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芸大生・武藤さん、無言の110 ダイヤル直後に刺殺か

2008年6月21日13時14分

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 東京・秋葉原の無差別殺傷事件で、交差点の惨事を間近で目撃した女性は携帯電話で「110」を押した直後に突然刺された。警視庁の捜査で分かってきた現場の状況は、人込みの中で救助する人までもが襲われる惨状だった。犯行はわずか1〜2分間で、17人の被害者の大半は、交差点付近で次々と襲われていた。

 東京芸術大学4年の武藤舞さん(21)=東京都北区=は、交差点角にあるパソコン店の携帯電話売り場で、短期派遣スタッフとして働いていた。目の前の「事故」に白いユニホーム姿のまま、飛び出したらしい。武藤さんの携帯電話には110番通報の記録。警視庁通信指令本部が問いかけても無言で、通報直後に刺されたとみられている。

 通りかかったタクシー運転手(54)は車を降り、はねられた被害者を介抱していたところ、脇腹を刺された。運転手は3月、社の救命講習を受けていた。「目の前ではねられたので、助けなくちゃいけないと思って……」と上司に話した。19日に退院した。

 交差点では、はねられた元歯科医中村勝彦さん(74)=東京都杉並区=が倒れていた。久しぶりに息子と買い物を楽しんでいた。息子は外科の開業医で、自ら救護にあたった。息子は「医師としての職責をすべてに最優先させよ」との父の教えに従い、遺体安置場所に寄らず、職場に戻ったという。

 万世橋署交通課の警部補(53)も救助中に背中を刺され、今も重体という。

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