西日本新聞

大分教員採用汚職 由布市教育長を逮捕 県警 金券100万円受領容疑

2008年7月5日 09:54 カテゴリー:社会

 大分県の教員採用をめぐる汚職事件で、同県警は4日、金品受け渡しの仲介役を務めた夫婦から、夫婦の長女が受験した2007年度教員採用試験での便宜供与を依頼されて100万円分の金券を受け取ったとして、収賄の疑いで、同県由布市教育長を務める元同県教委参事兼教育審議監、二宮政人容疑者(61)=由布市挾間町下市=を逮捕した。

 夫婦は、県教委義務教育課参事の矢野哲郎容疑者(52)と同県佐伯市立小学校の教頭、かおる容疑者(50)=いずれも贈賄容疑で逮捕。

 県警は、ほかにも矢野夫婦から同じ目的で100万円分の金券を受け取ったとして、収賄の疑いで県教委義務教育課参事江藤勝由容疑者(52)=別の収賄容疑で逮捕=を、贈賄の疑いで哲郎容疑者をそれぞれ再逮捕する方針。

 調べでは、矢野夫婦は同県の07年度教員採用試験で長女に便宜を図った謝礼などとして、06年9‐10月、二宮容疑者に100万円分の金券を大分市内で渡した疑い。長女は合格し、県内の小学校に勤務している。

 関係者によると、矢野夫婦は「長女の合格発表前後、二宮容疑者に金券を50万円分ずつ計100万円分、江藤容疑者には発表後に金券100万円分を渡した」などと供述。二宮容疑者は合格者の最終案を決裁する立場だった。

 二宮容疑者は中学校教諭を経て、県教委の教職員第一課長や教育審議監などを歴任。06年11月から由布市教育長を務めている。

 矢野夫婦は佐伯市立小学校校長浅利幾美容疑者(52)=贈賄容疑で逮捕=から08年度採用試験で長男と長女の合格依頼の相談を受けた際、採用担当だった江藤容疑者を紹介。浅利容疑者が江藤容疑者に現金や金券計400万円を贈り、その場に同席していたとされる。

 県警は、夫婦が自分たちの体験に基づき、浅利容疑者らに同様の工作を持ち掛けたとみている。

=2008/07/05付 西日本新聞朝刊=

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