の自叙伝が出版されました! 会場では、100人近くの人たちが私のサインのために並んでくれました。こんな称賛をいただいたのは初めて! イギリスのブレア前首相の奥さん、シェリー・ブレア氏の自叙伝には、淫らな話がいくつも出てきます。たとえば、王室一家とバルモラル城に滞在したとき、コンドームを持参しなかったために、(ハウスキーパーがゲストのスーツケースをすべて開けて、中身を勝手に片付けてしまうため、コンドームを見られては恥ずかしいから・・・という理由だそうですが)、その結果1ヶ月後に妊娠していることがわかったとか・・・。私の自伝にはそんな話は出てきませんのであしからず。(英語版はまだありませんので、日本語を読まない方は、勉強してくださいね!)英語版の出版をご検討くださる方は、ぜひご連絡ください! 世界中で、世界フェアトレード・デーを祝うイベントが行われました。 ネパールの「KTS」では、みんなで帽子を編みました! そしてKTSの運営する学校では、子どもたちが世界フェアトレード・デーを題材に絵を描きました インドの生産者団体「プシュパンジャリ」では、今年のテーマ「フェアトレード+エコロジー」に合わせ、環境問題に意識を高めようと植林が行われました
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持続可能なファッションの新たな全貌 ─ 英オックスファムが新ショップをオープン
in London ノッティング・ヒルにオックスファムが新たにエシカルファッション・ブティックを開店し、今日はそれに合せたかのような素晴らしいお天気。本当に美しい夜でした。 リサイクルやリメイク、フェアトレード、そしてエシカルなファッショがいっぱいに並べられた店内は、シンプルでありながらエレガント。誰もが足を運んでみたくなることまちがいありません。ピープル・ツリーは、ここで扱われているフェアトレード・ブランドとしては最大で、ハイ・ストリートのお店の中でも、ここがピープル・ツリーの商品をもっとも幅広くそろえています。(イギリスでピープル・ツリーを扱う他のお店についてはこちらを参照ください) ピープル・ツリーの顧問もつとめるジェーン・シェパードソンとオックスファム・チームは、デザイナーのクリストファー・ケイン、ジャイルズ・ディーコン、スティーヴン・ジョーンズ、ヘンリー・ホランド、リチャード・ソーガー、イエンス・ラウガセンらの協力を得て、それぞれにリスタイル・コーナー用の1点もの商品をデザインしてもらったそうです。ここには、ファッション関係の学生がリサイクルした作品を寄付してもらう予定だそうで、それとならんで厳選されたリサイクル衣料品やアンティーク、そしてフェアトレードやエシカルな商品が並ぶことになっています。売り上げは、オックスファムの活動を支援する資金として活かされるのです。 店内の商品には、5種類の表示がつけられています。 1)フェアトレード 2)再発明 (Reinvented)・・・ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションの学生がリメイクし、寄付した商品 3)長く愛して欲しいもの (Loved for Longer)・・・寄付された中古商品から、セレクトされたもの 4)愛をこめて作られたもの (Made with Love)・・・ボランティアがリメイクしたもの 5)善意のファッション (Good Fashion Sense)・・・オーガニックやリサイクル、代替繊維などを使い、世界をよくしようとしている商品 このノッティング・ヒルのお店のほかにも、同じコンセプトのお店が3店舗オープンします。 ・ オックスファム (245 Westbourne Grove, W11 2SB) : 5月10日オープン ・ オックスファム (123 Shawfield Street Kings Road, Kensington and Chelsea, London, SW3 4PL) : 5月17日オープン ・ オックスファム (Chiswick) : 5月下旬オープン
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フェアトレード ─ 社会正義と環境正義をつなげる
in London 今年5月10日の世界フェアトレード・デーのテーマは、「フェアトレード+エコロジー」です。どちらもピープル・ツリーがもっとも情熱をかけて取り組んでいることです。火曜日にロンドンで開いた記者会見では、集まったメディアに対し、フェアトレードが持続可能な貿易の新たなモデルを構築しつつあること、こうしたモデルの規模拡大が地球温暖化を抑制し、社会・環境正義を推進する上で非常に重要であることを伝えました。 月曜日には、ビルマで起きたサイクロンによる壊滅的な被害が伝えられ、最初は3万人とされていた犠牲者の推定数が、4万人またはそれ以上にも上ることが明らかになりました(こうやって数字だけが伝えられるとき、その背後にある犠牲者1人ひとりの命の尊さが影に隠れがちです)。 地球温暖化と気候変動は、昨今、天候による災害の数と規模が拡大し続けていることにも影響を及ぼしています。1970年代には発生数が1110件であったのが、1993年〜2002年の10年間では2953件に、犠牲者数は7億4000万人であったのが25億人に増加しています。 FAOの推定では、食料の貯蔵量が地球規模で少なくなっており、このままでは価格が高騰し貧しい人々や既に飢餓にある人々に行き渡らないことになるだろう、そして旱魃による影響が著しいとのことです。 気候変動と、全体的な必要性を考慮しない短期的視野の経済政策があいまって、制御できない状態を生んでいるのです。省エネに向けて消費者を教育するかわりに、バイオエネルギーの生産をすすめてそのために穀類が転用されています。また私たちと同じように、中国人による肉の消費量が倍増していることで、貴重な穀類が家畜の餌にまわっています。今明らかに必要だと言えるのは、環境や人間の暮らしをこれ以上破壊することなく、人間の基本的なニーズを満たす形で、解決の手だてや新しいシステムを創造することなのです。 世界フェアトレード・デーとIFATでは、消費者に自分たちの暮らしを見つめ直し、社会的にも環境的にも公正なモデルを以下のような方法でつくり、それを普及していくことを呼びかけています。 ・ 自然資源と生分解可能な原材料の、持続可能な利用を通して ・ 手仕事による生産、資金と石油に依存しない生産を支援することを通して ・ 生産者パートナーが環境にやさしい生産方法に投資し、環境負荷が最小限になるよう協力する こういった理由から、フェアトレードは、オーガニック農法および生産を支援します。オーガニック農法だと、1エーカーあたり年間約1.5トンの二酸化炭素が大気から土壌に吸収されると推測されています。さらに手仕事による生産と加工で、二酸化炭素の排出が抑制されます。地球に豊富に存在する唯一の自然資源、つまり人の手をもっと利用した方がよいことは明らかでしょう。 写真は、わたしの友人の写真家ミキ・アルカルデがバングラデシュで撮影したもの ピープル・ツリーは、ビルマにパートナー団体がいないため、今回被災されたビルマの人々のために寄付金を募ったり、直接的な支援をすることはできません。ですが、皆さんがよくご存知の組織を通じて支援されるようにおすすめします。 環境破壊の影響で家を後にしなくてはならない人々の数が増加するにつれて、短期的な経済政策によって引き起こされる真のコストは無視できなくなってくるでしょう。赤十字によれば、環境破壊で難民となる人が戦争による難民を上回っているそうです。また、国連によれば、2019年までに、環境難民が5億人にも及ぶだろうとのことです。(出典) ピープルツリーは月曜に記者会見を開催しましたが、ウォー・オン・ウォント(War on Want)のジョン・ヒラリー氏と、国際的なファションデザイナーのボラ・アクス氏、そして、アベダのアマンダ・ル・ルー氏も同席してくれました。みなさん、人類に対する愛と、現状をよりよい方向に変えていきたいという願いをもって集まってくれたのです。みなさん本当にどうもありがとう!
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