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中国主席、盧溝橋事件の日に来日 反日世論刺激も

2008年7月6日19時45分

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 中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席が7日、洞爺湖サミット出席のため訪日する。7日は日中戦争の発端となった盧溝橋事件(1937年)が起きた日に当たり、中国の最高指導者がこの日に訪日するのは初めて。対日関係改善を進める胡指導部にとっては国内の反日世論を刺激するリスクをはらんだ外遊になる。

 日本政府当局者によると、準備交渉で中国側はサミット中の首脳会談で「チベット問題には触れないで欲しい」と再三、求めたという。中国国内には、チベット問題を巡る国際社会の批判に反発する民族主義がくすぶっており、こうした動きが反日世論と結びつくことに中国側は警戒感を強めている。

 国家主席として10年ぶりだった5月上旬の訪日から約2カ月後の再訪日も、サミット日程の巡り合わせとはいえ異例。この間、四川大地震の被災者支援のための自衛隊機派遣が中国国内の反日世論に押される形で見送りになった上、東シナ海ガス田の日中共同開発の合意にも批判が続出した。

 中国外務省の3日の会見では盧溝橋事件当日の訪日に対する質問も出たが、劉建超報道局長は「サミット日程は参加国が協議して決めたもの」と偶然を強調。対日関係重視の一方、国内世論に神経をとがらせざるを得ない中国側の微妙な事情をのぞかせた。(琴寄辰男)

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