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博士候補(Ph.D Candidate)の皆様へ

2008-07-05 15:26:59 | Weblog
ここ数年,院生の学会報告討論者や論文査読をする機会が増えてきました。私みたいなぺえぺえに回ってくるのは,院生か定性的なトピック満載で正面から向き合いたくないような報告をする年配の相手と決まっています。このまえたまたま参加して聴いていた院生のセッション報告が,修正要求満載のコメントを付けて帰した査読論文とクリソツでした。匿名レフェリーとはいえ丸わかりです。

クリソツなのに気づくポイントは,主な引用文献や既存研究のレビューの部分です。同じ分野のテーマで書かれた類似論文には出てこないような論文が大きな影響力を持ってどっかり占めていることで気づきます。電子ジャーナルの大手出版社では検索結果に参照回数を付することが多くなってきています。引用論文をそういったデータベースで調べてみると参照回数が多いわけではありません。もしかすると未だ光の当たっていない将来の重要論文の可能性はあります。まあ一般的には参照する価値のない,一顧だにされない論文という評価です。

そこから学位取得を目指す博士候補の皆さんが陥りがちな罠が導き出されます。「勉強したからには無駄にしたくない」という思いから,読んだけど無駄だった内容をベースに論文を書いてしまうのです。本人も無駄だったと気づいているかもしれません。気づいていないのかもしれません。院生ならば,活字に書いてあることはすべて是,なんて学部生みたいな幻想は持っていないと信じています。それでも時間をかけて読み込んだ海外論文は形にしたいと思ってしまうようです。中には引用論文を電子ジャーナルで取り寄せて読んでみると,いくつかの変数を変えたことだけがオリジナルで,結論も含めてほぼ一緒なんて,剽窃まがいの論文も目にしたことがあります。

ぜひ,こういったことを苦々しく思っている少しだけ先輩の研究者がいるってことを意識において,精進していただきたいと思います。そして,学会の懇親会では顔名前が一致するように積極的に売り込みましょう。人間性が最優先の採用基準という大学もあります。
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コメント
 
 
 
Unknown (某大学教員)
2008-07-07 05:07:18
管理人さんはどのような博論を書きはりましたか。国内誌・国際誌の査読論文は何本持ってはりますか。
 
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