所持金が数百円しかなく、住む場所もないのに生活保護を支給しないのは違法だとして、東京都内でホームレス生活を送っている横山正美さん(57)が7日、新宿区を相手取り、申請を却下した処分の取り消しと、月約13万円の支払いを求める訴えを東京地裁に起こした。
訴状によると、路上や公園で寝泊まりしていた横山さんは6月、同区に生活保護を申請したが、「仕事は十分確保できる」と却下された。
原告側は「住所や連絡先もない状態では就労の道が事実上閉ざされており、却下は実情を無視している」と主張。ボランティアの炊き出しに頼る困窮した生活は、受給要件を満たすとしている。
横山さんは提訴後に記者会見し、「ホームレスにはもっとひどい境遇の人たちがいる。その人たちのためにも道しるべになりたい」と語った。
代理人の渡辺恭子弁護士は「都内だけでも数千人いるホームレスに対する行政の姿勢を問いたい」としている。
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