 松井は好機に凡退、連続試合安打も止まったが、リーグ首位打者をキープ(小倉元司撮影、クリックで拡大) |
【ミネアポリス=米沢秀明】ヤンキースの松井秀喜外野手は1日、ツインズ戦に5番DHで先発出場し、4打数無安打で連続試合安打は9でストップ。試合も打線がつながらず1−5で敗れた。打率は.330に下げたが、リーグトップを維持している。
この日、走者を得点圏に置いて打順が回ったものの松井のバットは久しぶりにひと休み。1打席目は1回2死一、二塁から、初対戦の右腕ブラックバーンの外角球をうまくとらえたが左飛に。先制できなかったことから流れはツインズへ傾いた。
2点のリードを許した3回2死満塁のチャンスでも詰まり気味の打球。2球目のスライダーを打ったが、二塁正面へのゴロとなって絶好の反撃のチャンスを逸した。後続打席も投ゴロ、二塁ゴロ。
試合はブラックバーンが投直を顔面に受けて退場するアクシデントもあったが、ヤンキースはツインズの中継ぎ陣を捕まえきれず、ジーターのソロ本塁打の1点に抑え込まれた。
「チャンスを生かし切れなかったのが痛かったですね。少し差し込まれてしまった。詰まったのは相手というより自分自身の問題。打つべきボールを打ったが打ち損じだった」と松井。本人の感覚としては打てない球ではなかっただけに、残念そうな表情。ゲンを担いだようにうっすら伸ばしていたひげも試合終了後にさっぱりそり上げて翌日に備えた。
一方、松井の今季の活躍について米地元紙がようやく大きく報道を始めた。今季、松井に関する記事は比較的少なかったが、開幕2カ月の堅実な働きに対して高評価で各メディアが一致した。
NYデイリーニューズ紙は「松井の5月打率は.350で首位打者だ。今季松井は期待されているというわけではなかったが、球界で最もプロフェッショナルな打者の1人であることを自分で示してみせた。まあ、それは以前からそうだったけど」とあらためて実力を評価した。
NYポスト紙は「ゴジラはバットマンみたいだ−初の首位打者タイトルを奪うのかどうかはまだ経過を見なければいけない。しかし、松井が序盤2カ月間、ヤンキースMVPであり続けている」としている。このままの調子を維持すれば球宴出場の可能性も高そうだ。
また、スターレジャー紙は「首位打者松井をア・リーグが追いかける−重量打線のヤンキースだけに、誰かが打率首位を走るのは当然だ。しかし、松井が行くとは最初は思わなかったかもしれない」との記事。
右膝手術で一時は先発争いをする立場から、首位打者争いをするまでに復帰したゴジラの逆襲に驚きを隠せない様子。得意の夏場で例年通りに爆発できるかどうかに今季成績の行方はかかっている。
【松井の全打席】
1回 左飛
3回 二ゴロ
5回 投ゴロ
8回 二ゴロ
【公式戦通算】打率.330 本塁打6 打点26
ZAKZAK 2008/06/02