槇原敬之さん松本零士さん
歌手の槇原敬之(のりゆき)さん(39)が書いた歌詞が、漫画家松本零士さん(70)の漫画「銀河鉄道999」のせりふを無断利用したものかどうかが争われた訴訟が7日、東京地裁(清水節裁判長)であり、証人として出廷した2人が、法廷で「直接対決」した。
松本さんが「盗作された」とメディアで主張したことを受け、槇原さん側が「せりふは著作物ではなく、逆に松本さんの発言で名誉を傷つけられた」として、著作権侵害でないことの確認や損害賠償を求めて提訴していた。
問題となったのは、槇原さんが作詞し、人気デュオ「CHEMISTRY(ケミストリー)」が歌う「約束の場所」の歌詞に出てくる「夢は時間を裏切らない/時間も夢を決して裏切らない」という部分。松本さんは、「999」に出てくる「時間は夢を裏切らない/夢も時間を裏切ってはならない」というせりふの盗作だと主張している。
証人尋問で槇原さんは、このせりふについて「全く知らなかった」と述べ、「(覚せい剤所持の)事件を起こして以来、仏教を勉強していた。歌詞は『因果応報』の教えを、分かりやすく伝えたものだ」と説明した。
一方、松本さんは、せりふについて、「座右の銘として公に発表し続けてきた大事な言葉で、傷つけられた思いだ」と述べ、槇原さんに対して「公の場で謝罪してほしい」と訴えた。(河原田慎一)