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平泉、世界遺産「登録延期」事実上の落選 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:歴史・考古学
カナダのケベックで開かれている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会は6日(日本時間7日午前)、日本が推薦する「平泉の文化遺産」(岩手県)について、より綿密な調査と推薦書の再提出が必要とする「登録延期」とすることを決めた。事実上の落選で、日本がユネスコに推薦した遺産が世界遺産に登録されなかったのは初めて。文化庁に7日午前に入った連絡で分かった。
日本では「富士山」(静岡、山梨両県)など世界遺産登録を目指す候補地7件が控えているが、平泉の落選は、今後の世界遺産推薦のあり方に大きな影響を与えそうだ。
委員会には計43件が諮られ、「登録」、追加情報を提出させて最短で1年後に再審査する「情報照会」、調査のやり直しが必要な「登録延期」、「不登録」の4種類の決議が出される。登録延期とされた平泉は、政府が提出する推薦書の本質的な改定が必要。文化庁は同日、平成23年7月の再審査を目指して準備を進める考えを明らかにした。
平泉をめぐっては、ユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議(イコモス)が今年5月、「顕著な普遍的価値が証明されていない」などとして登録延期を勧告。浄土思想が欧米の委員に理解されにくいことや、世界遺産の総数が851件と増えたため、抑制傾向にあることなどから、平泉の登録を悲観視する声が関係者から聞かれた。