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韓国の経済指標、軒並み最悪水準に

 10年ぶりの高さとなった物価上昇率、11年ぶりの経常赤字、過去最高の家計負債-。経済事情が悪化し、アジア通貨危機以降最悪、あるいは過去最悪のレベルへと悪化する経済指標が続出している。

 統計庁と韓国銀行によると、主婦、学生、就職断念者など経済活動を行わない非経済活動人口は今年1-5月の平均が1532万人となり、過去最高を記録した。働き口が減り、就職をあきらめる人が増えているためだ。韓国銀行は今年の就業者増加数が19万人にとどまり、2003年(3万人減)以来最も低調に推移するとみている。非経済活動人口も年平均1521万人となり、史上初めて1500万人を超える見通しだ。

 6月の消費者物価は前年同月比5.5%上昇し、1998年11月(6.8%)以来9年7カ月ぶりの高さとなった。5月の輸入物価上昇率は44.6%で、98年3月(49%)以来最高を記録した。このうち、農林水産物の輸入物価は44.8%の上昇で、80年12月(48.3%)以来28年ぶりの高さとなった。

 景気低迷にもかかわらず、9年ぶりの高い伸びを示した市中流動性は物価をさらに不安定にしている。金利上昇で家計負債が過去最高の640兆ウォン(約65兆円)に達したほか、企業向け融資も不良債権化の懸念が高まっている。企画財政部関係者は「金利上昇で低所得層の元利償還負担が重くなる恐れがある。家庭向けの不良債権が増加すれば民間消費をさらに冷え込ませる可能性がある」と指摘した。

 企業投資も過去7年で最悪の状況だ。5月の企業による設備投資は前年同月に比べ2.5%減少し、03年12月以来初めて2カ月連続のマイナスを記録した。このうち、機械類は01年11月以来の5カ月連続マイナスとなった。韓国銀行が発表した6月の製造業採算性業況指数(BSI)は68ポイントで、98年7-9月期以来10年ぶりの低水準となった。

 高騰する物価と雇用低迷は国民の懐事情を通貨危機当時のレベルにまで悪化させている。所得指標の国内総所得(GNI)は1-3月期に0.2%の伸びにとどまった。LG経済研究院など主要シンクタンクは今年の所得指標が98年以来初めてマイナスに転じると予測している。

鄭恵全(チョン・ヘジョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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