▽ひろしまドナーバンク仲介
財団法人「ひろしまドナーバンク」(広島市南区)が仲介した角膜提供者が、通算五百人を超えた。県内初の脳死者からの臓器提供が行われた二月以降、視覚障害者に角膜を移植する「献眼」のペースが加速している。
バンクの前身「県アイバンク協会」が発足した一九九〇年六月から仲介を始めた。五百人目の角膜提供は五月二十二日にあり、七月四日現在で通算五百五人に上っている。
日本アイバンク協会(東京)によると、全国に五十四ある角膜移植仲介組織のうち、十四番目に多い。
県内の年間提供者数は、二〇〇二年度の四十五人をピークに、近年は十〜三十人台で推移していた。今年は、広島市民病院(中区)で臓器提供があった二月五日からの四カ月余りで、角膜提供者は十九人に達した。
バンクには提供希望者の問い合わせが増えているという。山根俊則事務局長は「移植医療への関心の高まりを実感する」と話す。
角膜移植を希望する県内の患者は百三十四人(五月末現在)。バンクは今後、献眼運動に協力する民間団体と連携して啓発機会を増やすほか、遺族が献眼に協力してもらえるよう、医師への働き掛けを強めていく。(石川昌義)
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