2008年03月06日
石巻の小学校校長セクハラ事件ですが
こちらでは話題になってますかね?
本館に、地元の方からのコメントなども来ています。
ま、飛鳥もいろいろ言われたんでしょうが、この校長も相当とんでもないヤツらしいですね。
どうとんでもないかというと、宮城県教育委員会とやはり繋がりがあったらしく、おかげで「訓告」なんて処分にもならない処分で終わったらしいですね。
そんなもんです宮城県教育委員会なんて。さすがです。
http://blitzcat.blog.so-net.ne.jp/2008-03-06
行けたら、行ってみて下さいな。
それと、
http://blitzcat.blog.so-net.ne.jp/2008-03-06-1
こちら、M県教育委員会の「証拠」がどれ程偽造捏造だらけかということを語り始めました。また、例の動画もリンク貼ってます。
この記事は、本編のあちこちにリンクしていて、読みながら重要な内容を確認していけます。
また、M県教育委員会提出の証拠と対になる書類も紹介しています。ぜひ見比べてほしいですね。笑ってしまうから。
で、本編次回は、さらにとんでもないものをぶっ潰していきます。
話もしたことのない女子中学生のことを、「何度も彼女に意志を確認してますが」とへらへら言い放つ、当時し%%%台中学校の校長だったH川N美というカス野郎。
そして、そのカスH川の学校で当時起こっていた、「生徒会役員同士の、生徒会室でのセックス」。
今こそ語ろう。
なんてね。では。
本館に、地元の方からのコメントなども来ています。
ま、飛鳥もいろいろ言われたんでしょうが、この校長も相当とんでもないヤツらしいですね。
どうとんでもないかというと、宮城県教育委員会とやはり繋がりがあったらしく、おかげで「訓告」なんて処分にもならない処分で終わったらしいですね。
そんなもんです宮城県教育委員会なんて。さすがです。
http://blitzcat.blog.so-net.ne.jp/2008-03-06
行けたら、行ってみて下さいな。
それと、
http://blitzcat.blog.so-net.ne.jp/2008-03-06-1
こちら、M県教育委員会の「証拠」がどれ程偽造捏造だらけかということを語り始めました。また、例の動画もリンク貼ってます。
この記事は、本編のあちこちにリンクしていて、読みながら重要な内容を確認していけます。
また、M県教育委員会提出の証拠と対になる書類も紹介しています。ぜひ見比べてほしいですね。笑ってしまうから。
で、本編次回は、さらにとんでもないものをぶっ潰していきます。
話もしたことのない女子中学生のことを、「何度も彼女に意志を確認してますが」とへらへら言い放つ、当時し%%%台中学校の校長だったH川N美というカス野郎。
そして、そのカスH川の学校で当時起こっていた、「生徒会役員同士の、生徒会室でのセックス」。
今こそ語ろう。
なんてね。では。
Posted by 飛鳥エイジ at
19:37
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2008年03月06日
YouTube活用開始!!
いや、すごい再生回数になってますな。
夕方上げたばかりなのに200回以上!?
飛鳥の不服申立に関して石原マチ本人がビデオ出演し、証言してくれたものの一部を上げて、本館で見られるようにしました。
ぜひ、パソコン端末の方は本館を覗いてやってください。
これ以上ないほどの「決定的証拠」が、そのあとどのように扱われたか。
あ、先週の「それでもボクはやってない」を思い出してもらえるとイイかも、です。

これの動画版が見られます。もちろん音声付き。
どんな証言がなされているか、記事と併せて見て頂けると面白いです。
凄まじいですね。でも、本当にこんなことがあったんですよ。
平成15年のM県で、ね。
と、近くオフ会情報もあげていきますね。
予定集合場所は、この辺でいかがでしょうか?
夕方上げたばかりなのに200回以上!?
飛鳥の不服申立に関して石原マチ本人がビデオ出演し、証言してくれたものの一部を上げて、本館で見られるようにしました。
ぜひ、パソコン端末の方は本館を覗いてやってください。
これ以上ないほどの「決定的証拠」が、そのあとどのように扱われたか。
あ、先週の「それでもボクはやってない」を思い出してもらえるとイイかも、です。
これの動画版が見られます。もちろん音声付き。
どんな証言がなされているか、記事と併せて見て頂けると面白いです。
凄まじいですね。でも、本当にこんなことがあったんですよ。
平成15年のM県で、ね。
と、近くオフ会情報もあげていきますね。
予定集合場所は、この辺でいかがでしょうか?
Posted by 飛鳥エイジ at
07:33
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2008年03月05日
本編3-24 「マチ、お前は死なない…飛鳥の証は命を賭けて
確か、「9月1日」の記事を綴るときにも、使ったと思う。
人間万事塞翁が馬
本当に、人間は一瞬先の運命さえ知ることは出来ない。細木和子あたりがどんだけ「あんたはねぇ」と占ってみたところで、人は、わずか一秒先の出来事さえ知ることは出来ない生き物なのだ。
そう、人は運命に翻弄されるしかないのである。良くも、悪くも。
だが、それだけに、ドラマは突然にやってくる。俺、飛鳥エイジは、どんな占いを見ても、「平穏な人生は送れない」と出てしまう。所詮占いは占いだが、その点だけは妙に納得してしまう。
人は誰でも、自分の人生が最大のドラマだと思っているものかも知れない。俺も、自分のこの人生は稀有であると考えている。
この日俺の身に起こったことは、人の意思が介在することの出来ない完全な「偶然」である。それだけに、運命はよくよく俺に奇妙な体験をくれてやりたいらしい……。
平成14年11月3日。入院生活も残りわずかとなったこの日、俺はいつものように目覚め、検温を受け、朝食をとった。
病院食には、慣れたものだ。以前ある病気で1ヶ月入院したときもそうだったが、俺は殆ど食事を残すことはない。まあ大食であるせいもあるが、とにかく好き嫌いがないのだ。病院だろうが拘置所だろうが、出されたものはまず残さずたいらげた。
「おはようございます、先生。」
いつもの野太い声で、飯田が病室に現れる。たった2週間の入院中、飯田は7回も見舞いに来てくれている。しかも、今日は日曜&祝日。当然学校は休みだ。わざわざ、30キロ先のY町から出てきてくれたのだ。
飯田と共に、友香もやってきた。駅一つ隔てた所に住んでいる二人は、連絡を取り合って合流し、俺の見舞いに来てくれていたのだ。まったく……ありがたくて涙が出る。
教え子たちの支えにより、俺の心身は順調に回復していた。平時の心拍数も70台に落ち着き、激しいめまいに襲われることも少なくなってきていた。
二人は、このまま夕方までいてくれるという。「どうせ暇ですから!」と笑う二人だが、休日の高校生が暇なわけがない。むしろ学校のある日の方が暇もあろうに。遊びたいさかりの高校1年生が、俺なんぞのためにこうして時間を使ってくれている。二人の優しさに、俺はどう応えればよいのだろう……。
昼食を取りながら、二人と談笑。病院食は俺にとって量的にはおやつ以下だが、こうして教え子たちと楽しく食べると、腹も心もいっぱいになっていく。たった2週間の時間の中で、俺は何度こんな素晴らしい時間を贈ってもらえたことだろう。この時間が、俺を癒やしてくれたのだ。
心のケガに一番効く薬は、人の心だ。
食事を半分ほど終えたところで、病室のドアをノックする音が響く。
「失礼します。」
若い女性の声と共にドアが開いた。ちょこん、と覗くその顔。忘れるはずもない、俺がこのベッドの上で日々待ちこがれていたその顔。現れたのは、赤いジャンパーにマフラー姿の、マチだった!
「!?」
声にならない。あまりに突然のマチの来訪に、俺は言葉を失い固まってしまった。「くるかも知れない」という程度の約束を交わしていただけだったので、本当に来てもらえるとは思っていなかったのだ。
「よ!エイジ、元気か?」
すっかり馴れ馴れしい口調だが、それが、妙に嬉しい。9月30日以来、一ヶ月ぶりのマチだが、あの日の別れ際に見せた暗さはすっかり消えている。
「マチ……来てくれたのか。ありがとう……。」
ようやく口を開いた俺だが、もう胸がいっぱいで、それ以上食事がのどを通らなくなってしまった。そんな俺を見て、マチが言った。
「ダメだよエイジ。全部食べなきゃ!そんなんじゃ遍路行けないよ。」
……全く、お前ってヤツは、なぜどんな時でも俺を励ましてくれるのだ?現れていきなり「遍路」だ。マチはまるで、俺の心を読んでいるかのように語りかけてくる。

落ち着きを取り戻した俺は、飯田と友香に詫びて病室を出た。二人は、俺のマチへの想いを知っていたため、にこりと頷いて俺を送り出してくれた。
S病院入院病棟最上階にある展望スペース。ここは、訪れる患者もほとんど無く三方をガラスに囲まれた絶好の眺望スポットだ。マチと二人、静かに語り合うには最高の場所だ。
俺は、マチの両肩に手を回し、抱き寄せた。久しぶりの感触に、回復しつつあった俺の心はますます力を取り戻していく。
「うーん、マチはね、あんまりギュウされるのは苦手なんだ。ヤツ(尾山)のこともあってね、男にさわられるの、辛いの。マチが抱いてあげるのはいくらでも大丈夫なんだけどね。」
そう言うと、マチは俺の体に手を回し、背中をポンポンと叩きながら「これならOK!」と笑った。
「ありがとな……。マチ、済まんが、今日は一つだけキツイ話、いいかな?」
「あんまりキツイのはちょっとね。どんな話?」
俺は、入院直前の妻とのやりとりを話した。
「入院のちょい前の夜な、カミさんが『話がある』って詰め寄ってきてな。んで、俺に紙見せるんだよ。何だったと思う?」
「え?う~ん、わかんないけど……。」
「ははは……。離婚届だよ。」
「えっ!!何それ!?」
さすがにマチも驚いたようだ。俺を見上げて目を丸くする。
「俺も参ったよ……。入院がいい機会だから離婚しようって言われてな。さすがに俺もこのタイミングでってのはありえねえと思ったから拒否したけど。そしたら、入院中は息子連れて実家に帰ってるってさ。」
マチの大きな目に、みるみる涙が溢れてきた。
「……何よそれ。エイジの奥さんでしょ!?エイジが一番辛いときに、なんでそんな真似が出来るの!ひどいよそれ!!」
マチは、顔を真っ赤にして叫んだ。俺の話は、彼女にとってあまりにショックだったらしい。マチの両親はとても夫婦仲がいいらしい。マチは、よく誇らしげに俺にその話を聞かせてくれた。それだけに、俺の妻の行動がマチには理解できなかったのだろう。
「わかった、もういい。落ち着け、マチ。俺は大丈夫だから……。カミさんはいつもそうなんだ。それに、俺がバカだから別れるなんて言われるんだよ。仕方ないさ。」
「それにしたって……。エイジが苦しんで入院するってのに、そのすぐ前に離婚だなんて、信じらんないよ……。」
マチが落ち着きを取り戻すまでしばらくかかった。階段の手すりにもたれ掛かって、俺たちはならんで外を眺めていた。休日のS釜の町は、海風に煙ってどこか淋しげだったが、そんな閑かな町の眺めが、今の俺たちにはやけにしっくり来るように思えてならない。
マチと俺は、それからとりとめもない話に興じた。こんな、穏やかな時間が、俺にとって最高の薬になる。
尾山のことは、もう吹っ切るとマチは話した。この先は学校内で求められても応じないと。まあ、新しい恋に生きるという宣言だな。まだ大好きになれる男は見つからないけど、今度はちゃんと自分を一番大切にしてくれる恋人を見つけるんだと、マチは笑った。だが、その笑顔はもう文字には綴れないほど複雑な寂しさに囚われていた。マチの中学校生活は残り4ヶ月ほど。せめてその時間だけでも、異常な状態から解き放たれて、普通の女子中学生として楽しく過ごしてほしいと心から願わずにはいられない。
さて唐突だが。
俺の人生は、やはりドラマのようだ。普通の人々が味わえないこと、滅多に経験できないことが次々と襲ってくる。短い生涯になる予定の俺だが、人一人の一生分くらいは十分に生きたと、そう思える。
出来すぎた物語のような、実話。
俺の左手は、マチの肩を軽く抱いていた。マチも、この軽い接触は心地よいのか、頭を俺の胸につけたまま、この一ヶ月のつもる話を次々と聞かせてくれていた。
その時だった。
ゴウン!という音と共に、ビルが揺れた。
地震だ。初期の揺れが強い。震源が近いかも知れない。マグニチュードの大きさによっては、かなり激しい揺れが続くかもしれん。
俺の瞬時の予想通り、揺れは強さを増していく。ここは病院の最上階。体感的には震度5はゆうにある。
「いやあああぁぁっ!!」
マチが悲鳴をあげてしゃがみ込む。無理もない、立っているのも難しいほどの揺れ。下手に外が丸見えなだけに、建物の揺れが余計に強く感じられることが恐怖を倍増させる。
俺は、マチに覆い被さるようにして、そのまま三方に目をやった。
ガラスは、建物の歪みによって圧し割られると、凄まじいスピードで飛び散る。それは、刃物のシャワーと言っても過言ではない。
左手をマチの後頭部に置き、そのまま鷲掴みにして自分の胸に抱える。左腕はマチの首筋から背骨にかけても完全にカバーする。足は片膝を立て、マチの体を挟み込むように固定し、同時に彼女の腹部をガード。右手は、手すりの一本をがっしりと握り、二人の体をその場に確実にホールドする。70㎏を超える握力は全開だ。
体が激しく横に揺さぶられる。建物自体の倒壊が考えられる程の揺れだった。その場合、階下に逃げれば、いくら俺でもマチを救うことは困難。ならば、ここで三方からガラスの破片を浴びようと、この体勢ならばマチは100%助かる。
例え俺が死んでも、だ。
猛烈な揺れが続く中、俺は全身を盾にしてマチを守った。
「死ぬ!死んじゃう!!」
そう叫ぶマチの耳元で、俺は静かに、ゆっくりと呟いた。
「大丈夫。お前は死なない。俺が、守るから。」
これまでの人生でもそうだったのだが、俺は死が予感されるような状況にあっても、常に冷静でいられる。そして何より、マチだけはなんとしてでも助けるという自信があったゆえ、俺の心は至極平静であった。
マチさえ助かれば、それでよい。
ゴンゴンと音を立てて、病院は震え続けた。その中にあって、俺とマチの体はまるで工具で固定されているかのように動かなかった。俺の視線は、マチではなく、マチに襲いかかる可能性のあるガラス2面に注がれていた。
「大丈夫だ……大丈夫。」
震えるマチに呟き続ける。やがて、揺れは徐々におさまりだした。幸い、ガラスは割れずに済んだ。
「立てるか、マチ。」
「うん……大丈夫、ありがと、エイジ。」
ようやくマチは顔を上げ、安心したように俺の声に応えた。
「なに、俺の命なんて安いもんだ。マチが死んだら、俺も生きちゃいないさ。」
この時、俺は確信した。「マチのために、死ねる」と。
極限状態にあって、俺は一瞬の迷いもなくマチの盾になれた。俺はこの先、どんな時でも躊躇無くマチのために身を投げ出せる。例えその危機がどんなものでも。
立ち上がった俺たちはその様子に目をやった。やはり激しい揺れだったらしく、病院前のG駅では駅員がもうあわただしく動き回っているのがみえた。階下からも、看護士たちのざわめきが聞こえてくる。
まだ動揺しているのか、足下がおぼつかないマチの体を支え、俺は階段を降りた。
病室に戻ると、飯田と友香も慌てた様子でいた。他の入院患者たちも、あたふたと落ち着かない様子だ。
「あ!先生、地震大丈夫でしたか?」
「すっごい揺れでしたよね!」
「ああ、この通り大丈夫だ。」
俺は飯田たちに再び詫びた。小一時間ほども病室にほったらかしにしてしまっていたからだ。
マチは、この日午後から人と会う約束があったという。なんでも、サークル活動の男友達だという。しかし、電車も止まってしまっていて、どうやって待ち合わせ場所までいくというのか?
「大丈夫、実はここに来るのも父に送られてきたんだ。だから、エイジの見舞いってのは父には内緒なんだよ。……エイジ、がんばれよ!また必ず会えるからさ!!」
「必ず、か?」
「うん!今日だってマチ、会いに来たっしょ?だから、次も必ずあるから!」
「そうだな……ありがとう、マチ。」
俺は右手を差し出した。マチは、その意味を察してくれたのか、やはり右手で「パン!」と派手に弾いてくれた。
「またね!エイジ!」
「おう!じゃあな!」
まるで男同士の別れのようだ。
マチは、飯田と友香にも丁寧に頭を下げ、帰って行った。アイツは、俺以外には実に礼儀正しい。飯田たちに対してタメ口叩くことはまずあり得ない。
マチと俺の間には、これからも様々なドラマがあることだろう。それが俺の人生にとってどんな意味を持つものになるかは、終わってみなければわからない。だが、今言えることは一つ。「マチがいてくれて、よかった。」と。
この日の地震は、JR東日本のS石線を一時不通にしたほどだった。友香と飯田は、S石線の復旧を待って帰宅していった。
友香が、「マチちゃんて、可愛いですね!!」を連発していたのが、やけに頭に残った。
本編3-25 退院~転落教師、娑婆へ(ヲイ洒落にならん……) に続く
あ、オマケなんですが、コレをどうぞ
http://www.fdma.go.jp/html/hakusho/h15/html/15171110.html
人間万事塞翁が馬
本当に、人間は一瞬先の運命さえ知ることは出来ない。細木和子あたりがどんだけ「あんたはねぇ」と占ってみたところで、人は、わずか一秒先の出来事さえ知ることは出来ない生き物なのだ。
そう、人は運命に翻弄されるしかないのである。良くも、悪くも。
だが、それだけに、ドラマは突然にやってくる。俺、飛鳥エイジは、どんな占いを見ても、「平穏な人生は送れない」と出てしまう。所詮占いは占いだが、その点だけは妙に納得してしまう。
人は誰でも、自分の人生が最大のドラマだと思っているものかも知れない。俺も、自分のこの人生は稀有であると考えている。
この日俺の身に起こったことは、人の意思が介在することの出来ない完全な「偶然」である。それだけに、運命はよくよく俺に奇妙な体験をくれてやりたいらしい……。
平成14年11月3日。入院生活も残りわずかとなったこの日、俺はいつものように目覚め、検温を受け、朝食をとった。
病院食には、慣れたものだ。以前ある病気で1ヶ月入院したときもそうだったが、俺は殆ど食事を残すことはない。まあ大食であるせいもあるが、とにかく好き嫌いがないのだ。病院だろうが拘置所だろうが、出されたものはまず残さずたいらげた。
「おはようございます、先生。」
いつもの野太い声で、飯田が病室に現れる。たった2週間の入院中、飯田は7回も見舞いに来てくれている。しかも、今日は日曜&祝日。当然学校は休みだ。わざわざ、30キロ先のY町から出てきてくれたのだ。
飯田と共に、友香もやってきた。駅一つ隔てた所に住んでいる二人は、連絡を取り合って合流し、俺の見舞いに来てくれていたのだ。まったく……ありがたくて涙が出る。
教え子たちの支えにより、俺の心身は順調に回復していた。平時の心拍数も70台に落ち着き、激しいめまいに襲われることも少なくなってきていた。
二人は、このまま夕方までいてくれるという。「どうせ暇ですから!」と笑う二人だが、休日の高校生が暇なわけがない。むしろ学校のある日の方が暇もあろうに。遊びたいさかりの高校1年生が、俺なんぞのためにこうして時間を使ってくれている。二人の優しさに、俺はどう応えればよいのだろう……。
昼食を取りながら、二人と談笑。病院食は俺にとって量的にはおやつ以下だが、こうして教え子たちと楽しく食べると、腹も心もいっぱいになっていく。たった2週間の時間の中で、俺は何度こんな素晴らしい時間を贈ってもらえたことだろう。この時間が、俺を癒やしてくれたのだ。
心のケガに一番効く薬は、人の心だ。
食事を半分ほど終えたところで、病室のドアをノックする音が響く。
「失礼します。」
若い女性の声と共にドアが開いた。ちょこん、と覗くその顔。忘れるはずもない、俺がこのベッドの上で日々待ちこがれていたその顔。現れたのは、赤いジャンパーにマフラー姿の、マチだった!
「!?」
声にならない。あまりに突然のマチの来訪に、俺は言葉を失い固まってしまった。「くるかも知れない」という程度の約束を交わしていただけだったので、本当に来てもらえるとは思っていなかったのだ。
「よ!エイジ、元気か?」
すっかり馴れ馴れしい口調だが、それが、妙に嬉しい。9月30日以来、一ヶ月ぶりのマチだが、あの日の別れ際に見せた暗さはすっかり消えている。
「マチ……来てくれたのか。ありがとう……。」
ようやく口を開いた俺だが、もう胸がいっぱいで、それ以上食事がのどを通らなくなってしまった。そんな俺を見て、マチが言った。
「ダメだよエイジ。全部食べなきゃ!そんなんじゃ遍路行けないよ。」
……全く、お前ってヤツは、なぜどんな時でも俺を励ましてくれるのだ?現れていきなり「遍路」だ。マチはまるで、俺の心を読んでいるかのように語りかけてくる。
落ち着きを取り戻した俺は、飯田と友香に詫びて病室を出た。二人は、俺のマチへの想いを知っていたため、にこりと頷いて俺を送り出してくれた。
S病院入院病棟最上階にある展望スペース。ここは、訪れる患者もほとんど無く三方をガラスに囲まれた絶好の眺望スポットだ。マチと二人、静かに語り合うには最高の場所だ。
俺は、マチの両肩に手を回し、抱き寄せた。久しぶりの感触に、回復しつつあった俺の心はますます力を取り戻していく。
「うーん、マチはね、あんまりギュウされるのは苦手なんだ。ヤツ(尾山)のこともあってね、男にさわられるの、辛いの。マチが抱いてあげるのはいくらでも大丈夫なんだけどね。」
そう言うと、マチは俺の体に手を回し、背中をポンポンと叩きながら「これならOK!」と笑った。
「ありがとな……。マチ、済まんが、今日は一つだけキツイ話、いいかな?」
「あんまりキツイのはちょっとね。どんな話?」
俺は、入院直前の妻とのやりとりを話した。
「入院のちょい前の夜な、カミさんが『話がある』って詰め寄ってきてな。んで、俺に紙見せるんだよ。何だったと思う?」
「え?う~ん、わかんないけど……。」
「ははは……。離婚届だよ。」
「えっ!!何それ!?」
さすがにマチも驚いたようだ。俺を見上げて目を丸くする。
「俺も参ったよ……。入院がいい機会だから離婚しようって言われてな。さすがに俺もこのタイミングでってのはありえねえと思ったから拒否したけど。そしたら、入院中は息子連れて実家に帰ってるってさ。」
マチの大きな目に、みるみる涙が溢れてきた。
「……何よそれ。エイジの奥さんでしょ!?エイジが一番辛いときに、なんでそんな真似が出来るの!ひどいよそれ!!」
マチは、顔を真っ赤にして叫んだ。俺の話は、彼女にとってあまりにショックだったらしい。マチの両親はとても夫婦仲がいいらしい。マチは、よく誇らしげに俺にその話を聞かせてくれた。それだけに、俺の妻の行動がマチには理解できなかったのだろう。
「わかった、もういい。落ち着け、マチ。俺は大丈夫だから……。カミさんはいつもそうなんだ。それに、俺がバカだから別れるなんて言われるんだよ。仕方ないさ。」
「それにしたって……。エイジが苦しんで入院するってのに、そのすぐ前に離婚だなんて、信じらんないよ……。」
マチが落ち着きを取り戻すまでしばらくかかった。階段の手すりにもたれ掛かって、俺たちはならんで外を眺めていた。休日のS釜の町は、海風に煙ってどこか淋しげだったが、そんな閑かな町の眺めが、今の俺たちにはやけにしっくり来るように思えてならない。
マチと俺は、それからとりとめもない話に興じた。こんな、穏やかな時間が、俺にとって最高の薬になる。
尾山のことは、もう吹っ切るとマチは話した。この先は学校内で求められても応じないと。まあ、新しい恋に生きるという宣言だな。まだ大好きになれる男は見つからないけど、今度はちゃんと自分を一番大切にしてくれる恋人を見つけるんだと、マチは笑った。だが、その笑顔はもう文字には綴れないほど複雑な寂しさに囚われていた。マチの中学校生活は残り4ヶ月ほど。せめてその時間だけでも、異常な状態から解き放たれて、普通の女子中学生として楽しく過ごしてほしいと心から願わずにはいられない。
さて唐突だが。
俺の人生は、やはりドラマのようだ。普通の人々が味わえないこと、滅多に経験できないことが次々と襲ってくる。短い生涯になる予定の俺だが、人一人の一生分くらいは十分に生きたと、そう思える。
出来すぎた物語のような、実話。
俺の左手は、マチの肩を軽く抱いていた。マチも、この軽い接触は心地よいのか、頭を俺の胸につけたまま、この一ヶ月のつもる話を次々と聞かせてくれていた。
その時だった。
ゴウン!という音と共に、ビルが揺れた。
地震だ。初期の揺れが強い。震源が近いかも知れない。マグニチュードの大きさによっては、かなり激しい揺れが続くかもしれん。
俺の瞬時の予想通り、揺れは強さを増していく。ここは病院の最上階。体感的には震度5はゆうにある。
「いやあああぁぁっ!!」
マチが悲鳴をあげてしゃがみ込む。無理もない、立っているのも難しいほどの揺れ。下手に外が丸見えなだけに、建物の揺れが余計に強く感じられることが恐怖を倍増させる。
俺は、マチに覆い被さるようにして、そのまま三方に目をやった。
ガラスは、建物の歪みによって圧し割られると、凄まじいスピードで飛び散る。それは、刃物のシャワーと言っても過言ではない。
左手をマチの後頭部に置き、そのまま鷲掴みにして自分の胸に抱える。左腕はマチの首筋から背骨にかけても完全にカバーする。足は片膝を立て、マチの体を挟み込むように固定し、同時に彼女の腹部をガード。右手は、手すりの一本をがっしりと握り、二人の体をその場に確実にホールドする。70㎏を超える握力は全開だ。
体が激しく横に揺さぶられる。建物自体の倒壊が考えられる程の揺れだった。その場合、階下に逃げれば、いくら俺でもマチを救うことは困難。ならば、ここで三方からガラスの破片を浴びようと、この体勢ならばマチは100%助かる。
例え俺が死んでも、だ。
猛烈な揺れが続く中、俺は全身を盾にしてマチを守った。
「死ぬ!死んじゃう!!」
そう叫ぶマチの耳元で、俺は静かに、ゆっくりと呟いた。
「大丈夫。お前は死なない。俺が、守るから。」
これまでの人生でもそうだったのだが、俺は死が予感されるような状況にあっても、常に冷静でいられる。そして何より、マチだけはなんとしてでも助けるという自信があったゆえ、俺の心は至極平静であった。
マチさえ助かれば、それでよい。
ゴンゴンと音を立てて、病院は震え続けた。その中にあって、俺とマチの体はまるで工具で固定されているかのように動かなかった。俺の視線は、マチではなく、マチに襲いかかる可能性のあるガラス2面に注がれていた。
「大丈夫だ……大丈夫。」
震えるマチに呟き続ける。やがて、揺れは徐々におさまりだした。幸い、ガラスは割れずに済んだ。
「立てるか、マチ。」
「うん……大丈夫、ありがと、エイジ。」
ようやくマチは顔を上げ、安心したように俺の声に応えた。
「なに、俺の命なんて安いもんだ。マチが死んだら、俺も生きちゃいないさ。」
この時、俺は確信した。「マチのために、死ねる」と。
極限状態にあって、俺は一瞬の迷いもなくマチの盾になれた。俺はこの先、どんな時でも躊躇無くマチのために身を投げ出せる。例えその危機がどんなものでも。
立ち上がった俺たちはその様子に目をやった。やはり激しい揺れだったらしく、病院前のG駅では駅員がもうあわただしく動き回っているのがみえた。階下からも、看護士たちのざわめきが聞こえてくる。
まだ動揺しているのか、足下がおぼつかないマチの体を支え、俺は階段を降りた。
病室に戻ると、飯田と友香も慌てた様子でいた。他の入院患者たちも、あたふたと落ち着かない様子だ。
「あ!先生、地震大丈夫でしたか?」
「すっごい揺れでしたよね!」
「ああ、この通り大丈夫だ。」
俺は飯田たちに再び詫びた。小一時間ほども病室にほったらかしにしてしまっていたからだ。
マチは、この日午後から人と会う約束があったという。なんでも、サークル活動の男友達だという。しかし、電車も止まってしまっていて、どうやって待ち合わせ場所までいくというのか?
「大丈夫、実はここに来るのも父に送られてきたんだ。だから、エイジの見舞いってのは父には内緒なんだよ。……エイジ、がんばれよ!また必ず会えるからさ!!」
「必ず、か?」
「うん!今日だってマチ、会いに来たっしょ?だから、次も必ずあるから!」
「そうだな……ありがとう、マチ。」
俺は右手を差し出した。マチは、その意味を察してくれたのか、やはり右手で「パン!」と派手に弾いてくれた。
「またね!エイジ!」
「おう!じゃあな!」
まるで男同士の別れのようだ。
マチは、飯田と友香にも丁寧に頭を下げ、帰って行った。アイツは、俺以外には実に礼儀正しい。飯田たちに対してタメ口叩くことはまずあり得ない。
マチと俺の間には、これからも様々なドラマがあることだろう。それが俺の人生にとってどんな意味を持つものになるかは、終わってみなければわからない。だが、今言えることは一つ。「マチがいてくれて、よかった。」と。
この日の地震は、JR東日本のS石線を一時不通にしたほどだった。友香と飯田は、S石線の復旧を待って帰宅していった。
友香が、「マチちゃんて、可愛いですね!!」を連発していたのが、やけに頭に残った。
本編3-25 退院~転落教師、娑婆へ(ヲイ洒落にならん……) に続く
あ、オマケなんですが、コレをどうぞ
http://www.fdma.go.jp/html/hakusho/h15/html/15171110.html
2008年03月04日
ホントに見つけてしまったよ……
「相談いただいた内容についての秘密は厳守します。
断りもなく学校や関係機関に連絡することはありませんので,お気軽にご相談ください。」
いやいやいやいやいや
本館にコメント頂いた通り、某教育委員会の相談窓口に、このように掲げられてました。
恐れ入ったぜ。
スクールカウンセラーへの相談内容は「集団守秘」とされるべきであり、学校、教師、保護者に対して、相談者の意に反してもらされてもなんら問題ないと公文書の中で明言したM県教育委員会。
いやいや、ホントその厚顔無恥ぶりは、人類の革新を思わせるね。そこまで無神経になれれば、人生幸福だよ。
検索エンジンで簡単に飛べるので、確認してきて頂きたい。
その後で、本館の本編をご覧アレ。
看板に偽りあり。
何が
断りもなく学校や関係機関に連絡することはありませんので,お気軽にご相談ください
なんだか。笑わせんじゃねえよ。
断りもなく学校や関係機関に連絡することはありませんので,お気軽にご相談ください。」
いやいやいやいやいや
本館にコメント頂いた通り、某教育委員会の相談窓口に、このように掲げられてました。
恐れ入ったぜ。
スクールカウンセラーへの相談内容は「集団守秘」とされるべきであり、学校、教師、保護者に対して、相談者の意に反してもらされてもなんら問題ないと公文書の中で明言したM県教育委員会。
いやいや、ホントその厚顔無恥ぶりは、人類の革新を思わせるね。そこまで無神経になれれば、人生幸福だよ。
検索エンジンで簡単に飛べるので、確認してきて頂きたい。
その後で、本館の本編をご覧アレ。
看板に偽りあり。
何が
断りもなく学校や関係機関に連絡することはありませんので,お気軽にご相談ください
なんだか。笑わせんじゃねえよ。
Posted by 飛鳥エイジ at
21:57
│Comments(7)
2008年03月04日
こっちでも試してみます☆
本館では成功したんで、こちら別館でも試してみますね。他のブロガーさんが、ニコ動使ってるのは見てましたんで、Tubeはどうなのかな、と。
では試し。小笠原沖皆既日食動画ですね。
詳しくは本館に書いてます。
Posted by 飛鳥エイジ at
20:41
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