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【主張】日米首脳会談 拉致でどう協力するのか

2008.7.7 02:36
このニュースのトピックス主張

 福田康夫首相とブッシュ大統領との日米首脳会談は、北朝鮮の完全な核放棄に向け、核申告の検証は極めて重要であるとし、拉致問題の解決へ両国が緊密に連携していくことを確認した。

 北の核は日本にとって死活的に重要な問題だ。北が6月26日に提出した核申告書は、核兵器に関する情報が先送りされるなど、「完全かつ正確」な内容にはほど遠い。厳しく検証するのは当たり前である。

 大統領は北朝鮮のウラン濃縮、核拡散などにも言及したが、米政府が議会に通告したテロ支援国家指定解除は8月11日に発効する。時間は残されていない。厳正な検証がどこまでできるのか、疑念はあるが、関係国には総力を挙げて作業を進めてもらいたい。

 大統領は会談後の記者会見で拉致問題に関し「日本を置き去りにすることはない」「日本の立場を支持する米国の考えはいささかも変わらない」などと表明した。

 日米が一体になって拉致問題の解決に取り組む姿勢を示すことは重要であり、歓迎したい。

 ただ、大統領の発言は、日本側から「拉致は現在進行中のテロ」「日本を見捨てるのか」などと強い懸念が示されていることへの配慮でもあるのだろう。

 首相は大統領発言に対し、「心強く感じた」などと評価していた。北のテロ支援国家指定解除が日本人拉致問題を置き去りにして進んだことへの懸念を伝えたのだろうが、日米が具体的にどう協力して拉致問題を解決するのか、なども明確に語ってほしかった。

 危惧(きぐ)するのは、日米同盟の強化をうたいあげたにもかかわらず、同盟関係の弱体化が見え隠れしていることだ。

 一つは、米国が日米同盟より、多国間協議により重心を置いているように見えることだ。拉致問題に関しても大統領は6カ国協議参加国による圧力に言及したが、中国とロシアは距離を置いており、実効性を持たないからである。

 もう一つは、日本が同盟関係を強固にする努力を払っていないことだ。日本は、米国に向かう弾道ミサイルを集団的自衛権の行使に抵触するとして迎撃しないとしている。これでは頼りになる同盟国とはみられまい。

 温暖化問題や原油高など、日米が協力せねばならない課題は山積している。同盟関係を揺るぎなくすることを最優先すべきだ。

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