障害者の就労支援で初会合
障害者が福祉施設を出て一般企業などで働けるようにサポートする人材を育成するため、厚生労働省はこのほど、「障害者の一般就労を支える人材の育成のあり方に関する研究会」(座長=松為信雄・神奈川県立保健福祉大教授)を設置した。人材育成のためのモデルカリキュラムの作成や、専門性を向上させるための研修などを提案しているが、こうした人材を育成するための人材が不足しているという意見も出ている。
【関連記事】
精神科患者の支援、人手不足
障害児支援、地域格差を懸念
重度障害者の訪問介護が深刻に
自立支援法見直しで7月から利用者負担が軽減
「応能負担強める」自立支援法見直しで与党PT 厚労省は7月4日、同研究会の初会合で、「検討の方向性(案)」などを提示し、今後の議論の進め方などを確認した。
この日は、社会福祉法人電機神奈川福祉センターで常務理事を務める志賀利一委員が、同センターにおける先進的な取り組みを紹介。障害者の就労を支援する人材の育成方法について、▽就業生活の基本を学ぶ(ステップ1)▽就労支援の基礎的手順を学ぶ(同2)▽職場で働く障害者を学ぶ(同3)▽障害者の多様性とニーズを学ぶ(同4)―の4つのステップを挙げた。
就労支援担当者に求めるスキルとして、志賀委員は「ステップ4のインテーク(受理面接)が最も難しいが、ここまでは求めない。せめてステップ3(長期的な支援)までは必要」と指摘したが、委員からは同センターと同レベルの取り組みを全国に普及させることに難色を示す意見もあった。
「説明を聞いて、ため息が出た。なかなかこのようにはいかない」「そのような取り組みができるのはうらやましい」「人材育成以前の問題ではないか」といった意見が相次ぎ、障害者の就労を支援する人材を育成する人材が不足している実態があらためて浮き彫りになった。
今後の議論は、▽地域の就労支援機関において就労支援を担う人材の現状と課題▽就労支援機関の役割に応じて就労支援を担うために必要な能力要件などの明確化▽就労支援を担う人材の育成の在り方―を中心に進めていく。同研究会は、全7回の会合を7月から月に1回のペースで開催し、来年2月に報告書案をまとめる予定。
更新:2008/07/07 12:25 キャリアブレイン
新着記事
障害者の就労支援で初会合(2008/07/07 12:25)
効率化推進計画、7月下旬めどに改定―厚労省(2008/07/04 19:37)
- 厚労事務次官ら幹部留任へ 年金、医療への対応継続(2008/07/04 00:00)
過去の記事を検索
キャリアブレイン会員になると?
専任コンサルタントが転職活動を徹底サポート
医療機関からスカウトされる匿名メッセージ機能
独自記者の最新の医療ニュースが手に入る!
第18回 医療の良心を守る市民の会代表・永井裕之さん 「遺族の思いは、何が起こったか真相を明らかにしてほしい、同じ思いを他の人がしないよう、再発防止を徹底してほしいということ。本当に納得すれば、決して訴えることなどはあり得ない」―。1999年に東京都立広尾病院で起こった点滴への誤薬注入による医療過誤 ...
患者に寄り添う看護に重点医療法人社団昌栄会「相武台病院」(神奈川県座間市)24時間保育でママさん支援 厳しい労働実態から離職率が12.3%に達するなど、看護師の確保・定着が看護現場の重要な課題になっている。こうした中、神奈川県座間市の医療法人社団昌栄会相武台病院では、組織を挙げて働きやすい職場づくり ...
Weekly アクセスランキング
※集計:7/1〜7/6
埼玉県戸田市の戸田中央総合病院には、今年もたくさんの新人ナースが仲間入りしました。人に寄り添う日々の業務は、緊張の連続でもあります。新人ナースの一日に密着しました。
医療セミナー情報