「 asakuraxnagato」への反応
『唯物論研究 第104号 アニメ批評のエクソダス』
http://asakuraxnagato.wordpress.com/ 2008/ 07/ 07/ yuibuturon/http://www.libroria.net/shopdetail/005000000003/ 山本寛氏のインタビューについて。 山本氏のハルヒ理解の問題点は、「異性と接することがかならずしも個人の救済とはならない」という谷川流の問題意識を取りこぼしている点にある。 これについては夏葉薫氏が『憂鬱』のレビューで指摘している。 “主人公は軟弱者であり、であればこそハルヒの闘争の激越さには耐えられない。であったとしても、その軟弱さゆえの敗北にハルヒを巻き込む事の浅ましさは看過して良いのか。ハルヒが初めて親しく接した異性である主人公に抱いてしまった恋心こそが彼女の幸福であると何故言えるのか。 超越を巡るSF的な興味を人格小説的な恋愛の興味へ回収する事の俗悪さたるや!” (http://d.hatena.ne.jp/kaolu4s/20030626) そして何よりも、『消失』の主題が 1.キョンのサークルクラッシャー性 2.乙女心の破壊的側面 3.教養小説イデオロギーに対するオルタナティブとしての朝倉×長門 であることを鑑みれば、SOS団という時空だけを前景化したアニメ版ハルヒは戦略としては間違っていないことを認めはしても、小説家・谷川流へのアプローチとしては決定的に誤っていると言わざるを得ない。それが意図的なものなら、なおさらだ。
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