労働組合は誰のために?
先日の記事のコメントで、大浦さんからこんな質問をいただきました。
労働組合って、なんのために活動してるのか?
派遣ユニオンのことじゃなくて、世間一般の労働組合に対する感想なんですが
労働者の給料や休暇や身分保証の権利を守るため、
なのか
自身の労働によって社会に価値を提供したいのか?
労働組合については、意外と誤解している人も多いようなので、ちょっと書いておきます。
その誤解というのは、
「労働組合は労働者の権利を守るために活動している」
というものです。
でも、労働組合は労働者の権利を守るための組織ではありません。
彼らが守るのは、
組合員の権利
です。
このことは、欧米で仕事をしようとするとよく分かります。
たとえば、アメリカで芸能活動をしようとすると、まずユニオンに入らなければ仕事が出来ません。
たとえスターといえども、時間を切り売りして報酬を得ているという意味では、芸能人も労働者階級なのですが、アメリカの芸能人ユニオンは、組合員ではない外国の芸能労働者の権利なんか守りません。むしろ、排斥しようとします。
労働組合の本質というのは、こういうことですね。
でも、それは組合員自身の市場価値を守るということでもあるので、間違っているわけではありません。
ただ、労働組合も経営者的センスがないと、結局は自分で自分の首を絞めるという結果になります。権利だけ押し通せても、それで会社の業績が悪化したら給料は安くなる。
少なくとも、戦後の日本の企業で、組合が強くて組合員の給料が高い、なんて企業は聞いたことがありません。
民間企業で給料の高い企業は、ほとんど例外なく、組合は弱いです。
一般の従業員にとって、組合活動が充実しているのと、給料が高いのと、どっちが幸せか。答えは明白です。
何でそうなるのか、労働組合の人も考えてみてはどうでしょう?(竹井)
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コメント
彼らが守るのは、「組合員の権利」
そおいうことでしたか、フーン
「労働組合も経営者的センスがないと、結局は自分で自分の首を絞めるという結果になります。」
ここが肝心ですネ。
でも、それってムリじゃないかと思います。
そんなセンスがある人なら、とっくに経営者の側に移ってるでしょう。
さて彼らにとってグッドウィル廃業をビッグチャンスにできるかどおか?
(経営者の視点を持てるかどおか?それは権利ではなく、使命感だと思うんだけど)
がんばるなら応援するけど、
まだ権利云々言ってるなら
「勝手にどおぞ」と冷たくします、ハイ
投稿 大浦 | 2008年7月 2日 (水) 11時56分
>そんなセンスがある人なら、とっくに経営者の側に移ってるでしょう。
そこが最大の問題点なんですよね〜
今なら、グッドウィルなんか、1円で買えちゃうかもしれません。
ホント、ビッグチャンスだと思います。
投稿 竹井善昭 | 2008年7月 5日 (土) 15時53分